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キャピタル世界株式ファンドの運用方針、運用実績、評価機関等からの評価は?

  • 執筆

    Fin/d編集部

  • 監修

    伊藤 圭佑

更新日:2024.04.12

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はじめに

キャピタル世界株式ファンドは、世界中の株式に投資するアクティブ型の投資信託です。50年以上の運用実績がある運用会社であるキャピタル社がマクロ経済環境を出発点に投資銘柄を選別し、中長期的な資産成長を目指して運用されています。

今回は、キャピタル世界株式ファンドの運用方針や投資先、運用実績、評価機関等からの評価をご紹介します。

キャピタル世界株式ファンドの特徴

キャピタル世界株式ファンドは、50年以上の運用実績をもつグローバルな運用会社であるキャピタル社のノウハウを活用して世界中の株式に投資を行う投資信託です。

マルチナショナルな企業に注目

キャピタル世界株式ファンドは、マルチナショナル企業に注目して、長期にわたって投資を継続しています。マルチナショナル企業とは、グローバルにビジネス基盤を確立し、通貨や国際的な法規制、会計や物流、文化・言語などの違いに優れた適応力を有する企業をさしています。

本ファンドが取り入れている運用戦略のなかでは時代の変遷のなかで、下記のような企業をマルチナショナル企業として着目してきました。

  • 1980年代:日本製品の台頭→松下電器(現パナソニック)
  • 1990年代:半導体技術の革新→マイクロン・テクノロジー
  • 2000年代:インターネット普及→マイクロソフト
  • 2010年以降:eコマース拡大→アマゾン・ドット・コム

引用:キャピタル世界株式ファンドシリーズ 販売用資料2023年11月

マルチナショナルな企業に着目することで、長期的な潮流や成長産業の変化を捉えて、中長期的な資産成長を追求しているのが特徴です。

キャピタルが捉える長期トレンド(2024年時点)

キャピタルでは、2024年3月時点でつぎのような長期トレンドに着目して銘柄選別に活かしています。

トレンド1

デジタル化の進展

トレンド2

高齢化社会

トレンド3

中間層の増加

トレンド4

エネルギー転換

トレンド1デジタル化の進展

デジタル化の進展は2000年代頃からみられていますが、今後も当面は拡大の一途をたどると見込んでいます。Cisco社の調査では、2017年~2022年にかけて世界のデータ通信量はおよそ3倍に拡大したと試算されています。キャピタルでは、今後もデジタル経済の発展やIoTの進歩の恩恵を受ける企業に注目をしていく考えです。

引用:キャピタル世界株式ファンドシリーズ 販売用資料2023年11月
参考:Cisco Visual Networking Index: Forecast and Trends, 2017–2022

トレンド2高齢化社会

世界全体の65歳以上の人口は2015年時点ではおよそ6億人でした。国連の推計によると、今後世界で高齢化が進展し、2050年には約16億人まで増加すると見込まれています。日本ではすでに始まっている高齢化社会の潮流が全世界で進むと想定されているのです。

高齢化が進めばヘルスケアや医薬品分野の需要が高まると想定され、キャピタル社では長期的な投資先として注目しています。

引用:キャピタル世界株式ファンドシリーズ 販売用資料2023年11月
参考:世界人口は2022年11月15日に80億人に達する見込み(2022年7月11日付 国連経済社会局プレスリリース・日本語訳)

トレンド3中間層の増加

新興国の経済成長が進むにつれて、貧困層から中間層へシフトする人が増加すると見込まれています。BROOKINGSの調査によると、2015年時点でおよそ30億人だった中間層は2030年に54億人まで増加する見込みです。これにより、新興国の一般消費者向け商品の需要が拡大すると想定されます。

引用:キャピタル世界株式ファンドシリーズ 販売用資料2023年11月
参考:THE UNPRECEDENTED EXPANSION OF THE GLOBAL MIDDLE CLASS AN UPDATE

トレンド4エネルギー転換

気候変動リスクに対する注目度が高まるなかで、再生可能エネルギーへのエネルギー転換が進むと想定されます。再生可能エネルギーのプラント製造会社や新エネルギーを産出する企業のほか、各産業で二酸化炭素排出の抑制につながるビジネスを営む企業、エネルギー効率化に努める企業に着目しています。

引用:キャピタル世界株式ファンドシリーズ 販売用資料2023年11月

キャピタル世界株式ファンドの運用プロセス

キャピタル世界株式ファンドの運用プロセスは、主につぎの4つのプロセスで進められます。

プロセス1

銘柄の推奨

プロセス2

投資適格基準

プロセス3

ポートフォリオ構築

プロセス4

投資実行とリスク管理

プロセス1銘柄の推奨

グローバルの株式・債券アナリスト、マクロエコノミストが意見をすり合わせて、統合的な投資推奨対象を整理します。各担当者が密に連携して協働して投資推奨の対象を絞り込んでいきます。

プロセス2投資適格基準

投資推奨された対象をもとに、具体的な投資銘柄の選別を行います。投資適格基準として次のポイントに着目して、推奨対象のなかからさらに銘柄を絞り込みます。

  • 時価総額
  • 本国以外の保有資産・売上高の規模
  • 世界の成長トレンドから見込まれる利益

出所:キャピタル世界株式ファンド/キャピタル世界株式ファンド(限定為替ヘッジ)/キャピタル世界株式ファンド年2回決算(分配重視)/キャピタル世界株式ファンド年2回決算(分配重視/限定為替ヘッジ)交付目論見書

プロセス3ポートフォリオ構築

各意見を集約して、ポートフォリオ・マネジャーが自己の裁量で確信度の高い銘柄を組み入れます。キャピタル世界株式ファンドの最終的なポートフォリオは、複数の個別ポートフォリオを組み合わせて構築するのが特徴です。なお、アナリストも「リサーチ・ポートフォリオ」を有しており、株式運用に参画します。

プロセス4投資実行とリスク管理

プリンシパル・インベストメント・オフィサーがポートフォリオ全体を統括し、キャピタル世界株式ファンドのポートフォリオ全体が目標に沿って運用されていることを確認します。個々のポートフォリオ・マネジャーは、それぞれの個別ポートフォリオにおいてリスク・リターン目標の達成を目指します。

さらに、グローバル・インベストメント・コントロールが日次でポートフォリオを管理しているのが特徴です。

50年以上にわたり確かな運用実績を持つ戦略

キャピタル世界株式ファンドが取り入れている戦略は、キャピタル社が1973年から運用しています。

1973年3月から2023年7月にかけて、世界株は円ベースで約33倍に成長しました。この間、同戦略で運用を継続したと仮定したとすると、資産は約103倍に成長したと試算されます。

1973年3月に100万円を当運用戦略に投じた場合の資産成長シミュレーション

引用:キャピタル世界株式ファンドシリーズ 販売用資料2023年11月

パフォーマンスはあくまで過去の実績である点には留意が必要ですが、長期にわたり確かな実績がある点は、長期投資をするうえでの安心材料のひとつとなるでしょう。

投資先企業の特徴ピックアップ

2024年時点の投資先企業上位10社はつぎのとおりです。

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銘柄名/国名業種/特徴
マイクロソフト/米国情報技術
ソフトウェア製品の開発、製造、ライセンス供与、販売およびサポートを手掛ける世界的なソフトウェアメーカー。
メタ・プラットフォームズ/米国コミュニケーション・サービス
ソーシャル・ネットワーク・サービスの「フェイスブック」、「インスタグラム」などを運営。仮想現実(VR)などの成長領域に注力。
ノボ ノルディスク/デンマークヘルスケア
糖尿病・肥満症治療薬を主力とする世界的な医薬品メーカー。
ブロードコム/米国情報技術
通信インフラ向け半導体、ソフトウェアの大手企業で、成長性や収益性の高いネットワーク、ブロードバンド、ストレージ向け半導体に注力。
台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング/台湾情報技術
世界最大級の半導体受託製造企業。半導体の小型・軽量化、高機能化に貢献する最先端の技術を有し、情報技術の発展に不可欠な部品供給に貢献。
ASMLホールディング/オランダ情報技術
世界的な半導体製造装置メーカー。子会社を通じて半導体産業向けリソグラフィー装置の開発、製造・販売、関連サービスを手掛ける。
アルファベット/米国コミュニケーション・サービス
インターネット検索、広告、地図、人口知能(AI)などを手掛ける「グーグル」を傘下に置く持株会社。
テスラ/米国一般消費財・サービス
電気自動車と関連部品、ソーラーパネルなどの設計、製造、販売を手掛ける。充電・蓄電の電力システムも製造。
イーライリリー/米国ヘルスケア
糖尿病や肥満、がん、自己免疫疾患などの治療薬を製造・販売する世界的な医薬品メーカー。
アストラゼネカ/英国ヘルスケア
英国大手製薬会社。強力な製薬パイプラインを有し、循環器疾患、呼吸器疾患、がん領域の分野で高いシェアを誇る。
引用:キャピタル世界株式ファンド / キャピタル世界株式ファンド(限定為替ヘッジ) /キャピタル世界株式ファンド年2回決算(分配重視)/ キャピタル世界株式ファンド年2回決算(分配重視/限定為替ヘッジ)月次レポート2024年2月

キャピタル世界株式ファンドにて掲げている「長期トレンド」に従ってヘルスケアや情報技術/コミュニケーション・サービスなどのセクターの銘柄が上位に並んでいます。

キャピタル世界株式ファンドの戦略の運用チーム

キャピタル世界株式ファンドが採用する戦略はグローバルのメンバーが運用していて、2024年3月時点のメンバーは次のとおりです。

1. ロブ・ラブレス(ロサンゼルス:運用経験年数37年)
2. スティーブン・ワトソン(香港:35年)
3. ジョディ・ジョンソン(ロサンゼルス:34年)
4. ノリコ・チェン(サンフランシスコ:32年)
5. ジョナサン・ノウルズ(シンガポール:31年)
6. ブレイディ・エンライト(サンフランシスコ:31年)
7. パトリス・コレット(ルクセンブルク:28年)
8. アンドラツ・ラツェン(ロンドン:25年)
9. バーバラ・バーティン(ロサンゼルス:14年)

引用:キャピタル世界株式ファンドシリーズ 販売用資料2023年11月

9名のポートフォリオ・マネジャーの平均運用経験年数は約30年と、経験豊富な運用者が揃っています。

キャピタル世界株式ファンドの基本データ

運用成績

キャピタル世界株式ファンドの期間収益率は次のとおりです。

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期間トータルリターン
1か月+5.9%
3か月+13.5%
6か月+14.2%
1年+34.9%
3年+53.0%
5年+127.2%
10年+220.5%
設定来+185.7%
引用:キャピタル世界株式ファンド / キャピタル世界株式ファンド(限定為替ヘッジ) /キャピタル世界株式ファンド年2回決算(分配重視)/ キャピタル世界株式ファンド年2回決算(分配重視/限定為替ヘッジ)月次レポート2024年2月
※トータルリターン:値上がり益に分配金を加えた収益率

こちらは、信託報酬を控除したあとのパフォーマンスです。足元は株式市場がグローバルに好調で、さらに円安も進行しているため各期間とも一定の収益を実現しています。過去の実績ベースでは10年間投資すれば資産が倍以上に増えたという結果となっています。

費用(税込)

キャピタル世界株式ファンドの信託報酬は次のとおりです。1%台の信託報酬率はインデックスファンドなどと比べると高めではありますが、その分ここまで紹介したとおり長期での資産成長に資する銘柄選別をおこなっています。

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種別費用
信託報酬年率1.694%(税抜1.54%) 
・委託会社 年率0.75%(税抜)
・販売会社 年率0.75%(税抜) 
・受託会社 年率0.04%(税抜) 
実質コスト年率1.701%程度(税込)
購入時手数料販売会社によって異なる
楽天証券、SBI証券の場合は購入時手数料がかかりません
信託財産留保額なし
出所:キャピタル世界株式ファンド/キャピタル世界株式ファンド(限定為替ヘッジ)/キャピタル世界株式ファンド年2回決算(分配重視)/キャピタル世界株式ファンド年2回決算(分配重視/限定為替ヘッジ)交付目論見書

購入時手数料は実際には販売会社によって異なります。たとえば、SBI証券、楽天証券のように購入時手数料がない証券会社もあります。

主な投資制限

  • 原則として同一銘柄の株式への投資は取得時において信託財産の純資産総額の10%以下とします。
  • 原則として同一銘柄の転換社債への投資は取得時において信託財産の純資産総額の10%以下とします。
  • 原則として同一銘柄の新株予約権証券への投資は取得時において信託財産の純資産総額の10%以下とします。
  • 純資産総額の10%を超えての借入れは行ないません。

出所:キャピタル世界株式ファンド/キャピタル世界株式ファンド(限定為替ヘッジ)/キャピタル世界株式ファンド年2回決算(分配重視)/キャピタル世界株式ファンド年2回決算(分配重視/限定為替ヘッジ)交付目論見書

基本情報

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運用会社キャピタル・インターナショナル
ファンドの設定日*
*日本でのファンド設定日なので、戦略自体の設立日とは異なります
2007年10月29日
純資産総額6431.65 億円(2024年3月22日時点)
目論見書・運用報告書キャピタル世界株式ファンド 目論見書・運用報告書
ファンド運用方式ファンド・オブ・ファンズ
投資対象世界中の株式
つみたてNISA対象×
*ただし類似戦略の「キャピタル世界株式ファンド(DC年金つみたて専用)」は対象
iDeCo取り扱い×
*ただし類似戦略の「キャピタル世界株式ファンド(DC年金つみたて専用)」は楽天証券などで取扱あり
主要ネット証券での取り扱いSBI証券:○
楽天証券:○
松井証券:○
マネックス証券:○
三菱UFJ eスマート証券:×

評価機関・専門家の評価・コメント

SBIグローバルアセットマネジメント株式会社 代表取締役社長 朝倉智也氏

『このままではあなたの現金の価値が下がる! インフレ・円安からお金を守る最強の投資』にて、世界株式のアクティブファンドの投資候補として紹介しています。

1つのファンドを複数のファンドマネジャーのポートフォリオを組み合わせる仕組み(キャピタル・システム)について評価しています。この制度により、ひとりの優秀なファンドマネジャーに依存しないスキームが構築されているのが特徴です。
ひとりのファンドマネジャーに依存すると、その人が退職したときにパフォーマンスが急低下するリスクがあります。キャピタル・システムではそのようなヒューマン・リスクを排除し、長きにわたり着実なパフォーマンスを追求できる仕組みが整っています。

ウェルスアドバイザー新NISA 成長投資枠 WA優秀ファンド賞

キャピタル世界株式ファンドは、ウェルスアドバイザー新NISA 成長投資枠 WA優秀ファンド賞の国際株式型(グローバル) 部門で優秀ファンド賞を受賞しています。つぎの3点が、優秀ファンド賞の選定理由とされています。

  • トータルリターン5年(年率)は15.65%、類似ファンド分類平均を上回る
  • トータルリターン10年(年率)は上位18%、中長期的な運用成績も相対的に優秀
  • 37カ月連続の流入超過でファンドレーティングは49カ月連続で「☆☆☆☆」獲得

まとめ

キャピタル世界株式ファンドは、グローバルな株式に分散投資するアクティブファンドにおいて代表的なファンドのひとつです。新NISAの成長投資枠でも着実に需要を獲得し、流入超過の状況が続いています。

日本でファンドができたのは2007年ですが、50年以上の運用実績をもつキャピタル・インターナショナルの代表的な戦略を採用しています。長期投資する世界株式ファンドとして、信頼のおける投資信託のひとつといえるでしょう。

投資信託におすすめの金融機関

投資信託を始めるなら、取扱商品が多くポイントサービスも充実している楽天証券、SBI証券などがおすすめです。

2024年2月20日時点の情報をもとに記事を作成しています。

Fin/d編集部執筆

20年にわたりネット証券・銀行など金融サービスの改善業務、コンテンツ企画制作を担当してきたメンバー、各種金融事業者での実務経験者、各種資格保有者で構成しています。豊かな人生を送るための基本とも言える金融商品・サービスについて中立的な視点で分かりやすく提供しています。

伊藤 圭佑監修

証券会社、外資系資産運用会社で約14年の勤務経験を持つ。また、個人投資家として15年以上の資産運用経験を持ち、投資信託、株、ETF、不動産、FX、クラウドファンディングなどへ投資。キャリアを通じた専門性と個人投資家の経験を生かし、金融や不動産投資、経済関連の情報提供を行なっている。証券アナリスト、FP3級保有。

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