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02保険商品を選ぶ上でのポイント(がん保険編)

UPDATE 2020.1.6

はじめに
保険に入る際は、想定される損害に対して、不足分を保険でカバーするといった考え方が大切です。しかし、がん治療は部位やステージによって治療方法も治療期間も異なるため、どの程度の損害を被るかが読みにくく、対策の立て方も難しいものです。ここではがん治療で知っておきたい5つの費用と、がん保険を選ぶ際に重要なポイントを解説します。

がん治療で知っておきたい5つの費用

国民病と言われる「がん」ですが、実際の治療にはどのような費用がかかるのでしょうか。がん治療でかかるとされる費用は大きく分けて5つあります。

がん治療でかかる費用

費用1

がんの標準治療費

費用2

通院による治療費

費用3

罹患した後の収入減

費用4

先進医療や自由診療

費用5

その他の雑費

費用1 がんの標準治療費

がんと診断された後、健康保険が適応される手術や放射線、抗がん剤といった標準治療を受けることが一般的です。がん治療は高額なお金がかかると思われがちですが、健康保険が利く標準治療であれば、医療費の自己負担を最小限に抑えることができます。高額療養費制度や健康保険組合によっては付加給付もあるので、治療費の持ち出しは意外と少なく済みます。

費用2 通院による治療費

初期治療が終了した後、通院による抗がん剤・ホルモン剤・放射線などの治療に切り替わるのが一般的です。健康保険が適応されれば医療費の負担も少ないですが、治療が長期化すると負担感は増します。また、通院するための交通費なども掛かりますし、家族同伴の場合は、その分費用がかさみます。

費用3 罹患した後の収入減

治療の長期化、再発や転移、がんが進行した状態で見つかった場合は、それまでと同じように働けるとは限りません。治療による体力の低下や通院時間を確保するために時短勤務に変わる人もいます。仕事を休みがちになれば減給や降格、離職となるケースもあります。会社員であれば傷病手当金がありますが、標準報酬日額3分2の支給になるため、住居費を始め、毎月の支出の負担感が増します。がんの治療に専念するために退職してしまうと、その後に再就職することも難しいのが現状です。また、自営業は傷病手当金がないので、収入減のインパクトも大きなものとなります。

費用4 先進医療や自由診療

先進医療とは、厚生労働大臣が認めた高度な医療技術を使った治療のことです。現時点では標準診療として認められていない治療法で、健康保険を適応させるか否かを判断する臨床試験のような位置づけです。
自由診療は、厚生労働省が承認していない薬や治療法による診療のことです。がんゲノム医療、ホウ素中性子補足療法(BNCT)、NK細胞療法などがあります。
先進医療は手術が難しい部位で、自由診療は標準治療が効かない場合や長期化、再発時に用いられることが多いようです。公的な医療保険は適用されず、全額自費になるため金銭的負担も大きくなります。また、治療後の人生、いわゆるQOL(Quality of Life)を考えて利用されることもあります。

費用5 その他の雑費

入院や通院の際にかかる日用品代や交通費のほかにも、付き添う家族がいればその分の交通費も掛かります。遠方の病院に治療に行く場合は、宿泊費などの費用がかかります。体に良い食材や漢方やサプリメントの使用頻度も増える傾向があります。また、抗がん剤の副作用によって、ウィッグが必要になることもあります。ひとつひとつを見ると大きな金額ではないかもしれませんが、積み重なることでじわじわと負担が増していきます。

がん保険選びでおさえておきたいポイントとは

5つの費用をカバーするためにも、がん治療に関するお金をどのように準備したら良いでしょうか。ここではがん保険を選ぶポイントを見ていきたいと思います。

保障内容を選ぶときに重視すべきこと

ポイント1

診断された時点でまとまった一時金が受け取れること(がん診断給付金)

ポイント2

“がん診断給付金”を何度も受け取れること

ポイント3

通院のみの治療でも給付金が受け取れること

ポイント4

がんと診断されたら保険料が免除されること

ポイント5

先進医療特約が付いていること

ポイント1 診断された時点でまとまった一時金が受け取れること(がん診断給付金)

がんの治療は、標準治療だけでなく、陽子線治療などの先進医療、免疫療法、ゲノム医療といった自由診療という選択肢があります。その中から自分に合った最適な治療方法を選びたいものです。

そのためにも、がんと診断されたら、例えば200万円といった一時金が出るタイプであれば、様々な選択肢を持つことができます。また、一時金の使い道に制限はないので、治療費以外に、生活費や雑費、収入減にも充てることもできます。一昔前のタイプで、一時金ではなく、入院や治療毎に給付が分かれているものは、昨今のがん治療の現場では使いにくいかもしれません。

ポイント2 “がん診断給付金”を何度も受け取れること

上記の“がん診断給付金”には、一度きりのものと、複数回受け取れるものがあります。がんは治療の長期化、治っても転移や再発の可能性があるため、一回だけではなく複数回受け取れるタイプが良いでしょう。

他にも2年または1年に1度など、免責期間による制限を設けているがん保険も存在します。
2回目以降の給付では、間隔だけでなく支払事由も重要です。支払事由には、各商品毎に異なりますが、入院、通院、標準治療を受けた場合などといった条件が付いており、1年や2年経っていれば必ず受け取れるといったものではありません。

長期化、再発や転移時には、標準治療以外の治療方法を受ける可能性もありますし、入院しないで通院のみの可能性もあります。
いざという時に保険が下りなかったら困りますので、ももらえる可能性が高そうな支払い事由のものを選ぶようにしましょう。

ポイント3 通院のみの治療でも給付金が受け取れること

国の医療費削減の影響もあり、入院日数は短くなってきています。がん治療の入院も短く、初期治療後は基本的に通院治療になります。そのため通院も対象になるタイプだと安心です。

大きく分けて通院日数によって支払いが変わるタイプと通院日数にかかわらず一回でも通院治療すれば給付されるタイプがあります。前者は通院の日数制限が60日と決まっているケースが大半です。保険会社も無制限で対応するには支払いリスクがあるからです。後者は通院日数に関わらず、1回でも通院で抗がん剤、ホルモン剤、放射線などで治療すれば給付されるタイプです。自由診療も対応している商品もあります。細かいところですが通院の内容も確認しておくと良いでしょう。

ポイント4 がんと診断されたら保険料が免除されること

悪性のがんに罹患すると、以後の保険料を払わなくて済む“保険料払込免除特約”というものがあります。
保険料払込免除特約が付いていれば、治療費や収入減にも安心ですし、入院中、うっかり保険料を払い漏れてしまい保険自体が失効してしまう、といったことも避けられます。
複数回給付金を受けられるタイプの場合、保険料が免除になれば、保険料を払わなくても保障が続くので不安なく治療を続けることができるでしょう。

ポイント5 先進医療特約が付いていること

先進医療とは、厚生労働大臣が認めた高度な医療技術を使った治療です。公的な健康保険の適用を検討するための、いわば臨床的な位置づけの治療です。
健康保険が利かないため、治療費は全額自己負担になります。がん治療では、重粒子線治療や陽子線治療が先進医療の代表格です。技術料は300万円前後になりますが、その費用を全額保障してくれるのが“先進医療特約”です。

「先進医療特約は必要ない」と言う人もいますが、標準治療では治療することができずに、陽子線治療で助かった人も少なからずいます。
その後の生活を考えて、手術といった標準治療を避けるケースで使われることもあります。
保険料も月100円程度ですので、様々な選択肢を用意しておくために付帯しておいたほうが良いでしょう。

がん保険は、定期型と終身型のどちらが良い?

加入する保障内容の次は、保障期間と保険料の払込方法を見ていきましょう。定期型と終身型には、それぞれこのようなメリットとデメリットがあります。

定期型の特徴

10年や20年といった一定期間を保障する“定期型”のがん保険は、期間にもよりますが、終身型に比べると毎月の保険料は割安という特徴があります。
ただし、保障期間が過ぎると保障が切れてしまいます。一定年齢までは解約しない限り、自動的に更新されるのですが、更新する年齢で保険料が再計算されるため高くなります。長く続けるなら最初から終身型に加入していた方が支払う保険料は少なくて済んだ、ということもありえます。

また、悪性新生物と診断確定されたら以後の保険料を支払わなくて良い“保険料免除特約”は付帯されていません。そのため、悪性のがんになったとしても保障を持ち続けるためには保険料を払い続けなければいけません。

終身型の特徴

終身型の特徴は、年齢や期間にかかわらず一度加入したら保障が一生涯続くことです。保険料は一般的には定期型に比べてやや割高という特徴がありますが、加入後ずっと保険料が変わらないのは、続けやすいという点ではメリットかもしれません。何よりも、終身型では“保険料払込免除特約”を付帯できることがメリットです。

また、保険料の払い込み方法を選択できます。保険料を一生涯払い続ける“終身払い”と、一定期間までに払い終える“短期払い”があります。短期払いで、60歳や65歳までに保険料をすべて払い込んでしまえば、老後に保険料の負担がなくなるという点では良いと言えます。

ただ、気を付けなければならないのが、保障内容が陳腐化する、つまり、医療制度や医療技術の進歩により、前に入った保険は保障内容が古くなってしまうことがある、ということです。この点では、60歳までといったように短期払いで保険料を払い込んでしまうのもややリスクと言えます。終身払いで保険料の負担を抑え、新しいがん保険が出たら見直せるようにしておく方が良いでしょう。

もちろん、ずっと保険を見直し続けても切りがないですし、もらえるお金以上に保険料を払ってしまうこともあります。がん治療に保険が必要なのではなく、お金があれば良いわけです。将来の医療費を準備することで、いつかは保険を卒業することを視野に入れておきたいものです。

おわりに

がんに対する備えの難しい点は、部位やステージによっても治療方法も様々ということです。また、再発や転移の可能性もあり長期化してしまう可能性もあります。
上記の5つのポイントをふまえて、効果的な備えをしていただきたいものです。

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