UPDATE 2019.8.8
スパークス・新・国際優良日本株ファンド(愛称:厳選投資)は、国内株式に投資するアクティブファンドですが、大きな特徴は大型優良株20銘柄に集中投資している点です。
新・国際優良企業とは、「国内市場で圧倒的なシェアを持つ」「海外売上高比率の拡大が期待できる」「世界的なブランド力を有することが期待できる」ような、高い技術力やブランド力を持ち、成長が期待される企業を指します。
スパークス・新・国際優良日本株ファンド(愛称:厳選投資)は、徹底した調査を元にした独自の銘柄選択眼を発揮し、国内株式カテゴリにおいて好成績をあげています。アナリストなどの専門家からも高い評価を得ているファンドです。
日本国内の大型優良株 20銘柄へ厳選投資
「マクロはミクロの集積である。」という投資哲学にもとづいた、徹底した調査手法
長期保有を前提にしたアプローチ
現在の投資銘柄数は16。ビジネスの強さを熟知し、確信度の高い銘柄に集中投資することにより、リスクを抑えつつリターンの最大化が目指されています。
ファンドマネージャーの武田氏は厳選投資のメリットについて「100銘柄以上など数多くの銘柄に分散投資すると、株式市場の下落局面において相場全体と同じように値下がりしてしまう可能性が高くなる。下落率を平準化することはできるが、下落リスクそのものを払拭することは難しい。
それに対して、少ない銘柄でも的確に選択することによって、相場の下落局面でも上昇するということがありえる」と、インタビューで答えています。
さらに、一般的なアクティブファンドでは1銘柄あたりの組入比率の上限を10%として運用していますが、スパークス・新・国際優良日本株ファンドでは、この上限が35%と高く設定されています。その分、基準価額の変動率が大きくなる可能性がありますが、高いレベルの集中投資を行うことが可能となっています。
ちなみに、2019年7月時点で最も多く組み入れられているソフトバンクグループの組入比率は10.1%です。
「マクロはミクロの集積である。」というのがスパークスの投資哲学。
アナリストが各企業と直接面談し、徹底的な調査を行い、緻密な分析と深い洞察により個別の銘柄を選択しています。
さらに、ひとつの企業を複数のアナリストの目で検証し議論を重ねることで、その企業が持つ真の実態価値を徹底的に追求しています。
値動きの大きい株式は長期的な運用の方が効率的であるという考えから、長期投資を前提に考えられています。例えば、投資銘柄の下落局面であっても、将来の展望が明るければ、長期的な利益を優先して、場合によっては買い増しもする、といったスタンスになります。
実際、投資している16銘柄のうち、10銘柄はファンドの創設以来継続保有しています。
投資銘柄数が少なめですが、問題はありますか?
スパークス・新・国際優良日本株ファンドでは、多くの銘柄に投資しなくても、それぞれ性格の異なるビジネスに投資することで相関関係を低く抑えようとしています。
投資上位銘柄を見ると、日本電産、ソフトバンクグループ、リクルートホールディングス、テルモ、シマノといった顔ぶれで、事業領域が分散していることがわかります。
スパークスでは「ボトムアップ・リサーチ」を基本に、以下の3つのステップで投資先企業の選定が行われています。
ボトムアップ・リサーチとは、個別企業を徹底的に調査・分析して、投資価値の高い銘柄を発掘する手法です。
少し難しい言葉が並んでいますが、独自の調査・分析をもとに計測した実態価値と実際の株価を比べて、割安な株を購入しているということです。
投資先企業を絞り込む際には、次の7つがポイントとされています。ファンドマネージャーの武田氏の解説動画から、具体的な説明内容をピックアップしました。
ビジネスモデルがシンプルで理解しやすいこと
本質的に安全なビジネスかどうか
有利子負債が少ない強固なバランス・シート
高い参入障壁に守られたビジネスかどうか
持続可能な高ROEとそれに見合う利益成長が見込めるか
ビジネスとしての効率が良いか
資本コストを理解し、最適資本配分ができる卓越した経営陣かどうか
一定の精度をもってビジネスの価値を計算するには、運用側がビジネスモデルを深く理解することが必要です。それにより、不測の事態が起きたときに、買い増しすべきか売却すべきかの判断ができます。
金融危機や天変地異が起こっても、業績が悪化しにくいということを指します。例えば、景気動向に左右されにくい日用品を手掛けている、法人向けビジネスで顧客の業種が多岐にわたっている、といった企業があてはまります。
また、原料調達においても原料市況に過度に依存していない、生産拠点が一極集中ではなく、あらゆる地域に分散しているのが、本質的に安全なビジネスと言えます。
財務内容については、一時的な外部環境の悪化があったとしても事業を継続できる企業や、ある一定の余剰資金を持っていることによって、仮に外部からの資金調達が閉ざされたとしても自力で事業の拡大が可能な企業が、強く魅力的な企業であると捉えられています。
参入障壁は、構造的な競争優位性を指しています。
独自のブランド力を持っている、圧倒的な市場シェアを握っているためにローコストで戦える、顧客を囲い込むなどの仕組みづくりができているといった企業が当てはまります。
本来企業は投資家から預かった資本をもとに事業を展開しています。株主側から見ると、預けた資本を増やしてもらうことを期待していることになりますので、株主の持ち分である資本の成長スピードを決定するROE(株主資本比率)の値が高いことを重視しています。
世の中にはいろいろなビジネスが存在します。中でも、成長や競争力を維持向上するために毎年多額の追加投資を必要とするビジネスより、わずかな追加投資で成長を持続できるビジネスの方が価値が高いと考えています。
成長に必要な資金をまかなってなお、株主還元を行うことができるためです。
設備投資や自社株買いといった合理的な資本の配分を行える経営者の存在は株主にとって非常に重要です。
どんなに優秀な経営者であっても、ビジネスが構造的に厳しい業界環境に置かれていれば投資対象として検討することは難しいですが、上記の基準をクリアして、なおかつ優秀な経営者によって経営されているということであれば最良の投資対象であると考えます。
2019年3月27日時点の投資先は、16社と厳選されています。
(引用 スパークス・アセット・マネジメント)
組入比率の高い銘柄の選定理由、評価については、公式サイトで次のようにコメントされています。
花王 |
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ソフトバンクグループ |
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ユニ・チャーム |
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テルモ |
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日本電産 |
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スパークス・新・国際優良日本株ファンド(愛称:厳選投資)の運営チームについては、その体制やメンバーなどはファンドマネージャーのみしか公表されていません。
武田 政和氏
スパークス・アセット・マネジメント ファンド・マネージャー
1996年、日本長期信用銀行(現SBI新生銀行)に入行。1998年、長銀ウォーバーグ証券(現UBS証券)に出向。1999年、スパークス・アセット・マネジメント入社し、「新・国際優良日本株ファンド(愛称:厳選投資)」 の運用チームに所属。
ベンチマークは設けていませんが、設定以来、TOPIXを大きく上回る成績を残しています。
期間 | 騰落率 | トータルリターン |
---|---|---|
6ヶ月 | -3.99% | 7.13% |
1年 | -6.31% | -0.25% |
3年 | +32.63% | +14.08% |
5年 | +70.22% | +14.19% |
10年 | +239.81% | – |
設定来(2008/3/28) | +227.65% | +283.06% |
※基準日:2019/8/7
※騰落率:その期間中、どの程度変化したかを示す。数字が大きいほど変動幅が大きい。
※トータルリターン:値上がり益に分配金を加えた収益率。「設定来」以外は年率で示す。
種別 | 費用 | 備考 |
---|---|---|
信託報酬 | 1.7712% | |
実質コスト | 1.801% | 第11期(2019/3/27)運用報告書より |
購入時手数料 | 上限3.24% | 主要ネット証券は無料 |
信託財産留保額 | 0.3% |
運用会社 | スパークス・アセット・マネジメント |
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設定日 | 2008年3月28日 |
純資産総額 | 1154.81億円(2019/8/14時点) |
目論見書・運用報告書 | |
投資対象 | 国内個別株 |
つみたてNISA対象 | |
iDeCo取り扱い | (マネックス証券) |
主要ネット証券での取り扱い |
SBI証券:○ 楽天証券:○ 松井証券:○ マネックス証券:○ auカブコム証券:× |
著書の中で、長期投資に適したアクティブファンドとして、スパークス・新・国際優良日本株ファンド(愛称:厳選投資)が取り上げられています。
当ファンドは「標準偏差(3年)が14.12で、少数銘柄に集中投資しているものの運用成績にバラツキが少ないのは銘柄選択の妙であるともいえそうです」と、集中投資の割にリスクが低めであると言及されています。
スパークス・新・国際優良日本株ファンド(愛称:厳選投資)について「多くの日本株アクティブ型が苦戦を強いられた2018年以降、好調を維持している数少ない商品の1つ」として紹介しています。
2019年5月に発表された「R&Iファンド大賞2019」国内株式総合部門で優秀賞を受賞しました。受賞は2年連続。
R&Iファンド大賞は、投資哲学などの定性評価を含めず過去の運用成績という定量評価のみのアワードですので、純粋にパフォーマンスの高さが証明されたと言えます。
スパークス・新・国際優良日本株ファンド(愛称:厳選投資)は、設定から10年以上が経過し、日本株アクティブファンドの中では好成績を収めています。純資産総額も順調に推移しており、1,000億円を超える比較的規模の大きなファンドですが、組入銘柄のほとんどが大型株であるため流動性リスクについては、特に問題ないでしょう。
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2019年8月8日現在の各サイトの情報をもとにまとめています。最新の情報は各サイトでご確認ください。