UPDATE 2020.7.9
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YOICHI / ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナー(CFP®) 外資系保険会社を経て、2009年からファイナンシャルプランナーとして活動する。ファイナンシャルプランニングの経験は12年超、1,000件以上の面談経験を持つ。 生命保険、資産形成、住宅購入、相続や贈与の相談を得意とする。
最近、社内メンバーに子どもが生まれたのですが、学資保険って入った方がいいんですか?
学資保険は、手堅いという理由で相変わらず人気があるようですが、加入するかどうかは良く考えた方がよいかもしれませんね。
学資保険とは、教育資金を準備するための貯蓄型の保険です。
月払い、年払いなどで保険料を払うことで、お子さんの成長に合わせた進学準備金や満期学資金を受け取れます。この受け取る金額が、支払った保険料総額よりも多くなります。
また、親(契約者)が亡くなった場合、それ以降の保険料の払込が免除となりますが、保障はそのまま継続し、満期学資金を受け取ることができるという、死亡保障の側面も持ち合わせています。
以前は金利が高かったので、学資保険に入るメリットがありました。でも、今は低金利ですから、学資保険に入ってもほとんど増えないですね。あまりおすすめはできません。
低金利とはいえ、親の保障も兼ねてますし少しは増えるわけですから、学資保険に入っておいてもいいように思ってしまうのですが。
確かに、定期預金に預けるよりはいいかもしれませんが、投資効率が良くないことに変わりはありません。18年後に200万円を学資保険で準備するとします。18年間で支払う保険料はどれくらい必要だと思いますか?
当てずっぽうで、180万円くらいでしょうか…?
実は190万円くらいです。昨今の金利下では、18年も掛けて10万ほどしか増えないわけです。
また、あまり知られていないかもしれませんが、大学の学費自体が上昇しています。そのような物価上昇に対応していく必要もありますね。
教育資金づくりが目的で、まだお子さんがまだ小さいのであれば、時間は充分にあります。投資信託で積立投資する方が、学資保険よりも効率良く資金を増やせる可能性があります。
シミュレーションしてみましょう。
投資信託を毎月8,800円ずつ、18年間積立運用した場合、運用利率3%で計算すると、結果は次のようになります。
元本:約190万円 運用益:約61万円 合計:約251万円
投資信託を使うなら税制優遇制度であるつみたてNISAが良いと思います。運用益に税金はかかりませんので、その分手取りが増えますよね。
学資保険のデメリットには、投資効率が悪い点の他、契約時に設定した満期時にしか資金を受け取れないという点が挙げられます。
学資保険の満期は、お子さんの大学入学に合わせて契約される方が多くなっています。
例えば、当初は中学まで公立の想定だったのが、私立中学に入学することになり、そのタイミングで貯めている教育資金を使いたい、という状況になることもありえます。
中学入学の時点で学資保険はまだ満期ではありません。また、この時点での解約返戻金は支払った保険料を下回ってしまいます。
学資保険は、満期になってはじめて活用できるお金です。教育資金が必要になるタイミングが前倒しになっても、それには対応できないのです。
確かに、子どもの進路は予定通りに行くわけではありませんよね。
私立・公立の違いだけではなく、塾や習い事、部活動など、何に力を入れるかによっても、出費の大きさは違ってきます。
投資信託であれば、いつでも必要に応じて現金化できますから、進路変更や想定外の出費にも対応できます。投資効率だけではなく、自由度の高さという点でも、学資保険よりも投資信託の方が使いやすいと思います。