クラウドファンディング

株式型クラウドファンディングのおすすめ3社 メリット・デメリットも解説

株式型クラウドファンディングとは、非上場株式に少額から投資できるクラウドファンディングの一種です。個人が投資する機会の少ない非上場株に手軽に投資でき、うまくいけば大きな利益を獲得できるのが魅力です。
一方で、イグジットのタイミング、すなわち投資期間が読みづらい、リスクが高いといった点には注意が必要です。今回の記事では株式型クラウドファンディングのメリット・デメリットやおすすめのサービスを紹介します。

本サイトは掲載企業のプロモーション広告を含んでいますが、ユーザー視点による評価をもとにした情報を提供しています

株式型クラウドファンディングのメリット

未上場株に手軽に投資ができる

未上場株に投資できること自体が、株式型クラウドファンディングの大きなメリットです。未上場株とは、証券取引所に上場していない株で、主に新興企業や成長過程にある企業が発行する株です。上場株は、一般に証券会社を通じて柔軟に売買できますが、未上場株は個人が購入する機会が限られています。

未上場企業が成長して、IPOで上場に至ったり、M&Aで他企業に買収されたりすれば、株の保有者は大きな利益を得るチャンスがあります。

未上場株には、株主優待を用意している銘柄が少なくありません。成長企業の商品やサービスを、優待という形で先行して利用する機会を得られます。

株主優待がもらえる場合がある

未上場株には、株主優待を用意している銘柄が少なくありません。成長企業の商品やサービスを、優待という形で先行して利用する機会を得られます。

・株式会社総合近江牛商社:お食事券1~5万円分/近江牛すき焼肉贈呈1~4人前
・株式会社ロジカ・エデュケーション:オンラインレッスン受講料5~15%OFF、「ロジカ式」グッズ1~3点
・クレサヴァ株式会社:自社商品17,500円~100,000円分贈呈

エンジェル税制により節税できる

3点目に、エンジェル税制を活用して、節税効果がある点です。エンジェル税制は、個人の成長企業への投資を促進する制度で、次のような形となっています。

優遇措置A:投資額を総所得から控除(投資額の上限:総所得の40%もしくは1,000万円のいずれか低い方)
優遇措置B:投資額を株式譲渡益から控除(投資額の上限:なし)

優遇措置Aは投資先が設立5年未満、優遇措置Bは同10年未満のベンチャー企業である際に投資が可能です。所得税や住民税の負担を抑えるうえでも、株式型クラウドファンディングが役立ちます。

株式型クラウドファンディングのデメリット

投資期間が未確定で売却もしづらい

未上場株式は、上場株のようには売却ができません。基本的には、企業が成長してIPOを実行するか、他企業に魅力的な条件で売却されるのを待つ必要があります。その時期は企業の業績や意思決定に依存するため、投資開始時点では、いつ利益が実現するのかわかりません。例外として、FUNDINNOには途中売却する仕組みがありますが、買い手が現れるのを待つ必要があるため、売却タイミングはコントロールできないのが難点です。

クラウドファンディングとしてはリスクが高い

また、もし未上場株が倒産すれば、ファンドはほぼ無価値化されて、投資元本が全損となる可能性が高くなります。上場企業は、証券取引所が定める審査に合格して上場に至っています。質の高い財務体質や企業の経営体制が維持されていて、相対的には安定性が高いのが特徴です。

未上場株はそのような審査を受けていないため、財務体質や経営状況の安定性に劣るリスクがあります。また、成長過程の企業は、事業基盤が不安定で、投資開始後に経営が悪化するリスクも高いといえます。

年間50万円までしか投資できない

最後に、エンジェル投資は、1社・1人あたり50万円までという規制があります。将来有望な企業を見つけたとしても、規制以上の大きな金額を投じることはできません。

株式型クラウドファンディングのおすすめ3社

株式型クラウドファンディングとして、次の3社を紹介します。

FUNDINNO(ファンディーノ)

未上場株式投資プラットフォームとしては国内最大のサービス

Fundinnoは、小口投資のスキームで未上場株に投資ができるクラウドファンディングです。株式型クラウドファンディングの実績No1で、2024年10月時点で、150億円の成約実績があります(公式Webサイトより)。

FUNDINNOの概要

運営会社
株式会社FUNDINNO
累計投資額
(2024年10月時点)
150億円
運用期間の目安
不定
想定利回り目安
不定
ファンドの主な投資先
国内の未上場株への出資
その他の特徴
・国内の未上場株に出資ができる
・基本的に分配金はなく、償還日の指定もない
・銘柄によっては優待が受け取れる
最低投資金額
10万円程度

ファンド実績 国内最大の未上場株式投資プラットフォーム

Fundinnoは、累計の資金調達額が150億円を突破しており、ユーザー数は14万人を超えています。1社あたりの調達実績が10.7億円と未上場株式としては大口の調達実績もあります。こうした豊富な実績は、投資家・資金調達企業双方に取っての信頼の証となります。今後も豊富な投資案件が組成されると期待されます。

ファンド実績 国内最大の未上場株式投資プラットフォーム

未上場株のほとんどは上場株のような配当金がありません。そのため、未上場株の収益は、もっぱら売却時のキャピタルゲインによって実現します。もちろん、途中で投資先企業が事業に失敗して倒産すれば、投資口は無価値化するリスクもあるので注意しましょう。

株主優待 魅力的な株主優待を提供する銘柄も多数

Fundinnoのファンドの中には、投資家に対して、株主優待のような特典を付与するファンドもあります。
・オーガニックnico:季節の有機野菜セットを提供
・チョウシ・チアーズ:旬の「銚子ビール」6本セット提供
・Kamanova:「Kamanova」を割引・実質無料で提供

その他の特徴 途中売却が可能な「FUNDINNO MARKET」

また、Fundinnoでは未上場株のセカンダリーマーケットであるFUNDINNO MARKETを運営しています。業績が好調で順調に成長している企業であれば、セカンダリーを通じて売却し、収益化する余地もあるでしょう。実際にFUNDINNO MARKETでは、すでに1,000件以上の約定実績があります。

過去のファンド事例

Fundinnoで過去組成されたファンドの事業概要を紹介します。過去に、投資家がリターンを実現した実績をもつファンドから抜粋しました。

Fundinnoで資金調達した企業の事例

企業名投資家リターン例(実績・下段は投資期間)事業概要
Innovation Farm +340%
2年10ヶ月
IoTビジネスの構築と運営に必要な、製品・サービスをオールインワンにまとめた統合型IoTプラットフォームを提供。
ハーバルアイ +50%
1年6ヶ月
漢方の考えに基づいた医薬品、サプリメント、遺伝子検査キットを販売。通信販売サイト『漢方生薬研究所』やドラッグストア『漢桜陽薬店』を運営。
nommoc +50%
1年9ヶ月
スマートフォンアプリで配車し、目的地まで無料で乗れるモビリティサービスの開発。
クェスタ +60%
2年11ヶ月
作業現場のDXやデジタルサイネージの開発・販売
    ※投資期間はファンドが定めたものではない。また、ファンドの解散・償還に基づく利益だけでなく、投資家が自己の判断で途中売却したケースも含む。従ってそれぞれの会社に出資した投資家全てが同等のリターンを獲得したわけではない

継続的にファンド組成を行うサービスが少ない株式型クラウドファンディングにおいて、FUNDINNOはファンド組成実績がとりわけ豊富です。「FUNDINNO MARKET」の存在は、本来途中売却が困難な未上場株のプラットフォームとしては画期的な仕組みといえます。

金融ライター・証券アナリスト

伊藤 圭佑

イークラウド

大和証券グループと提携、ベンチャー企業に精通している経営陣

イークラウドは、大和証券グループと提携している株式型クラウドファンディングプラットフォームです。大和証券には投資銀行及びバックオフィスの機能があるため、未上場企業のイグジットがスムーズに進むと期待されます。

イークラウドの概要

運営会社
イークラウド株式会社
累計案件数
(2025年3月時点)
43件
運用期間の目安
不定
想定利回り目安
不定
ファンドの主な投資先
国内の未上場株への出資
その他の特徴
・1社10万円から投資できる
・大和証券グループと提携
・ベンチャー企業に精通したメンバーが経営層に名を連ねる
最低投資金額
10万円程度

サービスの特徴 大和証券グループの出資を受けていて、業務提携も実施

イークラウドは、大和証券グループが出資を行っていて、業務提携も行っています。大手証券会社の一角が投資先・提携先として認めている点は、サービスとして信頼できます。また、ファンドのバックオフィス運営においても、同社のノウハウの活用が可能です。大和証券には投資銀行機能が備わっているため、IPOやM&Aになった場合、同社主導で投資家や買い手を集めることもできます。

ベンチャー企業に精通する経営層 ベンチャー企業の投資・経営をよく知るメンバーが経営層に集まる

イークラウドでは、次のようにベンチャー企業の投資や経営をよく知るメンバーによって運営されています。

・波多江 直彦氏:サイバーエージェント社の子会社役員を歴任。VCにて投資実行経験
・戸塚 誠一氏:大和証券の証券アナリストや、企画部門での提携交渉を経験
・菊池 英彰氏:クレディセゾンでCVC設立・投資や協業を推進

ファンド組成する企業の選別や、ベンチャー企業に対する的確な支援が期待され、よりスムーズにイグジットに向かっていけると期待されます。

株主優待 イークラウドのファンドは魅力的な株主優待を提供

イークラウドで組成される各ファンドも、魅力的な株主優待を提供しています。

・株式会社アグリゲート:野菜・果物セットをお届け
・株式会社ハタケホットケ:稲刈り体験・有機米を提供
・株式会社アドレス:他拠点生活用施設ADDressの予約券

実用性の高い優待も多いことから、優待の内容を基準に銘柄を選ぶのも一案です。

過去のファンド事例

イークラウドで過去組成されたファンドの事業概要を紹介します。イークラウドは、過去のイグジットやリターン実績については公表されていないため、事業概要のみをまとめました。

イークラウドで資金調達した企業の事例

企業名事業概要
株式会社アグリゲート 市場で評価されない野菜・果物を手ごろな価格で販売する仕組みを構築。2024年2月にオイシックス・ラ・大地株式会社(以下、オイラ大地)の連結子会社に。
株式会社オープンルーム 不動産仲介業に特化した営業支援ツール「フォレスト」の提供。不動産取引の業務効率化や消費者の満足度向上をもたらす。中小事業者380社超や大手企業からの受注に成功。
アンドパブリック株式会社 社会/環境に与える「社会的インパクト」の測定や、最大化に向けたコンサルティングを行う企業。NTTデータグループなどのコンサルティング業務を受注し、創業1期目から経常黒字達成。
株式会社アドレス 国内・海外約300か所(2024年8月末時点)に居住施設を構え、多拠点生活を実現するサブスクリプションサービス。移住や二拠点生活を促進する法律の成立が同社ビジネスの追い風に。

FUNDINNOについて積極的にファンド組成を行っているサービスです。サービスごとに扱う企業は異なるので、事業内容や優待などの点でイークラウドの募集ファンドに魅力を感じたら、こちらも合わせて利用しましょう。大和証券との事業提携は、イークラウドに対する信頼向上に役立っています。

金融ライター・証券アナリスト

伊藤 圭佑

Unicorn(ユニコーン)

5万円から投資可能、全銘柄に株主優待制度あり

Unicornもベンチャー企業への投資機会を提供する株式型クラウドファンディングサービスの一つです。1口5万円から投資ができるのと、全銘柄に株主優待が付与されているのが特徴となっています。

Unicornの概要

運営会社
株式会社ユニコーン
累計案件数
(2025年3月時点)
39件
運用期間の目安
不定
想定利回り目安
不定
ファンドの主な投資先
国内の未上場株への出資
その他の特徴
・1社5万円から投資できる
・全銘柄に株主優待制度あり
・DX・デジタルツール・AIなど先端技術に関するベンチャー企業の取り扱いが多い
最低投資金額
5万円程度

最低投資金額 1社5万円から投資が可能

ユニコーンは、1社あたり5万円から投資が可能な株式型クラウドファンディングです。今回紹介した他のクラウドファンディングは、いずれも最低投資金額が10万円のため、ユニコーンの方がより少額から投資できます。リスクの高い未上場株で大きな損失を出さないために、できるだけ少額から投資したいという人には、ユニコーンがおすすめです。

企業の成長を支援 積極的なIRとIPOのプロフェッショナルのサポートで企業の成長を支援

ユニコーンは、ファンド組成した企業のIR活動を積極的に行います。投資家は企業の動向を詳しく知ることができます。企業としても自社の魅力を的確に伝えられるというメリットがあります。

また、同社には証券会社・投資銀行出身のIPOのプロフェッショナルが多数在籍しており、資金調達した企業のIPOを手厚くサポートしてくれるのが特徴です。

株主優待 2025年3月時点で全ての銘柄にて株主優待制度がある

ユニコーンでは、これまで全ての募集銘柄に株主優待を付与しています。資金調達を行う企業のサービス・商品の優待券や商品券のほか、アマゾンギフトのような金券を出すファンドも見られます。ほとんどの銘柄で配当が出ないのが未上場株の特徴ですが、ユニコーンのファンドであれば、ファンドをうまく選べば、金券により実質的な利益を獲得できます。

過去の株主優待事例
・ディビイ:Amazonギフト券1,000円分を毎年配布
・リンパ球バンク:がん治療に関する冊子『イラストでわかるANK免疫細胞療法』謹呈。50万円投資した場合は、同社の治療利用の5万円割引券
・トータルブレインケア:同社のサービス「CogEvo®パーソナル」無料チケット

ファンドの投資先 DX・AIなど先端技術を扱う企業の募集が多い

ユニコーンでは、DXやAIやバイオなど、先端技術を活用した事業のベンチャー企業による募集が多く見られます。こうした領域のベンチャー企業に積極的に投資していきたい人には、特にユニコーンがおすすめです。

Unicornで資金調達した企業の事例

企業名事業内容
ディビイ データ活用/データ解析を土台とした開発基盤を持つ。特に高難易度の自然言語処理解析を活かしたDXをリード。
トータルブレインケア 脳の「認知機能の見える化」を目指して開発されたクラウドシステム「CogEvo®」で収集したビッグデータの分析・活用して、高齢化社会の中で誰もが「生涯現役」でいられる社会を目指す。
未病マーカー研究所 一滴の尿から健康リスクを浮き彫りにする「尿中未病マーカー」の研究・開発や検査キットの提供を行う。「自然免疫」、「腸内環境」の2つの検査項目をチェック。
AIBOD AIを活用した無人店舗システム開発や提供を行う。インストアやゴルフ場の茶店、大学での無人店舗の運営など、着実に実績を蓄積しつつある。月額10万円以下の低コストで運用が可能。

株主優待の獲得を重視する方や、先端技術を扱うベンチャー企業に投資したい方におすすめの株式型クラウドファンディングサービスです。資金調達をするのみならず、企業のIPOの実現まで積極的にサポートしている点は、投資家にとってもメリットと言えるでしょう。

金融ライター・証券アナリスト

伊藤 圭佑

株式型クラウドファンディングで未上場株投資にチャレンジしよう

上場株と異なり、個人が未上場株を購入する機会はきわめて限られています。未上場企業の中には、将来の高成長が期待できる企業が多数存在しますが、それらに投資するハードルが高いのが実情です。今回紹介した株式型クラウドファンディングは、そのような未上場株投資にチャレンジする貴重な機会となります。

それぞれのファンドが厳選した、成長企業の株へ投資するファンドを継続的に募集しています。今後拡大が期待できる成長企業を支援したい、これから市場価値が高まる企業に投資して大きな利益を上げたいと考えている方は、ぜひ株式型クラウドファンディングへ投資してみましょう。

株式型クラウドファンディングの実績で選ぶなら「FUNDINNO」

大和証券グループと提携している信頼性で選ぶなら「イークラウド」

より少額から投資したいなら「Unicorn」

Fin/D編集部編集者

株式会社ヒカリナ

20年にわたりネット証券・銀行など金融サービスの改善業務、コンテンツ企画制作を担当してきたメンバー、各種金融事業者での実務経験者、各種資格保有者で構成しています。豊かな人生を送るための基本とも言える金融商品・サービスについて中立的な視点で分かりやすく提供しています。

伊藤 圭佑監修者

証券会社、外資系資産運用会社で約14年の勤務経験を持つ。また、個人投資家として15年以上の資産運用経験を持ち、投資信託、株、ETF、不動産、FX、クラウドファンディングなどへ投資。キャリアを通じた専門性と個人投資家の経験を生かし、金融や不動産投資、経済関連の情報提供を行なっている。証券アナリスト、FP3級保有。