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コモンズ30ファンドの運用方針、運用実績、評価機関等からの評価は?

  • 執筆

    Fin/d編集部

  • 監修

    伊藤 圭佑

更新日:2024.02.20

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はじめに

コモンズ30ファンドは、国内企業に投資するアクティブ型の投資信託です。しっかりとした投資哲学を持ち、投資家に向けた情報発信やイベント開催などに力を入れている数少ないファンドのひとつです。アクティブ投資信託でありながら、新NISAではつみたて投資枠の対象銘柄となっています。
コモンズ30ファンドの運用方針や投資先、運用実績、評価機関等からの評価をご紹介します。

コモンズ30ファンドの特徴

コモンズ30ファンドの特徴はつぎの3点です。

特徴1

30年目線|30年の長い目線を持ってお客さまと企業で育む長期投資

特徴2

30銘柄|外部環境の変化に強い企業を厳選し30銘柄程度へ集中投資

特徴3

対話|長期投資を前提とした、企業との建設的な対話を行います

コモンズ30は、30年程度の長期投資をするうえで適したポートフォリオの構築を目指しています。資産形成をしながら日本の優良企業を応援し、子どもや孫のために豊かな社会の実現に貢献します。

長期にわたって外部環境に負けない30銘柄を厳選して質の高い企業へ投資し、投資効果の向上を追求するのが特徴です。長期投資を前提として投資先企業とは建設的な対話を実施。また、投資先企業とお客さまとの交流セミナーなどを実施し、対話の機会を積極的につくっています。

世界の成長を低リスクで家計に取り込むことを狙う

実績およびIMFの見通しなどをふまえると、世界のGDP成長率は今後も3%程度で推移すると想定されます。この成長をできるだけ低リスクで家計に取り込めると良いという考えが、コモンズ30ファンドのベースになっています。

どうやって世界の成長を家計に取り込むか

コモンズ30ファンドの投資先30社(2018年7月末現在)のうち7割となる21社が海外売上高比率で50%を超え、うち11社は70%を超えています。
馴染みのある日本を代表する企業への投資を通じて、直接的な為替リスクをとらずに世界の成長を家計の金融資産に取り込むことができます。

コモンズ30投資先の海外売上比率

  • 80%以上 東京エレクトロン、ディスコ、コマツ、ホンダ、シスメックス、マキタ、ダイキン、日東電工、信越化学工業
  • 70~79% SMC、クボタ、任天堂、セブン&アイ・HD、堀場製作所、資生堂、日揮HD
  • 50~69% エーザイ、味の素、ユニ・チャーム、デンソー、日立製作所、丸紅、リンナイ、三菱商事、旭化成、エムスリー

コモンズ30の投資先31社のうち、約8割の26社は海外売上高比率が50%です。さらに約50%の16社は70%以上となっています。日本でよく知られた代表的な企業への投資を通じて、為替リスクをとらずに世界の成長を家計の金融資産に取り込めるのが、コモンズ30の特徴です。

海外の売上比率が高い国内の強い企業に投資すれば、世界経済の成長を取り込める。

強い企業とは稼ぐ力がある企業。コモンズ30ファンドでは、長期にわたって稼ぎ続ける会社を見極めてその企業に集中的、継続的に投資を行います。

世界株式のインデックスファンドでは為替リスクが残る。国内のグローバル企業であれば為替リスクが少ない。

強い企業であれば、海外市況の変化や為替リスクなどにも企業側が対応してくれます。外部環境の変化に強いと言えます。

コモンズ30ファンドは、海外の売上比率が高い国内の強い企業に投資して、世界経済の成長を取り込むという考え方ですね。

投資先企業の選び方には5つの軸がある

投資先企業の評価基準について、運用会社であるコモンズ投信は、企業の長期的な持続的成長を評価するには「見えない価値」が重要と考えています。

目に見える財務情報だけでなく、企業文化や経営力やステークホルダーとの対話など、“見えない価値”にも着目し、投資先の企業を厳選します。具体的には「5つの軸」によって投資先企業を選定、評価しています。

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見える価値収益力・ROEなどの財務的価値に優れている
・長期的な成長または安定が見込まれる
・配当などの資本政策が明確である
見えない価値
見えない価値競争力・競争力の源泉を理解している
・その強さを支えるビジネスモデルを磨き続けている
・技術やサービスの開発、市場の開拓にも積極的に取り組む
経営力・経営トップの長期的な企業価値向上に対する意識が高い
・トップを支える持続的な経営体制の高度化に取り組んでいる
・社外取締役、株主など外部からの知見も経営に反映
対話力・顧客、社員、取引先、株主、社会などステークホルダーとの対話姿勢を重視
・対話を通じた持続的な価値創造に取り組む
企業文化・明確に定義された企業理念・価値観を組織内に共有・浸透させることで具体的な行動につなげている
・企業文化が、組織横断的な横串となり組織力を向上させている

長期投資をベースにしているから、持続性や継続性がキーワードになっているのですね。

コモンズが大切にしてる対話とは

コモンズ投信では、企業の「見えない価値」を企業との対話を通じて「見える化」することが目指されています。
企業への訪問だけではなく、投資先企業と消費者でもある顧客(投資家)が対話できる交流セミナーも開催されています。
企業とのパネルディスカッションや、投資先企業による講演などの内容が公式サイトで定期的に公開されており、投資家は、企業の考え方や取り組みについて、下記のページや月次レポートなどで確認することができます。

投資先企業の一覧・評価

投資先企業の選定理由、評価を一部ご紹介します。
コモンズ30ファンドの投資先企業は、前述の通り海外の売上比率が高い国内企業、いわゆる国際優良銘柄です。長期保有が前提とされていますので、銘柄の入れ替えは頻繁には行われておらず、設定以来、継続保有されている銘柄も多く見られます。

2023年1月時点、出所:コモンズ30請求目論見書

2024年2月時点の投資先上位10社とそれぞれの企業の特徴はこちらです。

2024年2月末時点、出所:コモンズ30月次レポート2024年2月末

公式サイトでは、そのとき投資している30社の情報をすべてみることができます。前述のとおり企業と対話できる交流セミナーなども定期的に実施しているなど、投資先のことを理解して投資するためのさまざまな工夫が施されています。

コモンズ30ファンドの投資委員会メンバーと役割

投資委員会の構成メンバーは、全員の氏名や役職、顔写真が公表されています。

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伊井 哲朗
代表取締役社長
最高運用責任者
投資委員会議長
山一證券で営業企画部に約10年間在籍し、マーケティングなど担当。その後、機関投資家向け債券営業。メリルリンチ日本証券、三菱UFJメリルリンチPB証券で法人・個人向け営業を約10年。コモンズ投信創業と共に現職。2012年7月からCIO兼務。
・投資委員会議長
・経営の視点
・20%以下の現金比率の決定
・組入れ先ウェイトのリバランス(2~4%)
原嶋 亮介
運用部/シニアアナリスト ESGリーダ
ブリヂストン、日東電工、ジャパン・リート・アドバイザーズ(J-REITのユナイテッド・アーバン投資法人の資産運用会社)の3社にて、主に経理・財務・IRに従事。2019年2月にコモンズ投信に入社。
上野 武昭
運用部/シニアアナリスト
山一證券、WestLB証券、CLSA証券など国内外証券の調査部に23年間、ロイター編集局に3年間、アナリストとして在籍。証券会社とニュースメディアの視点から企業を調査。2013年6月にコモンズ投信に入社。
末山 仁
運用部/シニアアナリスト
山一證券に入社し経済研究所では企業データ(業績数値、株価)分析、投資顧問では年金の株式・債券による運用業務に従事。山一證券廃業後、富士信託銀行(現みずほ信託銀行)に入社。外国株式インデックス運用のファンドマネージャー業務のほか、アナリスト業務、個人向け信託商品の企画管理運営業務を経験。2016年2月にコモンズ投信に入社。
古川 輝之
運用部/アナリスト
日東電工はじめ、国内の事業会社にて経理、財務、IRに従事。2022年5月にコモンズ投信に入社。

コモンズ30ファンドの基本データ

コモンズ30の基準価額の推移はつぎのとおりです。

2024年2月末時点、出所:コモンズ30月次レポート2024年2月末

期間別リターンはつぎのとおり。日本の株式市場が良好であるなか、ファンドの意図通り長期成長がみこめる銘柄への投資を継続し、着実なリターンを実現させてきました。

騰落率(分配金込)

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期間騰落率
1か月4.24%
3か月13.96%
6か月13.11%
1年34.88%
3年50.21%
5年99.13%
10年202.20%
設定来468.67%
2024年2月末時点、出所:コモンズ30月次レポート2024年2月末

運用損益別顧客比率

金融庁の求めに応じて、2018年から投資信託の販売会社が自主的に公表を始めた3つの共通KPI(成果指標)。その中のひとつに、投信販売会社の顧客の含み益(含み損)の状況を示す「運用損益別顧客比率」という項目があります。

2023年3月末時点でみると、運用損益率がプラスの顧客の割合は97.7%の高水準です。ちなみに、他の独立系販売会社の状況をみると、ひふみ投信のレオス・キャピタルワークスが約95%、セゾン投信が約99%という結果です。(いずれも2023年実績)この共通KPIは、毎年公表される数値ですので、継続的にチェックしていくとよいでしょう。

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2021年3月末2022年3月末2023年3月末
プラスリターンの割合99.5%94.0%97.7%
出所:取組の見える化(共通KPI・独自指標)

費用(税込)

コモンズ30ファンドの信託報酬は、純資産総額に応じて低くなる良心的な仕組みとなっています。2024年2月末時点で純資産総額は610.5億円となっているため、足元は1.078%~0.979%(税込)の信託報酬が適用されています。

購入時手数料「上限3.3%」については、具体的な料率は販売会社によって異なります。たとえばSBI証券(インターネットコース)のように、購入手数料が0%の購入先もあります。

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種別費用
信託報酬
カッコ外が税込、カッコ内が税抜
500億円まで 1.078%(0.98%)
500億円を超える部分 0.979%(0.89%)
1,000億円を超える部分 0.869%(0.79%)
3,000億円を超える部分 0.748%(0.68%)
実質コスト1.16%(運用報告書 第15期2024年1月18日 交付版より
購入時手数料上限3.3%(税込)
信託財産留保額なし
特記ない部分の出所:コモンズ30 交付目論見書

投資制限

株式への実質投資割合には制限を設けません。
外貨建資産への実質投資割合には制限を設けません。
投資信託証券(ただし、マザーファンドの受益証券を除きます。)への実質投資割合は、投資信託財産の純資産総額の5%以内とします。
一般社団法人投資信託協会規則に定める一の者に対する株式等エクスポージャー、債券等エクスポージャー およびデリバティブ等エクスポージャーの信託財産の純資産総額に対する比率は、原則として、それぞれ100 分の10、合計で100分の20を超えないものとします

基本情報

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運用会社コモンズ投信
設定日2009年1月19日
純資産総額610.5億円(出所:コモンズ30月次レポート2024年2月末
ファンド運用方式ファミリーファンド方式
投資対象日本株式
NISAつみたて投資枠対象
iDeCo取り扱い○(SBI証券・楽天証券など)
主要ネット証券での取り扱いSBI証券:○
楽天証券:○
松井証券:○
マネックス証券:○
auカブコム証券:○

コモンズの社会貢献プログラム

コモンズ投信では、信託報酬の一部を社会貢献に活用しています。「コモンズSEED Cap(社会起業家応援プログラム)」という社会起業家を応援するコモンズ独自の寄付プログラムを運営しており、信託報酬の1%相当を寄付しています。
コモンズ投信では、寄付を「よい世の中を次世代へつなげる活動への長期投資」と捉えており、長期資本の循環という観点で「本業として取り組んでいる」と公式サイトに記載されています。
これまでに寄付した団体には、ALSの課題解決に取り組む「一般社団法人 WITH ALS」や、子どもが孤立しない社会を目指す「認定NPO法人PIECES」などがあります。

評価機関・専門家の評価・コメント

セゾン投信 代表取締役社長 中野晴啓氏

コモンズ30ファンドについて「海外で稼げる日本企業に投資することによって海外の成長を取り込み、国内の得意専門フィールドでリサーチと投資判断を完結できる」点について、「合理的な手法が評価できる」と著書で記しています。

第1回「モーニングスター・ファンド・アワード」日本株式部門 最優秀賞 受賞!

コモンズ30ファンド」は、モーニングスターが2023年から開始した国内株式部門の「モーニングスター・ファンド・アワード」の第1回において「最優秀ファンド賞」を受賞しています。本アワードはモーニングスターのリサーチチームが「これまで長期にわたって投資家の皆様の成功に貢献し、今後も高いリスク調整後リターンを長期的に提供できる」と評価したファンドに対して贈られます。

「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2023」で16位

2024年1月に発表された「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2023」では、16位にランクイン。

このFund of the Yearに投票するのは一般の投信ブロガーです。投信ブロガーはコストの低さを重視する傾向があるため、上位20位の多くはインデックス型が占めています。アクティブ型でランクインしているのはコモンズ30ファンドを含めて5本だけです。ユーザー目線で高い評価を得ているアクティブファンドと言えるでしょう。

まとめ

コモンズ30ファンドは、国際的に強い国内企業を投資対象とすることで、長期的な成長性に期待できます。企業だけではなく、顧客との対話にも重きを置いている運用会社ですので、提供される定性情報が多いことも特徴。公式サイトの情報量も豊富ですので、一度チェックしてみるとよいでしょう。

この投資信託が買える おすすめネット証券

コモンズ30ファンドは、楽天証券やSBI証券で購入できます。いずれもiDeCo(イデコ)でも取り扱いがあります。

他の投資信託セレクションはこちらをご覧ください

2024年2月20日時点の情報をもとに記事を作成しています。

Fin/d編集部執筆

20年にわたりネット証券・銀行など金融サービスの改善業務、コンテンツ企画制作を担当してきたメンバー、各種金融事業者での実務経験者、各種資格保有者で構成しています。豊かな人生を送るための基本とも言える金融商品・サービスについて中立的な視点で分かりやすく提供しています。

伊藤 圭佑監修

証券会社、外資系資産運用会社で約14年の勤務経験を持つ。また、個人投資家として15年以上の資産運用経験を持ち、投資信託、株、ETF、不動産、FX、クラウドファンディングなどへ投資。キャリアを通じた専門性と個人投資家の経験を生かし、金融や不動産投資、経済関連の情報提供を行なっている。証券アナリスト、FP3級保有。

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