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楽天証券では「債券マルシェ®」というサービスを2023年夏から開始しました。「債券マルシェ®」により、敷居の高い印象のある債券投資がより身近なものになっています。今回は、「債券マルシェ®」の立ち上げを担当した楽天証券、債券事業部の大塚さんに、「債券マルシェ®」を開発した背景やターゲットとしている投資家、初心者におすすめの債券投資法などを伺いました。
<「債券マルシェ®」について>
「債券マルシェ®」とは、”朝市で新鮮なお野菜を選ぶように旬で多彩な銘柄の中から外国債券を選ぶことができる”をコンセプトとした楽天証券の外国債券ポータルです。米ドル建て債券を中心に常時200銘柄以上の既発債券を取り扱っており、ネット証券随一の品揃えを誇ります。
魅力的なのに認知度が低い「債券」をもっと身近に
—「債券マルシェ®」が生まれた背景を教えていただけますか?
「債券マルシェ®」は、米ドル建て債券の需要が高まっていたことを背景にお客様に債券投資をおこないやすい環境を提供するために準備を進めてきました。米国の利上げが進んで債券利回りが上昇したため、債券投資の魅力が強まっている一方、相場環境が良好な中で、債券という商品の認知度は今一つで、個人の方にはまだなじみが薄い商品だと考えていました。
一方、「まずは投資信託から始めたが、何か他にも投資してみたい」と考えているお客さまが増えているのと、また、投資を始めたばかりのお客様は投資対象が株式に偏りがち、という状況も見えていました。
「債券マルシェ®」は、こうしたお客様に債券という商品を身近に感じてもらい、購入を検討していただこうと考えて立ち上げました。
債券は意外にシンプルな商品ですし、予定が見える商品ですので、気軽にご利用いただければと思っています。
—予定が見える商品とは、どういったことですか?
債券の「償還まで持ち切れば、デフォルトしない限り債券額面で返済される」という商品性は、実は銀行の定期預金に似ています。
銀行の定期預金も、資金を引き出せない代わりに満期になれば預金額に金利が上乗せされて返還されますので。
—元本保証とまではいかないまでも、予定が立てやすい商品だということですね。
おっしゃる通りです。定期預金に商品性が似た、高利回りが期待できる資産である債券をもっと知っていただき、ご利用を検討いただければと思っています。
—よく、為替リスクについて触れる方がいますが、そのへんはいかがでしょうか。
確かに、米ドル建て債券の場合、為替リスクについては注意が必要です。しかし、歴史的に見れば、トルコリラや南アフリカランドのような新興国通貨と比べると勝率が高いと期待されます。楽天証券としても投資先を拡充する手段のひとつとして自信を持って提案できると考えています。
債券もネット証券で簡単に買えるものとして認知
—「債券マルシェ®」、リリース後の反応はいかがでしょうか?
債券は「対面型証券」で販売するイメージをもたれがちですし、想定していたターゲットの方は投資信託か株式に偏っていたため、リリース当初は今一つ刺さっていない印象でした。
しかし、各所で債券投資の魅力や重要性を広めるなかで、債券が「ネット証券で簡単に買えるもの」として認知されていきました。
着目されるまでに少し時間がかかりましたが、SNS上でも注目度が高まり、Webサイトの閲覧数もぐんと伸び、売買高も一気に拡大しました。
—その他はいかがでしょうか?
先日、当社主催イベントで債券のブースを設置したのですが、普段ですと流れでなんとなくブースに寄っていただくような感じなのですが、リリース後のイベントでは、直接債券ブースに来られる方が多いのが印象的でした。「債券マルシェ®」への注目度の高さを肌で感じる出来事でした。
来られたお客さまの声としても「検索画面が出来て売買しやすい」、「外国債券の売買がしやすいネット証券が少なかったのでとても助かる」、「利回りが高い銘柄が一発検索できて便利」といった形で、好意的な意見が多かったです。
—どういったお客さまが増えているのでしょうか?
投資の経験がある一方で債券を買ったことがないお客さまのご利用が増えている印象です。当初想定していたお客さま層の方にご活用いただけていると感じています。
債券は「予定が見える」商品
—債券という商品のメリットや活用方法を教えていただけますか?
銀行の定期預金の代わりとして、追加の利回りを追求する手段として持っていただくのがよいと思います。満期まで持ち切れば価格変動のリスクが低いですし、お客さまの5年後、10年後などの資金ニーズに応じて、残存期間がマッチした商品を選んでいただくのがよいのではないでしょうか。
例えば、子どもの教育資金なら高校・大学入学のタイミングをターゲットにして残存期間を選ぶのがよいと思います。
金利収入や満期のタイミングが最初から決まっているので、将来のライフプランやマネープランを組みやすいことが債券のメリットだと思います。
—先ほどおっしゃっていた、投資対象の偏りといった点についてはいかがでしょうか?
そうですね。株式と組み合わせると損失を抑える効果が期待できるのもひとつのメリットだと思います。株式相場が良好な時は、債券は金利が上昇して価格が下がる場合があります。一方で、株式相場が下落する局面では、債券は金利が下がって価格が安定しやすい特徴があります。
ですので、この原則からすればという話ではありますが、株式しか持っていないケースよりも債券も持っていたほうが市場悪化局面での損失を抑えられることになります。ただし、リスクの高い社債は景気悪化時にデフォルトリスクが高まる場合がありますので、米国債のような安全性の高い債券の方が、株式と債券の合わせ持ちの効果は高まると思います。
債券投資のハードルを下げたい
—「債券マルシェ®」をどういった人に利用してもらいたいですか?
先ほども少しお話しましたが、NISAなどをきっかけに投信や株式は買ったけど、それ以外の投資をしていない人にぜひ債券投資を始めていただきたいですね。これまで、債券は一部の投資家だけが購入するハードルが高い商品というイメージがあったかと思いますが、「債券マルシェ®」を通じて債券投資へのハードルを下げて、投資信託や株式に偏ったお客さまのポートフォリオを変えていければ、と思っています。
実際、社債と比べて安全性の高い米国国債や、知名度の高いアップルなどの社債が中心ながら、着実に債券投資をはじめる初心者の方が増えています。
—どういった商品から始めるのがおすすめですか?
最初は米国国債に投資してみるのはどうでしょう。多くの社債は1,000~2,000米ドルが最低投資金額となっていますが、米国国債は100米ドルから購入できますので比較的少額から債券投資をはじめられます。
利回りは基本的には社債より下がりますが米国が発行している債券なので社債よりも安全性も高く、最初の債券商品としてはおすすめです。
さらに一歩踏み出すなら、日本でも知名度の高いグローバル企業の社債でしょうか。たとえばアップルやスターバックスのような有名企業は、日本で生活していても事業内容もイメージしやすくて投資しやすいと思います。
「債券マルシェ®」の今後の展望
—「債券マルシェ®」の今後の展望を教えていただけますか?
米ドル建て社債の多くは1,000米ドル~2,000米ドルが最低投資額となっていますが、投資初心者の方がチャレンジするには少々高いように思っていますので、最低投資額をさげる方法を模索しているところです。最低投資額が小さくなれば、投資のハードルはさらに下がりますし、多くの債券に分散投資ができるようになり、さらにリスクを抑えた投資も可能になります。
また、2024年3月25日より、円建て既発債券の取り扱いを開始しました。いまはまだ金融緩和の影響で金利が低い円建て債券ですが、物価高騰などの影響でじわじわ金利が高くなってきています。今後さらに金利上昇が進めば、日本の国債や社債の需要も回復するでしょう。円建て債券であれば為替リスクがないため、安全志向の方からの投資需要も期待できると考えています。
—債券がさらに身近になり、使い勝手もよくなりそうですね。「債券マルシェ®」の今後に期待しています。
取材:大塚啓二
カメラマン:研壁秀俊