クラウドファンディング

融資型クラウドファンディングのおすすめ8社 メリット・デメリットも解説

融資型クラウドファンディングは、ソーシャルレンディングとも呼ばれ、投資家から集めた資金を特定の事業や企業に貸し付けるファンド商品です。
貸付先からの元利金の返済が正常に進む限りにおいては、価格変動リスクが小さく、安定したインカムゲインが期待できます。今回の記事では、融資型クラウドファンディングのメリット・デメリットや、おすすめのファンド事業者を紹介します。

本サイトは掲載企業のプロモーション広告を含んでいますが、ユーザー視点による評価をもとにした情報を提供しています

融資型クラウドファンディングのメリット

少額投資ができる

融資型クラウドファンディングは、少額から投資が可能です。1万円程度から投資が可能なファンドが多く、FundsやAGクラウドファンディングのように1円から投資できるサービスもあります。少額投資ができるファンドは、投資初心者が少しずつ投資に慣れるうえで適しています。まとまった資金がある方は、さまざまなファンドに分散投資が可能です。

元本毀損のリスクが低い

元本毀損のリスクが低いのも、融資型クラウドファンディングの特徴です。融資型クラウドファンディングのファンド資金は、特定の事業や企業に貸し付けられます。貸付先が正常に元利金を返済してくれる限りは、価格変動のリスクがなく、満期には投資した元本が返ってきます。

幅広い事業に投資ができる

融資を通じて、幅広い事業に投資できるのも特徴です。融資型クラウドファンディングは、事業者により特色のある貸付先にファンド資金を投じています。国内外のさまざまな企業に投資できるほか、不動産や太陽光に対しての貸し付けの形で投資できるファンドもあります。上場企業への貸付を通じて、安全性の高い投資が可能なファンドもあります。

融資型クラウドファンディングのデメリット

投資先の貸倒れリスクがある

平時には元本毀損のリスクが小さい融資型クラウドファンディングですが、貸付先の貸倒れには注意が必要です。元利金の返済が滞れば、投資家への分配金や償還金の支払いもできなくなってしまいます。

償還スケジュールが変わったり、最悪の場合は損失が発生したりします。安全な資産運用を徹底するなら、貸し倒れリスクの少ない信頼できる企業へ融資するファンドを選ぶのが得策です。

途中解約ができない

また、途中解約がしにくいのも、融資型クラウドファンディングのデメリットといえるでしょう。融資型クラウドファンディングは、集めた資金が契約に基づいて償還時期まで貸し付けられるため、途中で解約・換金するのは困難です。そのため、満期まで必要にならない余剰資金で投資をしましょう。

おすすめの融資型クラウドファンディング8つを解説

ここからは、おすすめの融資型クラウドファンディングを8つ解説します。
安定した利回りが期待できる融資型クラウドファンディングは、複数のサービスが継続的にファンド組成を行っています。

オルタナバンク

国内だけでなく海外企業への貸付ファンドも多い

オルタナバンクは、以前は「SAMURAI FUND」と呼ばれていたクラウドファンディングサービスで、運営会社は、第一種金融商品取引業と第二種金融商品取引業を有するSAMURAI証券です。

オルタナバンクの概要

運営会社
SAMURAI証券会社
ファンド本数
519本
運用期間の目安 ※
2ヶ月~36ヶ月
想定利回り目安 ※
4.0%~8.3%
ファンドの主な投資先
国内外の企業融資、社債、SDGsプロジェクト
その他の特徴
・元本割れ0件を継続(2024年12月末時点)
・海外案件多数だが為替リスクを抑えたスキームが多い
・1ファンドで複数の投資先に分散した銘柄も
最低投資金額
1万円
    ※3月20日時点で運用中の20本のファンドの水準をもとに集計

コンセプト 個人の少額からのオルタナティブ投資がコンセプト

オルタナバンクは「オルタナティブ投資」の普及を目指して運営されているファンドです。オルタナティブ投資とは、伝統的な株や債券といった資産とは異なる資産への投資で、不動産、プロジェクトファイナンス、未上場株への投資などが代表的です。

融資型クラウドファンディングも「ダイレクトレンディング」という融資を活用した投資に近い性質を持っています。オルタナバンクでは、融資を通じて様々な事業に投資するファンドを組成しているのが特徴です。

多様な商品性 投資銘柄数・投資期間や利回りに関して多様なファンドを高頻度で募集

オルタナバンクでは複数案件に分散投資するファンドもしばしば販売されます。中には、海外と国内の事業者に投資するファンドもあります。募集本数の多さを活かして、さまざまな年限や利回りのファンドを早いペースで出しているのが特徴です。特に年限については、1ヶ月程度の超短期から3年程度のファンドの設定も見られます。

元本毀損なし すでに350本以上のファンドを全て元本100%で償還

オルタナバンクでは、過去に519本のファンド募集実績、486億円の資金を集めています。そのうち、2025年1月時点で362本が償還済で、全てのファンドが100%正常に元本を償還しています。過去ファンドの正常償還は、オルタナバンクが貸付先のリスクを見極めて、適切な貸付先を厳選できているためです。

幅広い投資先 国内外のさまざまな事業へ投資するファンドを組成

国内外の企業に対する融資を裏付けにファンド組成する事例が多く「ソーシャルレンディング」の枠組みに含まれる場合もあります。しかし、社債投資や流動化債権への投資など、融資以外へ投資するファンドも散見されるのが特徴です。

国内の事業者のほか、海外事業者への融資をもとにファンド組成する案件もしばしば募集されています。海外事業者へ融資を出すと、本来は為替リスクが存在しますが。しかしオルタナバンクでは、多くのファンドにおいて円建てで融資をする、ファンド内でヘッジをかけるなどの為替対策をしており、為替リスクが投資家に波及しにくい構造です。

オルタナバンクの代表的なファンド事例

ファンド名投資先想定利回り運用期間※
【3ヶ月毎分配】海外分散中長期運用型 複数の海外企業への融資 7.0%

2025/03/19~2026/08/27
17ヶ月

【毎月分配】国内不動産プロジェクト短期支援ファンド 不動産企業向けの貸付資金 6.5%

2025/03/31~2026/03/31
12ヶ月

【3ヶ月毎分配】東アジア貸金事業者支援ファンド 東アジア企業向けの貸付資金 7.0%

2025/03/07~2027/02/01
22ヶ月

累計申込総額400億円突破記念ファンド Part1 企業向けの貸付資金 8.2%

2024/11/22〜2025/12/01
12ヶ月

【元利金一括返済】秋桜の初回投資家応援ファンド 企業向けの貸付資金 5.0%

2024/11/22〜2025/06/13
6ヶ月

    ※運用期間の記載はオルタナバンクWebサイトに基づく

総資金調達額はまもなく500億円にせまるところで、着実な実績を積み上げている融資型クラウドファンディングです。海外企業へ貸付けるファンドが多いにもかかわらず、償還済みの全てのファンドが正常償還を迎えており、安心して投資先を選べます。

金融ライター・証券アナリスト

伊藤 圭佑

Funds(ファンズ)

投資先は信用力の高い優良企業に厳選

Fundsは、ファンズ株式会社が運営する投資型クラウドファンディングです。企業向けの融資を小口化して販売しており、ソーシャルレンディングの一種です。

Funds(ファンズ)の概要

運営会社
ファンズ株式会社
ファンド本数 ※1
481本
運用期間の目安 ※2
3ヶ月~36ヶ月
想定利回り目安 ※2
1.0%~3.6%
ファンドの主な投資先
国内企業の融資
その他の特徴
・厳格な資産をクリアした優良企業に厳選して融資を貸し出す方針
・1口1円から投資が可能
・多くの銘柄に投資家向けの特典が存在
最低投資金額
1円
    ※1 3月20日時点で運用中もしくは償還済のファンドを集計
    ※2 3月20日時点で運用中の20本のファンドの水準をもとに集計

主な投資先 上場企業を中心とした信用力の高い企業に投資

Fundsは、融資を貸し出す企業の信用力を厳選してファンドを組成しています。基本的には上場企業か監査法人の監査を受けた優良企業に貸出先を厳選する方針です。

Renosyを運営する不動産会社のGA technologiesや小売業のベルクなど、多くの上場企業が資金調達にFundsを活用しています。信用力が高い企業への融資が中心である分利回りが低めなのが特徴です。リスクを抑えて着実なリターンを追求する人に適したサービスといえます。

最低投資額 1口1円の超少額から投資が可能なファンド

Fundsはほとんどのファンドが1口1円から投資可能です。投資先から少額の分配金が出たときには、すぐに別のファンドに再投資できるのが特徴です。そのため、複利効果を最大限享受することができ、相対的に利回りは低くとも効率良く投資ができます。

ファンド購入者優待制度 融資型クラウドファンディングとしては珍しい優待制度を有する

Fundsでは、多くの銘柄で「優待制度」という名で、投資家向けに特典を付与しています。多くは抽選制となっていますが、条件を満たせば全員がもらえる特典も一部あります。たとえば最近では次のような特典がありました。

・データインフラ戦略ファンド#1:200名に「ホテルオークラ2種食べ比べセット」をプレゼント
・くらしにベルクファンド#1:【Funds優待】獲得条件を満たした方全員にベルクペイ残高合計6,000円分をプレゼント!
・ボルテックス リノベーションファンド#1:【Funds優待】獲得条件を満たした方全員にルタオの「ドゥクレムール」をプレゼント

頻繁に提供される優待も、Fundsへ投資するメリットの一つといえるでしょう。

募集ファンドの事例 厳正な審査のもと、貸付先は上場企業や監査を受けた企業に限定

Fundsのファンドは、多くが上場企業で、そのほかも適切な監査法人等による監査を受けているなど、貸付先を厳選しているのが特徴です。上場企業や、上場を維持するために東証などの経営状況や体制における条件をクリアしていて、健全な経営体制が保たれています。

また、監査法人の監査を受けている企業も、外部の専門家のチェックを受けている点で、信頼できます。

Fundsのファンド事例

ファンド名主な投資先想定利回り運用期間
アーバネットサステナビリティファンド#4 上場会社アーバネットコーポレーションへの融資 2.4%

2025/3/17〜2026/2/27
約11ヶ月

ウェルス・ラグジュアリー・ホテル・ファンド#20 上場会社ウェルス・マネジメントへの融資 3.0%

2025/2/25〜2026/3/31
約13ヶ月

データインフラ戦略ファンド#3 上場企業GA technologiesへの融資 2.8%

2025/1/30〜2026/11/30
約22ヶ月

イオン銀行お買い物応援ファンド#5 大手小売グループの傘下であるイオン銀行への融資 1.0%

2024/12/25〜2025/3/31
約3ヶ月

TASUKI X-Techファンド#4 タスキ社への融資 2.4%

2024/10/7〜2026/3/31
約18ヶ月

融資先を上場企業やそれに準じる信用力の高い企業に限定しているのが特徴です。利回りだけを見れば低く見えますが、貸付先の安全性を踏まえればリーズナブルな水準といえるでしょう。1円の超少額から投資ができるのも、他にはなかなかない特徴です。

金融ライター・証券アナリスト

伊藤 圭佑

クラウドバンク

不動産や太陽光発電への貸付が多く実績豊富

クラウドバンクは、累計応募金額3,000億円越え、組成ファンドも6,600本を超える確かな実績のある融資型クラウドファンディングです。2025年3月20日現在も、同時に複数のファンドを募集しています。

クラウドバンクの概要

運営会社
日本クラウド証券
ファンド本数 ※1
6,686本
運用期間の目安 ※2
7ヶ月~21ヶ月
想定利回り目安 ※2
1.7%~6.6%
ファンドの主な投資先
国内外の不動産・太陽光発電設備などに対する貸付け
その他の特徴
・不動産担保ローン、太陽光発電への貸付けが多い
・組成ファンドが非常に多く豊富な投資機会
・運用先ごとに担保を設定して元本毀損リスクを緩和
最低投資金額
1万円
    ※1 3月20日時点で募集完了済みのファンドを集計
    ※2 3月20日時点で運用中の20本のファンドの水準をもとに集計

投資先 不動産や太陽光発電への貸付を裏付けとして組成したファンドが多い

近年のクラウドバンクは、不動産担保ローンと太陽光発電への融資を裏付けとして組成されたファンドが多くなっています。不動産・太陽光発電とも特定の物件の取得や運営を目的とした資金として活用されます。

豊富な投資機会 過去の組成・募集実績が豊富で、足元も複数の銘柄を募集中

クラウドバンクは、過去の組成ファンドが6,600本を超えていて、同業と比べても大量のファンドを募集してきた実績があります。足元でも継続的にファンドを供給していて、3月22日現在でも8本のファンドがまだ募集中です。投資機会が豊富なので、投資したくても「募集ファンドがなくて投資できない」というタイミングが少なく済むでしょう。

安全性① 運用先ごとの担保設定で元本毀損リスクを低減

クラウドバンクでは、すべてのファンドの融資先に対して、それぞれ個別の担保を付与しています。クラウドバンクに多い不動産向けの融資ファンドでは、資金が投じられる不動産が担保となるケースが多いです。

そのほかの案件でも、必ず担保を付与して、健全性を高めています。担保が付与されていれば、元利金の返済が滞った時には、担保資産を処分して返済原資に充てられるため、融資先の事業に万が一のことがあっても、元利金返済を継続できる可能性が高くなるのです。

安全性② 「第1種金融商品取引業者」である証券会社が運営

日本クラウド証券は、その社名が表す通り証券会社で「第1種金融商品取引業者」の一つです。クラウドファンディングの運営会社には「第1種金融商品取引業者」「第2種金融商品取引業者」の二種類がありますが、第1種金融商品取引業者の方が、クリアすべき財務基準や条件が厳しくなっています。
厳しい規制をクリアして運営されている分、企業は健全な状態が維持されています。クラウドバンクを利用するうえでの、安心材料といえるでしょう。

募集ファンドの事例 国内の不動産・太陽光のほか海外不動産を担保としたファンドも

足元では不動産・太陽光を裏付けとしたファンドが多くなっています。ただし、日本だけでなく海外の資産を担保としたファンドを定期的に組成しているのも特徴です。

クラウドバンクのファンド事例

ファンド名主な投資先想定利回り運用期間
不動産担保型ローンファンド第868号 東京都港区所在の不動産取得のための融資 6.2%

2025/04/18 〜 2026/06/05
約14ヶ月

「円投資」オーストラリア不動産ローンファンド第243号 オーストラリア不動産を裏付けとした信託受益権を取得のための融資 6.1%

2025/03/31 〜 2026/02/06
約11ヶ月

太陽光発電ファンド第2825号 太陽光発電事業の土地・権利取得のための融資など 6.6%

2025/03/31 〜 2026/12/07
約21ヶ月

不動産担保型ローンファンド第864号 沖縄県宮古島市所在の不動産に対する融資の借換えや運転資金のための融資 4.9%

2025/03/14 〜 2026/01/09
約10ヶ月

上場企業事業拡大支援ファンド第298号 東証スタンダード上場企業による不動産取得のための融資 1.7%

2025/03/31 〜 2025/10/07
7ヶ月

非常にファンド組成頻度が高いのが特徴です。ファンド組成頻度が低くすぐに完売するファンドもあるなかでは、投資がしやすいといえます。融資先としては太陽光発電やオーストラリアの不動産を扱っている点が特徴的です。

金融ライター・証券アナリスト

伊藤 圭佑

AGクラウドファンディング

アイフルグループならではの信頼と審査ノウハウ

AGクラウドファンディングは、多くの銘柄が1円から投資できるのが特徴です。また、会員登録すると1,000円分のVプリカをプレゼントするキャンペーンを継続しています。貸金業のノウハウを活かして貸付先を選別し、安定した運用を行っています。

AGクラウドファンディングの概要

運営会社
AGクラウドファンディング株式会社
ファンド本数 ※1
128本
運用期間の目安 ※2
6ヶ月~18ヶ月
想定利回り目安 ※2
1.02%~8.0%
ファンドの主な投資先
不動産やアイフル社への貸付け
その他の特徴
・不動産担保ローンとアイフル社への貸付が中心
・創業50年の金融業アイフル社のグループ会社
・1円の超少額から投資が可能
最低投資金額
1円
    ※1 3月20日時点で募集完了済みのファンドを集計
    ※2 3月20日時点で運用中の20本のファンドの水準をもとに集計

運営会社 老舗金融業「アイフル社」グループが手がけるクラウドファンディング

AGクラウドファンディングは、創業50年を超える大手金融会社「アイフル」グループが手がけるクラウドファンディング事業です。親会社アイフルは、東証プライム上場企業でもあり、消費者金融業などで確かな実績を有しています。AGクラウドファンディングでは、融資先の選別に、長年の融資審査のノウハウを活かして運営されています。

会員登録時のキャンペーン 会員登録をすると、もれなく1,000円のVプリカギフトがもらえる

AGクラウドファンディングでは、会員登録をするともれなく1,000円分のVプリカギフトがもらえるサービスを行っています。最低投資金額などの条件はなく、会員登録をしてメールマガジンの受信を承諾するだけでもらえます。これからAGクラウドファンディングを利用する予定の方は、Vプリカギフトを有効活用しましょう。

最低投資金額 ほとんどのファンドの最低投資金額が1円~

AGクラウドファンディングで募集するファンドのほとんどは、最低投資金額が1円に設定されています。融資型クラウドファンディングとしては、Fundsに並んで少額投資が可能なサービスです。

「最初はできるだけ少額から始めたい」「少しでも余剰資金ができたらすぐに投資したい」という方にはおすすめです。また、AGクラウドファンディングで獲得した分配金を、すぐに再投資できるという点でもメリットといえます。

募集ファンドの事例 不動産担保ローンとアイフル向け貸付けのファンドが中心

2025年3月現在においては、不動産担保ローンとアイフル向け貸付のファンドが中心となっています。前者の方が相対的に利回りが高い一方で、プライム上場企業であるアイフル向けの融資は安全性が高いといえます。利回りの高いファンドと収益性の高いファンドに資産を配分すれば、自分が求めるリスク水準での資産運用が可能です。

AGクラウドファンディングのファンド事例

ファンド名主な投資先想定利回り運用期間
不動産担保ローンファンド#86(土地@三軒茶屋) 世田谷区の土地・不動産を担保とする貸付 5.0%

2025/3/18~2026/3/17
約12ヶ月

不動産担保ローンファンド#85(店舗付住宅@横須賀市) 横須賀市の店舗付き住宅を担保とする貸付 6.0%

2025/3/21~2026/9/18
約18ヶ月

不動産担保ローンファンド#84(土地建物@杉並区荻窪) 杉並区の土地・建物を担保とする貸付 8.0%

2025/3/4~2026/9/3
約18ヶ月

アイフルファンド #44 アイフル社への貸付け(無担保) 1.12%

2025/3/7~2025/8/29
約6ヶ月

アイフル社傘下の企業が扱っている点が最大の特徴といえます。その強みを活かして、アイフル社向けの無担保貸付けができるファンドを供給しています。利回りは低く見えますが、2025年現在のアイフル社の信用力を鑑みれば決して低すぎることはないでしょう。

金融ライター・証券アナリスト

伊藤 圭佑

OwnersBook(オーナーズブック)

不動産への貸付に特化した融資型クラファン

OwnersBook(オーナーズブック)は、不動産への貸付けに特化した融資型クラウドファンディングサービスです。不動産投資型クラウドファンディングと似た印象を持ちますが、これらが一般に出資の形態で投資するのに対して、融資の形態で資金が活用されるのが特徴です。

OwnersBook(オーナーズブック)の概要

運営会社
ロードスターインベストメンツ株式会社
ファンド本数 ※1
355本
運用期間の目安 ※2
16ヶ月~35ヶ月
想定利回り目安 ※2
4.1%~5.6%
ファンドの主な投資先
国内のマンションや宅地、開発用地を担保とした貸付け
その他の特徴
・不動産特化型の融資型クラウドファンディング
・元本割れ0件を継続(2025年3月末時点)
・担保付きで安全性の高いスキームで運営
最低投資金額
1万円
    ※1 OwnersBook公表値
    ※2 3月20日時点で運用中の20本のファンドの水準をもとに集計

スキーム ファンド資金は不動産を担保とした貸付けに活用される

OwnersBookは、一部の例外を除き、ファンドで集めた資金は特定の不動産経営に活用されます。ただし、一般に「出資」の形態で不動産物件に投資される「不動産投資型クラウドファンディング」と異なりOwnersBookでは、不動産物件の取得や経営に必要な資金を「貸付け」の形で拠出します。

貸付けであるため、定期的に発生する利息収入がファンドの分配金原資となります。また、満期が到来すれば元本がそのまま返済される仕組みです。不動産の信用力が同等であれば、不動産投資型クラウドファンディングよりもリスクの低い仕組みとなっています。

安全性 全ファンドが担保付でLTVも抑制されていて、安全性の高いスキーム

OwnersBookでは、融資型ファンドの全案件に対して、投資先不動産が担保となっています。万が一不動産経営に失敗したとしても、不動産を差し押さえて返済原資に充てられるため、さらに元本毀損を抑えた仕組みです。

担保の健全性を図る時にはLTV(Loan to Value)という指標が重要となります。これはLoan総額の、担保対象となっている不動産の資産価値に対する割合で、低いほど健全性が高いといえます。OwnersBookでは、LTVを80%以下に抑えることを条件としていて、ファンドの安全性を重視しています。

株主優待枠 株主が先行して投資できる仕組みがある

OwnersBookの運営会社の親会社にあたる「ロードスターキャピタル」は、東証プライムの上場会社です。OwnersBookでは、同社の株を1,000株以上保有していると利用できる「株主優待枠」付きのファンドをしばしば募集しています。先着順のクラウドファンディングは、すぐに完売するケースも少なくありません。ロードスターキャピタルの株主になっておけば、より高い確率で希望するファンドへの投資が可能です。

募集ファンド さまざまなタイプの不動産への貸付をファンドで募集

OwnersBookでは、次のようにさまざまな種類の不動産を担保とした貸付を行っています。
・商業ビル
・マンション
・戸建用地
・開発用地

立地で見ると、近年は都心部の物件が中心です。

OwnersBookの代表的なファンド事例

ファンド名投資先想定利回り運用期間
江戸川区平井戸建用地案件 住宅・共同住宅用地 5.1%

2025/02/28~2027/03/20
25ヶ月

渋谷道玄坂商業ビル案件 地下1階付6階建の商業ビル 5.1%

2025/02/28~2026/06/20
16ヶ月

港区マンション第10号第1回 15階建のマンションの区分所有区画 4.4%

2023/05/30~2025/12/20
31ヶ月

世田谷区戸建素地第4号第1回 住宅・共同住宅用地 4.6%

2024/01/30~2025/08/20
19ヶ月

北青山オフィス・商業ビル案件 地下1階付8階建のオフィスビルの区分所有 5.1%

2024/08/30~2027/03/20
31ヶ月

コンセプトとして「不動産向けの貸付け」を行うクラウドファンディングであることを明記しています。他にも不動産担保ローンを扱うサービスは複数ありますが、同社のファンドは特に投資先かつ担保対象である不動産の情報が充実しています。

金融ライター・証券アナリスト

伊藤 圭佑

COMMOSUS(コモサス)

不動産への貸付が中心、COZUCHIの運営会社と業務提携も

COMMOSUS(コモサス)は、不動産への貸付を中心とした融資型クラウドファンディングサービスです。COZUCHIの運営会社であるTRIAD社・LAETOLI社と業務提携しています。

COMMOSUS(コモサス)の概要

運営会社
株式会社コモサス
ファンド本数 ※1
130本
運用期間の目安 ※2
3ヶ月~16ヶ月
想定利回り目安 ※3
4.2%~11.0%
ファンドの主な投資先
国内のマンションや宅地、開発用地を担保とした貸付け
その他の特徴
・不動産向けの貸付けが中心
・COZUCHIの運営会社と提携
・元本償還率100%を継続
最低投資金額
1万円
    ※1 3月20日時点で運用中もしくは償還済みのファンドを集計
    ※2 3月20日時点で運用中の20本のファンドの水準をもとに集計
    ※3 COMMOSUS(コモサス)Webサイトより

ファンドの特徴 不動産への貸付を中心としつつ、一部他プロジェクトへの貸付も開始

COMMOSUSのファンドの大部分は、不動産の取得・運営に対する貸付に活用されます。このタイプのファンドでは、基本的に担保がついていて、万が一返済が滞った場合には、不動産を差し押さえて元本返済に充て得ることが可能です。

一方で、本数は少ないながら太陽光発電のプロジェクトやソーシャルプロジェクトなどへのファンド組成事例も見られます。いずれも一貫して貸付金としてファンド資金が活用されます。

資本関係 COZUCHIの運営会社と業務提携しており、TRIAD社への貸付けファンドも

COMMOSUS運営会社「SOCIAL COMMON CAPITAL」はTRIAD社及びLAETOLI社と業務提携を行っています。TRIAD社・LAETOLI社は、不動産投資型クラウドファンディング「COZUCHI」のファンドの運用や募集を行っている企業です。

こちらの提携を活かして、COMMOSUSはTRIAD社の不動産に対して融資するファンドを定期的に募集しています。

安全性 償還済ファンドは全て元本償還率100%

COMMOSUSでは、過去償還したファンド全てが元本償還率100%となっており、元本割れを引き起こしたことがありません。厳正な審査のもと、安心して投資できる案件を厳選してファンド組成しています。

募集ファンド TRIAD案件ほか、複数の不動産会社への貸付けファンドを組成

資本提携先であるTRIAD向けの貸付けのほか、複数の不動産会社向けの貸付を裏付けにファンドを組成しています。

COMMOSUSの代表的なファンド事例

ファンド名投資先想定利回り運用期間
豊島区巣鴨プロジェクト
(不動産担保ファンド)
借入人:長天社
豊島区巣鴨エリアの不動産を担保とする融資
7.5%

2025/02/28~ 2025/12/26
約10ヶ月

系統用蓄電池プロジェクト(TRIAD FUND12号) 借入人:TRIAD
蓄電池事業を用地・設備購入のための融資
9.0%

2025/01/31~ 2026/01/30
約12ヶ月

品川区大井町プロジェクト(不動産担保ファンド) 借入人:絆の力
品川区に所在する不動産の借換資金への貸付
7.0%

2025/01/28
~ 2025/09/30
約8ヶ月

苫小牧自然エネルギープロジェクト(TRIAD FUND11号) 借入人:TRIAD
北海道の太陽光発電事業用の用地取得のための融資
10.0%

2024/12/26~ 2025/08/29
約8ヶ月

杉並区高円寺プロジェクト(不動産担保ファンド) 借入人:明豊エンタープライズ
杉並区のマンション建設用地への融資
6.0%

2024/12/17~ 2026/04/30
16ヶ月

COZUCHIが出資の形態を取る不動産投資型クラウドファンディングであるのに対して、こちらは主に不動産担保ローンを活用したクラウドファンディングという形ですみ分けされています。一方で、再生可能エネルギーのプロジェクトのように、特色ある投資先のファンドも組成しています。

金融ライター・証券アナリスト

伊藤 圭佑

Bankers(バンカーズ)

クラウドクレジットとサービス統合、国内外の企業に貸付

Bankersは、株式会社バンカーズが運営する投資型クラウドファンディンです。2024年11月より、クラウドクレジットという別の投資型クラウドファンディングと統合してサービスを継続しています。現在はBankersとして運営されていますが、過去のファンド組成数は旧クラウドクレジットの方が多くなっています。

Bankers(旧クラウドクレジット含む)の概要

運営会社
株式会社バンカーズ
ファンド本数 ※1
2,680本
運用期間の目安 ※2
13ヶ月~27ヶ月
想定利回り目安 ※2
4.0%~10.93%
ファンドの主な投資先
国内外の企業融資
その他の特徴
・複数ファンドをまとめたパッケージファンドがある
・海外企業へ投資するファンド多数
・投資先が外貨建て円建ての双方の銘柄がある
最低投資金額
1万円〜10万円
    ※1 2025年3月20日時点で運用中・償還済のファンドから集計
    ※2 2025年3月20日時点で運用中の銘柄のうち、直近20銘柄をもとに集計

サービス統合 2024年にBankersとクラウドクレジットが統合し、Bankersとして存続

元々Bankersもクラウドクレジットも、企業の融資を小口化して販売する形式のファンドが主で、融資型クラウドファンディングの一種です。Bankersは国内企業に融資するファンド、クラウドクレジットは海外企業に融資するファンドが主でしたが、2025年現在も両タイプのファンドを継続的に募集しています。両者の統合により、幅広い投資先から好みの銘柄を選べる体制となっているのが特徴です。

資金調達実績 統合により総資金調達額1,000億円を超えるファンドに

Bankersは、もともと資金調達額100億円、200億円、300億円、400億円を業界最速で突破したサービスです。さらに、クラウドクレジットの実績も加わった現在では、トータルの資金調達実績は1,000億円を超えています。過去のファンド組成数では、実は旧クラウドクレジットの方が多く、2,000本以上の組成実績があります。

利回り・運用期間 利回り・運用期間の双方で多岐にわたるファンドを組成

Bankersでは、旧クラウドクレジットのような海外企業への外貨建て融資と、旧来のBankersの方向性を踏襲した国内のさまざまな事業への融資の二つのタイプのファンドを並行して募集しています。

ファンド組成数が多いこともあり、利回りや運用期間において多様なファンドに投資する機会があります。利回りでいえば、最近の募集銘柄に限っても、下は4%台から上は10%超まであります。また、運用期間では、3ヶ月の短期から2年超の長期のファンドがあります。

募集銘柄 国内・国外への融資のファンドを継続的に募集

国内企業・海外企業双方の融資のファンドを継続的に募集しています。さらに海外企業向けの貸付では、円建て・外貨建て双方のファンドがあります。

投資家はどちらのファンドも円で購入できますが、外貨建てのファンドは、ファンド内で外貨に変換するため、為替リスクが存在する分ややリスクが高くなります。一方で、運用期間中に為替相場が円安方向に動けば、為替差益により分配金が増える可能性もあるでしょう。

Bankers(バンカーズ)の代表的なファンド事例

ファンド名投資先想定利回り運用期間
【円建て】【海外】短期3ヶ月ファンド第1-14号
【償還実績あり】
東南アジアの個人向けデジタル金融サービス企業へ円建ての貸付け 4.67%

2025年03月下旬 ~ 2025年06月下旬
約3ヶ月

売掛債権早期資金化事業支援ファンド第1-22号
【償還実績あり】
国内ファクタリング事業者への融資 6.3%

2025年03月中旬~2026年03月下旬
約12ヶ月

顔の見える電力ファンド第2-5号
【償還実績あり】
再生可能エネルギー事業などを営む国内企業への融資 5.33%

2025年03月下旬 ~ 2025年09月下旬
約6ヶ月

【メキシコペソ建て】中部メキシコ中小企業向けローンファンド23号
【償還実績あり】【SDGsファンド】
メキシコのハリスコ州を拠点に中小企業向けの金融事業を営む企業への融資 10.93%

運用期間非公開
約13ヶ月

サービサー事業支援ファンド第1-17号 企業への融資+約束手形の買取 7.0%

2024/12/10〜2025/06/10
約6ヶ月

    ※投資家限定情報の場合も記載せず

「募集ファンドが大変多く、さまざまな事業を営む企業への融資に投資が可能です。海外企業へ融資するファンドでは10%を超える銘柄も多く見られ、融資型クラウドファンディングとしては高収益を追求しやすいサービスといえます。

金融ライター・証券アナリスト

伊藤 圭佑

Funvest(ファンベスト)

健全性を重視した大和証券グループのサービス

健全性を重視した大和証券グループのサービス

Funvestの概要

運営会社
Fintertech株式会社
ファンド本数 ※1
128本
運用期間の目安 ※2
5ヶ月~15ヶ月
想定利回り目安 ※2
3.00%~3.25%
ファンドの主な投資先
不動産担保ローンとプロバスケットボールチームへの貸付
その他の特徴
・大和証券の子会社かつクレディセゾンの出資を受ける
・新規会員登録でAmazonギフトが受け取れる
・特典付きのファンドが多数
最低投資金額
10万円
    ※1 2025年3月20日時点で運用中・償還済のファンドから集計
    ※2 2025年3月20日時点で運用中の銘柄のうち、直近20銘柄をもとに集計

運営企業 大和証券グループの子会社かつクレディセゾンからの出資を受ける

Funvestは、大手証券会社である大和証券グループ本社が80%出資しており、同社の子会社となっています。また、残りの20%はクレディセゾンが出資しています。証券とノンバンクの大手2社のノウハウを活用しつつ、不動産の担保評価や貸付先を厳選することで、健全性の高い融資先を厳選したうえで、ファンドを組成しているのが特徴です。

本サービスのファンドの利回りは3%程度と他のサービスと比べて低めですが、運営会社への信頼により多くのファンドが充分な資金を集め、実際に運用されています。

さまざまな特典 新規会員登録と投資時に特典が受け取れる

Funvestでは、新規会員登録時にAmazonギフトをプレゼントするキャンペーンを長期にわたり行っています。少なくとも2022年から継続していて、2025年3月現在もキャンペーンの終了予定などは告知されていません。新規会員登録をすると1,000円、その後初めて投資するとさらに1,500円のAmazonギフトを獲得できます。

さらに、多くのファンドそれぞれにおいて、特典がついているのも特徴です。その多くは投資額に応じてAmazonギフトを付与するものとなっています。上限はファンドにより異なりますが、多額の投資に対しては数万円のギフトが付与される銘柄もあります。

さらに、一部のファンドは追加の特典があるのが特徴です。

Amazonギフト以外の特典つきファンドの例
・NSGホールディングス 新潟イノベーションファンド3-3号:ホテルイタリア軒ハヤシライス物語 プレゼント
・新潟アルビレックスBB応援ファンド4-1号:新潟アルビレックスBB オリジナルグッズプレゼント

Funvestの代表的なファンド事例

ファンド名投資先想定利回り運用期間
ブッシュクロフィード 渋谷宇田川町ファンド1-1号 ブッシュクロフィード社への不動産担保ローン 3.25%

2025/3/21~2025/10/31
約7ヶ月

NSGホールディングス 新潟イノベーションファンド3-3号 NSGホールディングスへの不動産担保ローン 3.0%

2025/2/27~2025/10/31
約8ヶ月

新潟アルビレックスBB応援ファンド4-1号 プロバスケットボールチームへの融資 3.0%

2025/1/28~2025/12/23
約11ヶ月

アトラスグループ 千歳マンション開発応援ファンドⅡ1-2号 アトラスグループへの不動産担保ローン(北海道千歳市の開発資金に充当) 3.0%

2024/12/24~2025/6/30
約6ヶ月

大和証券グループとクレディセゾンという大手金融業2社が出資しているのが、大きな特徴のサービスです。地方の不動産を担保としているファンドも散見されるなか、3%台でほとんどのファンドに充分な需要が集まるのは、大手2社に対する信頼の証とみることもできるでしょう。

金融ライター・証券アナリスト

伊藤 圭佑

融資型クラウドファンディングで、元本毀損リスクを抑えながら投資しよう

投資資金が企業や特定のプロジェクトへの融資として活用される融資型クラウドファンディングは、事業者の倒産や融資先の貸し倒れが発生しない限り、元本毀損のリスクが低い金融商品です。一般には不動産投資型クラウドファンディングや株式型クラウドファンディングよりも安定した分配金収益が期待できるファンドといえます。

今回紹介したように、融資型クラウドファンディングを営むサービスは多く、それぞれ融資先の特徴が異なります。過去の事例も見ながら、リスク・リターンが見合ったファンドに投資しましょう。

融資先の安全性を重視するなら「Funds」

ファンド実績で選ぶなら「Bankers」

大和証券グループの信頼性で選ぶなら「Funvest」

Fin/D編集部編集者

株式会社ヒカリナ

20年にわたりネット証券・銀行など金融サービスの改善業務、コンテンツ企画制作を担当してきたメンバー、各種金融事業者での実務経験者、各種資格保有者で構成しています。豊かな人生を送るための基本とも言える金融商品・サービスについて中立的な視点で分かりやすく提供しています。

伊藤 圭佑監修者

証券会社、外資系資産運用会社で約14年の勤務経験を持つ。また、個人投資家として15年以上の資産運用経験を持ち、投資信託、株、ETF、不動産、FX、クラウドファンディングなどへ投資。キャリアを通じた専門性と個人投資家の経験を生かし、金融や不動産投資、経済関連の情報提供を行なっている。証券アナリスト、FP3級保有。