クラウドファンディング

不動産投資クラファン「TECROWD」の評判やメリット・デメリットを解説

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はじめに

少額から海外不動産に投資できる「TECROWD(テクラウド)」は、より高いリターンを求める投資家から注目を集める不動産投資クラウドファンディングサービスです。

この記事では、不動産投資クラウドファンディング「TECROWD」のメリット・デメリットや安全性、そして海外不動産投資クラウドファンディングのメリット・デメリットまで、投資を始める前に知っておきたい情報を詳しくご紹介します。

TECROWDとはどんなサービス?

TECROWDは、インターネットを通じて多くの投資家から資金を集め、その資金で不動産を購入・運用する「不動産投資クラウドファンディング」という仕組みのサービスです。 運用によって得られた家賃収入や物件の売却益が、投資額に応じて投資家に分配されます。

TECROWDの概要

まずはTECROWDの基本的な情報を確認しましょう。

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運営会社TECRA株式会社
組成ファンド数 (うち償還済)82件 (53件)
累計調達額 ※1400億円
運用期間の目安 ※28ヶ月〜5年
想定利回りの目安 ※28.0〜12.0%
ファンドの主な投資先海外:賃貸住宅、戸建住宅、宿泊施設、開発用地
国内:賃貸住宅、テナントビル、医療・介護施設、開発用地
リスク軽減策優先劣後構造、マスターリース契約 (一部ファンド)
元本割れ・償還遅延 ※10件
最低投資金額10万円
※1 2025年4月1日時点。その他は2025年6月20日時点の情報。
※2 募集開始日ベースで直近20件のファンド情報をもとに記載。

TECROWDは多くの投資家から支持を集めており、累計調達額は450億円を突破しました 。2021年4月のサービス開始以来、これまでに82件のファンドを組成していますが、元本割れや配当の遅延も発生していません。

TECROWDの運営会社であるTECRA株式会社は非上場企業ですが、中央アジアで広く金融業・不動産開発を行っているグローバル企業「インベスコアグループ」と資本提携しています。このつながりにより、TECROWDの強みである海外不動産ファンドがさらに強化されています。

また、高い利回りも魅力です。TECROWDの想定利回りは8.0〜12.0%ほどで、公式サイトによれば平均実績利回りは10.5%との情報もあります(2025年4月時点)。一般的な水準である3~7%程度と比べると、非常に高い数字です。

取り扱いファンドの特徴

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ファンド名投資先想定利回り運用期間劣後比率 ※1
TECROWD81号ファンド「Mongolia Premium Residence『Edelmont』」戸建住宅 (海外)9.5%24ヶ月10.0%
TECROWD80号ファンド「Osaka City Data Center」データセンター11.5%36ヶ月4.6%
TECROWD79号ファンド「障がい者グループホーム AMANEKU千葉仁戸名町」医療・介護施設8.5%24ヶ月5.0%
TECROWD73号ファンド 宮城県角田市 系統用蓄電池発電所開発用地12.0%24ヶ月5.3%
TECROWD72号ファンド Arkansas Data Center開発用地 (海外)10.5%17ヶ月10.0%
※ 2025年6月20日時点で運用中もしくは償還済のファンドから抽出。なお、投資先の偏りを抑える意図から、必ずしも最新のファンドから抽出しているわけではない。
※1 劣後比率は小数点第二位で四捨五入した値。

投資対象は、モンゴル、カザフスタン、アメリカといった海外の不動産から、関東圏を中心とした国内の障がい者向けグループホームやデータセンターまで多岐にわたります 。投資は最低10万円から始めることができ、申し込みから契約、運用状況の確認まで、すべての手続きがオンラインで完結する手軽さも魅力です 。

TECROWDのメリット

TECROWDが人気を集める理由は、主に3つのメリットにあります。一つずつ詳しく見ていきましょう。

メリット1

平均実績利回り10%超!高い収益性が魅力

メリット2

海外不動産に「円建て」で投資できる安心感

メリット3

投資機会を逃さない仕組み

メリット1平均実績利回り10%超!高い収益性が魅力

TECROWDの最大の魅力は、なんといっても業界トップクラスの高い利回りです。償還が完了したファンドの平均実績利回りは、2025年4月時点で年利10.5%と非常に高い水準を維持しています。一般的な不動産投資クラウドファンディングの利回りが一桁台に留まることを考えると、圧倒的な数字です。

このような高い利回りの理由の一つは、モンゴルやカザフスタンなど、経済成長が著しい新興国の不動産を投資対象としていることです。例えば、モンゴルの2023年の経済成長率は7.4%で、同年の日本の経済成長率の4倍以上です。また、経済発展に伴い人口も増加しており、このような国々では不動産への需要が高まっているのです。

メリット2海外不動産に「円建て」で投資できる安心感

海外不動産への投資には「為替変動リスク」がつきものです。例えば、アメリカの不動産に投資した場合、家賃収入などの収益は米ドルで受け取ることになります。この際、円高ドル安になれば円に換算した時の収益は減少します。このように、為替レートの変動によって、せっかくの利益が目減りしたり、元本が毀損したりする可能性があります。

しかし、TECROWDは投資の申し込みから配当、元本の償還まで、すべて日本円で行う「円建て投資」の仕組みを導入しています。不動産の購入・売却代金、マスターリース会社を介した賃料の受け取りなど、すべての金銭の授受を日本円で行うことで、為替リスクが軽減されています。

メリット3投資機会を逃さない仕組み

TECROWDでは、投資家が投資機会を逃さないよう、複数の仕組みを導入しています。

まず、全てのファンドにおいて「キャンセル待ちシステム」を採用しています。出資の申し込みとは別に、募集終了後に「キャンセル待ち登録」を行うことができます。これにより、出資したいファンドの募集が終了してしまっても、空き枠が発生すればキャンセル待ちの番号順に申し込みができます。

また、一部ファンドでは「先行抽選システム」という仕組みを採用しており、ファンド情報公開時に投資家審査が完了している利用者が先行して抽選に参加できます。落選してしまった場合でも、一般募集枠に申し込み可能で、一般募集枠は先着順で決まります。

さらに、「会員クラス制度」により、TECROWDで投資をすればするほど大きな額を出資できる確率が上がります。TECROWDでは運用金額に応じたクラスがあり、運用金額が高いクラスほど先行抽選で大きな額を登録できます。投資資金が豊富にあり、多額の出資を行いたい方には嬉しいシステムです。

TECROWDの注意点

多くのメリットがある一方で、TECROWDに投資する際には知っておくべき注意点も存在します。メリットと合わせてしっかり確認しておきましょう。

注意点1

最低投資額が10万円と高め

注意点2

元本割れや配当遅延のリスクはゼロではない

注意点3

海外不動産への投資には特有のリスクがある

注意点1最低投資額が10万円と高め

TECROWDの最低投資額は10万円です。1万円から出資できるCOZUCHIやCREALなどの他サービスと比べると、少し高めの設定になっています。

そのため、投資に回せる資金が限られている方や、まずは小額で不動産投資クラウドファンディングを試してみたい方にはあまり向かないかもしれません。一方で、「会員クラス制度」からも伺えるように、大きな金額の出資を行いたい方には適したサービスだと言えそうです。

注意点2元本割れや配当遅延のリスクはゼロではない

TECROWDに限らず、すべての不動産投資クラウドファンディングでは元本が保証されません。経済状況の悪化や不動産市場の変動によっては、投資した元本が戻ってこない「元本割れ」のリスクがあります 。また、物件の売却遅延などが起こると、ファンドの運用期間が当初の予定より延長され、償還の時期が遅れる可能性もあります。

TECROWDでは様々なリスク軽減策が講じられており、元本割れや配当遅延を起こしたこともありません。しかし、これは将来の安全を保証するものではなく、不動産投資クラウドファンディングにはリスクがあるという点は必ず覚えておきましょう。

注意点3海外不動産への投資には特有のリスクがある

TECROWDが扱う物件に限らず、海外不動産への投資にはカントリーリスクや税務リスクなどの特有のリスクが伴います。これらのリスクについては、このあと詳しく説明します。

ただし、TECROWDは国内の案件も取り扱っています。これらのリスクが不安な方は、国内不動産を対象としたファンドに出資するのが良いでしょう。データセンターや障がい者向けグループホームなど、国内でも魅力的な投資機会が提供されています。

海外不動産投資クラファンについて深掘り

ここで、TECROWDが属する「海外不動産投資クラウドファンディング」そのものについて、どのようなメリットやリスクがあるのか、より詳しく解説します。

海外不動産投資クラウドファンディングの主なメリット

海外不動産投資には、個人投資家にとって多くのメリットがあります。

メリット1

少額から世界中の不動産に投資できる

メリット2

新興国など、高い成長ポテンシャルを狙える

メリット3

専門家にお任せで、手間なく投資できる

メリット1少額から世界中の不動産に投資できる

通常であれば多額の資金が必要な海外の不動産に対し、少額から投資が可能です。たとえば、この記事で紹介しているTECROWDでは10万円から出資できます 。これにより、手軽に複数の国や地域の不動産に投資でき、地理的な分散投資が比較的簡単にできます

メリット2新興国など、高い成長ポテンシャルを狙える

日本国内の成熟した市場に比べ、経済成長が著しい新興国の不動産は、不動産価格の上昇(キャピタルゲイン)や賃料の上昇(インカムゲイン)による、よりダイナミックなリターンが期待できます 。TECROWDが投資対象とするモンゴルやカザフスタンなどがその一例です 。

メリット3専門家にお任せで、手間なく投資できる

現地の法制度や税務、市場慣行の調査といった、個人で行うにはハードルが高い専門的な業務をすべて運営事業者に一任できます 。煩雑な手続きや調査の必要がなく、比較的容易に海外不動産からの収益を目指すことが可能です 。

投資前に必ず確認したい主な注意点とリスク

魅力的なメリットがある一方で、海外不動産投資特有のリスクも存在します。投資を検討する前に、以下の点を必ず確認しておきましょう。

注意点1

投資国の情勢などに左右される「カントリーリスク」

注意点2

円換算での収益に影響を与える「為替変動リスク」

注意点3

課税の重複に注意したい「税務リスク」

注意点1投資国の情勢などに左右される「カントリーリスク」

投資対象国の政治・経済の不安定さ、法制度の予期せぬ変更、大規模な自然災害など、その国特有の要因によって損失を被るリスクを「カントリーリスク」と呼びます 。政変や急激なインフレ、外資規制の強化などが起こると、不動産価値の毀損や投資資金の回収困難に直結する可能性があります 。

注意点2円換算での収益に影響を与える「為替変動リスク」

投資対象国の通貨と日本円の為替レートが変動することで、円換算での収益や元本価値が大きく影響を受けるリスクです 。TECROWDのように「円建てファンド」を提供し、このリスクを軽減しているプラットフォームもありますが 、その場合でも為替ヘッジのためのコストが発生し、リターンに影響を与える可能性がある点は知っておきましょう 。

注意点3課税の重複に注意したい「税務リスク」

海外不動産からの所得には、投資対象国と日本の両方で課税される「二重課税」のリスクがあります 。日本の居住者は、海外で得た所得も原則として日本で確定申告する義務があり、その際に「外国税額控除」という制度を利用して二重課税を調整しますが、手続きは複雑です 。

まとめ

TECROWDは、平均10%超という高い実績利回り、円建てで海外不動産に投資できる手軽さ、そして独自の投資機会を逃さない仕組みを提供する、魅力的な不動産投資クラウドファンディングサービスです。

一方で、不動産投資クラウドファンディングには元本割れなどのリスクが伴うことや、特に海外不動産への投資には特有のリスクがあるなど、注意点も存在します。これらのリスクを正しく理解した上で、ご自身の投資スタイルやリスク許容度に合っているかを判断することが重要です。

この記事を参考に、TECROWDの特徴をよく理解し、ご自身の投資スタイルや目的に合っているか検討してみてください。

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2025年6月20日時点の情報をもとに記事を作成しています。

Fin/D編集部編集者

株式会社ヒカリナ

20年にわたりネット証券・銀行など金融サービスの改善業務、コンテンツ企画制作を担当してきたメンバー、各種金融事業者での実務経験者、各種資格保有者で構成しています。豊かな人生を送るための基本とも言える金融商品・サービスについて中立的な視点で分かりやすく提供しています。