UPDATE 2019.1.8
株主優待とは、企業が株主に対し「自社の製品」や「カタログギフト」「割引券」などの特典を与えるものです。優待の内容は、例えば、食品メーカーなら自社製品の詰め合わせ、外食チェーンならレストラン優待券といった自社のサービスを優遇するものであったり、金券であるクオカードといったものです。
株主優待を実施しているのは、上場企業3,723社のうち1,368社と約3分の1ほどですが、年々増加しているようです。(2017年 大和インベスター・リレーションズ調べ)
株主優待や配当金は、企業の業績次第ではありますが、株を持っている間はずっと受け取ることができるので、長期で保有すればそれだけたくさんの優待をもらうことができます。
一般的に株式投資による利益は、安く買って高く売る、値上がり益を追うイメージがあると思いますが、
長期保有で株主優待と配当金をもらい続けて利益を得るというのも、ひとつの投資スタイル
です。
株主優待を受けるためには、もちろん株を買わなければなりません。いつ、どのくらい買えばよいか、について2つの条件があります。
<いつ?>権利確定日に株式を保有している必要アリ
<どのくらい?>株主優待を受けるのに必要な株数(通常100株)を保有している必要アリ
1つ目は、いつまでに買わなければいけないかについての条件です。
権利確定日とは、この日に株式を保有していると株主優待や配当を受けることができるという日。さらに、権利確定日に株式を保有するためには、権利確定日の3営業日前(権利付き最終日と言う)の取引終了時までに株を買っておく必要があります。
この権利付き最終日近くになると、優待狙いの買い注文が多くなって株価が値上がりすることもあります。そのため、人気のある株主優待銘柄は早めに購入しておいた方がよいでしょう。
なお、権利確定日は証券会社Webサイトの各銘柄詳細ページや、株主優待の紹介記事などで確認できます。
2つ目は、何株くらい保有すればよいのか?についての条件です。
株主優待は、株式購入時の最低売買単位でもある100株保有していればもらえる企業がほとんどです。ただし、中には300株以上など必要株数が多い企業もありますので注意しましょう。
また、保有する株数や期間に応じて株主優待の内容がグレードアップする場合があります。興味のある株主優待銘柄がどのような制度になっているのか、あらかじめ調べておきましょう。
人気の株主優待銘柄は多くありますが、比較的購入しやすい低価格の銘柄に絞ってご紹介します。
次の銘柄は、すべて30万円以内で買うことができます。(2019年1月現在)
社名 (コード) |
優待内容 | 権利確定月 |
---|---|---|
イオン |
半年間で100万円までの買い物に対し、3%以上の返金率(株数によって変動)でキャッシュバック |
2月・8月 |
ビックカメラ |
お買物券(1,000円相当~)が年2回もらえる |
2月・8月 |
吉野家 |
吉野家で使えるサービス券(3,000円~)が年2回もらえる |
2月・8月 |
すかいらーく |
「ガスト」や「バーミヤン」などで利用できる株主優待カード(3,000円~)が年2回もらえる |
6月・12月 |
サンリオ |
ピューロランド・ハーモニーランド共通優待券(3枚)が年2回もらえる |
3月・9月 |
楽天証券には、カリスマ優待主婦まる子さんによる「今月のお宝優待株」というコンテンツがあります。生活者目線で月ごとのおすすめ株主優待銘柄が紹介されていますので、初心者の方でも気軽に読むことができますよ。
どんな株主優待があるのか、いろいろと探してみたい場合には、証券会社のツールがおすすめです。
いずれも会員登録やログインは不要で、すぐに利用できます。
権利確定月ごとの人気銘柄を、優待内容で検索できるサービス。優待獲得に必要な最低金額と権利付き最終日も一目で確認することができる。 |
|
のスマホアプリ。こちらも権利確定月と優待の種類を検索することができます。ランキング機能も充実している。 |
|
大和証券のスマホアプリ。簡単なアンケートに答えると、人工知能(AI)によるおすすめ株主優待を教えてくれる。 |
おトクな株主優待ですが、いくつか注意点があります。確認しておきましょう。
株主優待が今後も同じ条件で続いていくとは限らない
株主優待内容は株数に比例しているわけではない
株主優待は、会社の利益から分配されるものなので、企業業績が悪化すると株主優待の内容が変わってしまったり廃止される場合もあります。また、業績悪化により株価も値下がりし売却も難しくなってしまうかもしれません。株主優待狙いであっても、企業の業績や将来性をチェックすることは大切です。
保有株数に応じて優待内容が変わる企業もありますが、100株でも200株でも受けられる株主優待は同じ場合が多いようです。保有株数も意識すると効率が良いでしょう。
株式投資を始めたいけど、銘柄をどうやって選べばよいかわからないという人は、株主優待を探しながら自分が投資したい企業を探すのもひとつの手です。また、値下がりが怖くて株式投資がを始められない人も、株主優待や配当金なども含めて投資を考えてみるのも良いでしょう。
国内株式なら、SBI証券、楽天証券の売買手数料が低めで、取引ツールも充実しています。口座開設はオンラインで完結できますよ。
2019年1月8日現在の各サイトの情報をもとにまとめています。最新の情報は各サイトでご確認ください。