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03保険選びは相談相手選びから。相談相手を選ぶ際の注意点

UPDATE 2020.1.6

はじめに
「保険はどうやって選べばいいか分からない」「自分で調べて選んでいいのか不安」。そんな声をよく耳にします。保険の仕組みや商品は非常に複雑ですし、社会保険について考慮する必要もあるので専門家に相談しながら決めて行くのが効率的です。
ただ、保険を誰かに相談する際には注意すべき点があります。販売側は販売手数料で売上や収入が決まることもあり、販売側の利益が優先される場合があるという点です。
昨今は、顧客本位の業務運営(フィデューシャリーデューティー)が求められていますが、ビジネスである以上、簡単には変わりにくいでしょう。
ここでは保険の相談相手選びに失敗しないように、保険の相談相手の特徴と気を付けるべきポイントを解説します。

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相談相手ごとの特徴や注意すべきこと

生命保険会社などの『直販型』

直販型の保険会社とは、保険会社が保険商品を作り、直接販売し、支払事由が起こった際の保険金や給付金の支払いまでを一貫しておこなうスタイルです。保険会社の社員が顧客一人ひとりに担当として付き、加入や見直しへのアドバイスを行います。
こうした直販型には、以下のような保険会社が該当します。

  • 国内大手生命保険会社
  • 国内損保系生命保険会社
  • カタカナ生命保険会社
  • 外資系の生命保険会社
  • ネット生保
  • 共済
  • かんぽ生命

直販型の保険会社に相談する場合、取扱商品は自社のものに限定されるため、商品の選択肢が狭まってしまいます。そのため、他社と比較する場合、自分で動く必要があります。

また、販売手数料が報酬に結び付く給与形態が、提案内容に影響する、といったことも考えられます。
国内大手生保では相変わらず10年更新型のパッケージ商品が主流ですし、カタカナ系や外資系保険会社の営業は、手数料稼ぎのために終身保険や養老保険を、高めの保険料で提案するといったこともあるようです。

勢いで契約してあとから後悔しないためにも、直販型だけでなく複数の保険会社や乗合代理店にもアドバイスを受け、納得した保険商品を選ぶほうがベターでしょう。

ちなみに、最近TVCMでも目にすることの多いネット生保もこちらに該当します。Webと郵送のセルフ手続きのみで加入できる利点はありますが、商品も限定されますし、ライフプランを含めた相談を受ける事も難しいでしょう。保険料は比較的安めではありますが、非喫煙者割や優良体割を使える人は、他社の方が有利なケースもあります。

保険ショップ等の『乗合代理店』型

乗合代理店とは、複数の保険会社と代理店契約を結び、保険商品を販売している保険の代理店です。各社商品のいいとこ取りができ、保障内容や保険料をまとめて比較できます。
主な乗合代理店には、以下のものがあります。

  • 保険ショップ型
  • 訪問型
  • 銀行や証券会社など
  • FP相談紹介型

乗合代理店も直販型と同じく、販売手数料が代理店や保険募集人の報酬に直結していますので、販売手数料を意識した提案に内容になりがちです。

乗合代理店でもそれぞれ特徴が異なります。ノルマがある会社もあれば、ノルマのない会社もあります。また、売る商品がある程度決まっている代理店もあれば、自由に選んでも良い代理店もあります。給与形態が固定給の場合もあれば、フルコミッションの給与形態の場合もあります。
こうした違いがあるため、乗合代理店を利用する際にも複数に相談を依頼して、アドバイスや提案をもらうほうがベターでしょう。

また、ファイナンシャルプランナーによる無料マネーセミナーも保険代理店に所属している人が講師になっているケースが多いようです。セミナー後に個別相談が受けられますが、面談を通じて保険を勧められることがあります。
金融教育というよりも保険販売目的でセミナーを行いますので、個別相談を通じて売り手都合の保険提案になりがちですので注意が必要です。

相談系FP(ファイナンシャルプランナー)や保険コンサルタント

保険会社や乗合代理店に所属する販売系ファイナンシャルプランナーとは違い、個人で独立して相談業務やセミナー講師などを行っているファイナンシャルプランナーや、中立的な立場で相談を行う保険コンサルタントという専門家もいます。
有料相談が主流で、家計や商品性の観点からアドバイスを受ける事ができます。保険販売を生業とはしていないので、利益相反は起こりにくく、安心ではあります。

ただし、メリットばかりではありません。実際に保険商品を扱えないため保険商品や活用法に疎くなりがちで、具体的な提案を受けることもできません。また、保険はコスト、無駄という認識が強く、意図せず保障が足りていない状況になっているケースも見受けられます。

保険は、ただ節約すれば良いというわけではなく、大きな損害に備えるためのもの、という本来の役割を忘れないようにしたいものです。
相談型FPのアドバイスも鵜呑みにすることなく、販売系のファイナンシャルプランナーの意見も参考にすると良いでしょう。

相談系FPが良いのか販売系FPが良いのか

前述の通り、相談系FPは利益相反が起きにくい点ではベターではありますが、保険を選ぶにあたって必ずしも最良とは言えません。かといって販売系FPも自社や自分の利益を優先する人が多いのも事実です。

また、ファインナンシャルプランナーは、弁護士や会計士のように独占業務ではありませんので、名乗ろうと思えば誰でも名乗れます。そのためライセンスで相談相手を絞るのも一案です。上級資格であるCFP®認定者であればファイナンシャルプランニングに関して、一定水準以上の知識と倫理感を持ち合わせているという判断にはなります。

ただし、保険は特に実務経験が重要となるため、資格はあくまでも判断材料の一つとして捉えてください。

失敗しない保険加入のために

こうして見てくるとどこに相談するに関わらず、顧客本位な人なのか、自分の利益重視の人なのかを見極める必要があるということが分かるかと思います。

顧客本位な相談相手を見極めるには

ご参考までに、保険営業パーソンやファイナンシャルプランナーが顧客本位かそうでないかの見極めるポイントを書いておきます。

ポイント1

社会保険について話しをしてくれるかどうか

ポイント2

職場の福利厚生について話をしてくれるかどうか

ポイント3

貯蓄性保険などで高額な保障額や保険料を提示してくる人には要注意

ポイント1 社会保険について話しをしてくれるかどうか

民間保険はあくまでも健康保険などの公的な保障を補完する位置づけです。その人に必要な保障を考えるときには、社会保険を含めた全体的な視点が必要です。社会保険を考慮すれば、保険の無駄が減ります。

ポイント2 職場の福利厚生について話をしてくれるかどうか

勤務先の福利厚生や団体保険について考慮しない人も注意です。大手企業を中心に手厚い保障を準備しているケースもあります。団体保険も任意加入だとしても個人的に入るより有利な場合もあります。

ポイント3 貯蓄性保険などで高額な保障額や保険料を提示してくる人には要注意

身の丈に合わないと感じるほど高額な保険を提案する人には注意が必要です。手数料を意識した提案になっている可能性があります。
貯蓄性保険であれば、保険を活用して資産形成する意味や価値、投資信託の違いやコストなどを説明してくれない人も良い相談相手とは言えないでしょう。低金利の影響もあり、ドル建て終身保険や養老保険、変額保険などを提案する人も増えています。商品売りのポジショントークに気を付けて判断したいものです。

おわりに

保険選びは相談相手選びということで、それぞれの特徴や注意点をまとめてみました。保険選びで失敗する人が減らない理由の一つに、良い相談相手に恵まれないという点もあります。
自分にとって信頼できる相手を見つけるには、時間は掛かりますが、やはり複数の人から話を聞いてみることが大切です。その中から最終的に、ライフプランや価値観、職業、家族構成などを踏まえて、全体最適でアドバイスや提案をしてくれる人に出会ってほしいと思います。

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