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07ロボアド・投資信託・ETFを比較 初心者が運用するならどれ?

UPDATE 2023.1.18

はじめに
簡単な質問に答えるだけで商品の選定や運用を自動で行なってくれる「ロボアドバイザー(ロボアド)」は、投資初心者には頼りになるサービスです。しかし、多少なりとも利用料がかかる点やiDeCo、つみたてNISAの利用を考えれば、自分で投資信託などの商品を運用することも大きな選択肢です。
ロボアドバイザーと、自分で投資信託やETF(上場投資信託)を運用する場合の違いがどこにあるのか、比較してみました。

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ロボアド・投信・ETFを比較

ロボアドバイザーは、投資信託やETFを運用していますので、ここでは「ロボアドバイザー」と「投資信託(インデックスファンド)」「国内ETF」を比較して、違いを見ていきます。

ランニングコスト(利用料・運用コスト)でロボアドは不利

まず、コスト面の違いを見てみましょう。
ロボアドバイザーのランニングコストは利用料と運用コスト(信託報酬)の2つ。一方、自分で投資信託や国内ETFを運用する場合、利用料はかからないので運用コスト(信託報酬)のみです。

利用料は、いわゆるサービス利用料で、ロボアドバイザーに商品選定や購入、運用をおまかせするための費用です。この分がロボアドのランニングコストを押し上げています。
なお、運用コスト(信託報酬)とは、ETFや投資信託の運用にかかる実費ですが、ロボアドバイザーでは低コストの商品が選ばれており、こちらは評価できます。

ロボアド・投資信託・ETFのコスト比較

この表は横にスクロールできます

  ウェルスナビ、テオなどのロボアドバイザー(投資一任型) 投資信託(インデックスファンド) 国内ETF
利用料

年1%程度

※ロボアドバイザーによって異なる

なし

なし

運用コスト(信託報酬)

※商品を保有している間に引かれる手数料

年0.1~0.3%程度

※ロボアドバイザーによって異なる

年0.1~1%程度

年0.05~1%程度

購入時の費用
※投資信託やETFの商品を買うときにかかる費用

無料

<購入時手数料>
無料の場合が多い(ノーロードと呼ばれる)
かかる場合、購入金額の1~3%程度

※商品・販売会社によって異なる

<売買手数料>
SBI証券(スタンダードプラン)の場合、10万円までのETFを買う場合で99円(税込)

※証券会社によって異なる

売却解約時の費用

無料の場合もある

※ロボアドバイザーによって異なる

<信託財産留保額>
無料の場合が多い
かかる場合、売却額の0.1~0.3%程度

※商品によって異なる

<売買手数料>
購入時と同様

※証券会社によって異なる

ロボアドバイザーのランニングコストは、各サービスにより異なりますが、利用料は預けている資産の年1%程度、運用コスト(信託報酬)は年0.2%程度です。
単純計算で100万円預けた場合、年間1万2,000円程度のコストが毎年かかることになります。

一方、自分で投資信託やETF(上場投資信託)を運用する場合のランニングコストは運用コストのみであり、年0.1~0.2%程度で収まる低コスト商品も多くあります。
仮に年0.2%の運用コストとすると、100万円運用する場合で年間2,000円に抑えられます。

長期運用を想定して、20年運用した場合のランニングコストを比較すると、
ロボアドバイザー:1万2,000円×20年=24万円
自分で投資信託を運用:2,000円×20年=4万円
となり、100万円の投資で20万円もの違いが出ます。(※値動きがなかった場合の試算。値上がりした場合、コスト差は大きくなります。)

投資で得られる利益はコストを差し引いた金額です。ですから、コストが高いということはその分利益が減るということを意味します。
ロボアドバイザーは運用を自動で行なってくれるためその分のコストがかかる、ということを納得した上で利用するとよいでしょう。

自分で運用するってどういうこと?

ロボアドバイザーは、商品選びだけでなく運用までしてくれます。その点に魅力を感じている方もいるでしょう。
運用と聞くととても難しそうなイメージがあるかもしれませんが、「リバランス」などのことを指します。

リバランスとは、最初に決めた商品の配分(割合)が時間の経過により崩れた際、元のバランスに戻すことです。これは年1回程度でよいと言われており、バランスが変わっていない場合は行う必要がありません。

リバランスをはじめとしたサービスに関する内容の比較表も用意しましたので、参考にしてみてください。

ロボアド・投資信託・ETFのサービス比較

この表は横にスクロールできます

ウェルスナビ、テオなどのロボアドバイザー(投資一任型) 投資信託(インデックスファンド) 国内ETF
購入価格

初回10万円~/追加購入1万円~

※ロボアドバイザーによって異なる

100円~

※証券会社によって異なる

数千円~

※2万円程度から買える銘柄が多い

購入方法

1万円など金額単位

※ロボアドバイザーによって異なる

1,000円、1万円など金額単位

1株、10株など株数単位

積立

毎月1万円~

※ロボアドバイザーによって異なる

毎月100円~

※証券会社によって異なる

x

特定口座の利用

○
利用できる

○
利用できる

○
利用できる

つみたてNISAの利用

x
利用できない

○
利用できる

x
NISAの利用はできる

iDeCoの利用

x
利用できない

○
利用できる

x
利用できない

商品選び

自動
(いくつかの質問に答えるだけ)

自分で判断

自分で判断

リバランス(配分調整)

自動

自分で判断

自分で判断

分配金・配当

分配金

  • 分配金
  • 元本払戻金(特別分配金)

分配金

分配金の再投資

○
必ず再投資される

○
再投資か受取か選択できる

x
手動でやらねばならない

投資信託とETFはどちらがよい?

ここからは、自分自身で運用する場合、投資信託と国内ETFのどちらがよいかを比較していきます。

投資信託の中にもいくつか種類があるのですが、ここでは低コストで長期投資に向いているインデックス型の投資信託(インデックスファンド)に絞ります。
インデックス型の投資信託とは、日経225やS&P500などの代表的な指数と同じような値動きを目指す商品です。そして、国内ETFも中身はインデックス型の投資信託と同様の商品が多いのですが、株式のように証券所に上場しているという点が投資信託との違いです。

投資信託・ETFのコスト比較

この表は横にスクロールできます

  投資信託(インデックスファンド) 国内ETF
利用料

なし

なし

運用コスト(信託報酬)
※商品を保有している間に引かれる手数料

年0.1~1%程度

年0.05~1%程度

購入時の費用
※投資信託やETFの商品を買うときにかかる費用

<購入時手数料>
無料の場合が多い(ノーロードと呼ばれる)
かかる場合、購入金額の1~3%程度

※商品・販売会社によって異なる

<売買手数料>
SBI証券(スタンダードプラン)の場合、10万円までのETFを買う場合で99円(税込)

※証券会社によって異なる

売却解約時の費用

<信託財産留保額>
無料の場合が多い
かかる場合、売却額の0.1~0.3%程度

※商品によって異なる

<売買手数料>
購入時と同様

※証券会社によって異なる

購入時手数料

まず、インデックスファンドと国内ETFの購入時手数料を比べてみましょう。

投資信託も国内ETFも、購入時に手数料がかかります。
しかし、インデックスファンドは購入時手数料無料の商品(ノーロードと呼ばれる)が多いので、少額ずつ積立購入しても手数料が気になりません。

一方、国内ETFは、どの商品でも株式と同様に証券会社所定の売買手数料がかかります。例えばSBI証券では、取引額5万円までなら55円、10万円までなら99円といった具合です(いずれも税込)。
裏技として、SBI証券、楽天証券等で1日定額制の手数料コースを選ぶと、国内株式と合わせて1日100万円までの取引が売買手数料0円となりますので、少額しか利用しない場合、この手を使えば国内ETFも無料で売買できます。

なお、投資信託では信託財産留保額という解約手数料のようなものがかかる場合がありますが、インデックスファンドの場合はこれが無料の場合が多くなっています。

運用コスト(信託報酬)

運用コスト(信託報酬)は、インデックスファンドでも国内ETFでもかかるコストです。保有中ずっと、毎日資産から差し引かれます。
一般的にインデックスファンドより国内ETFの方が運用コストは低めです。ただし、インデックスファンドでも低コスト化が進んでおり、国内ETFに引けをとらないような水準の商品も出てきています。

インデックスファンドと国内ETFで、同じTOPIXに連動する商品の運用コストを比較してみます。

投資信託・ETFの商品比較

投資信託(インデックスファンド) 国内ETF
商品名

三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)

MAXIS トピックス

運用コスト(信託報酬)

0.154%

0.09%

100万円を運用した場合の運用コスト ※

1年:1,540円
10年:1万5,400円

1年:900円
10年:9,000円

※値動きがなかった場合の試算。値上がりした場合、コスト差は大きくなります。

100万円を運用した場合の年間のコスト差は640円、10年で6,400円です。大きな差ではありませんが、現状は国内ETFの方がより低コストで運用できるようです。
ただ、インデックスファンドにはコスト面以外のメリットがあり、そこが見逃せないポイントなります。

投資信託なら積立や分配金再投資が自動でできる

長期投資では、積立投資を利用するケースも多いでしょう。積立サービスは、一度設定するだけで定期的に定額で同じ商品を積立購入してくれる便利なサービスです。
また、分配金再投資とは、投資信託やETFから出る分配金(投資家に還元されるお金)を受け取らずに投資に回すことです。分配金を再投資することで、その分元本が大きくなり利益を増やすことができるため、長期投資では推奨されています。

投資信託(インデックスファンド)の場合、積立も分配金再投資もどちらも自動で行うことができ、ここが大きなメリットになります。国内ETFの場合、どちらも自動ではできずその都度自分で購入手続きを行わなければならないため手間がかかってしまいます。

また、ネット証券で提供されている投信積立のクレジットカード決済によるポイント還元も見逃せません。
対象のクレジットカードやポイント還元率は証券会社により異なりますが、投資額の0.5%~1%程度のポイント還元を受けられるケースが多くなっており、とてもおトクです。

投資信託ならiDeCo(イデコ)やつみたてNISA(ニーサ)が活用できる

決め手になるのが、投資信託(インデックスファンド)は、「iDeCo」や「つみたてNISA」といったおトクな税制優遇制度が活用できるという点です。
国内ETFでも「NISA」は利用できますが、長期運用なら「つみたてNISA」の方がメリットが大きいでしょう。
なお、ロボアドバイザーで「iDeCo」や「NISA」を利用できるのはごく一部のサービスのみです。

結論としては、自分で長期運用する場合は、国内ETFよりも投資信託(インデックスファンド)に軍配が上がります。
国内ETFの方が低コストであるもののその差はわずかであり、積立や分配金再投資といったサービス面、iDeCoやNISAといった制度面ではインデックスファンドの方が大きく有利であるからです。

まとめ

投資初心者の方には、投資の入り口としてロボアドバイザーを選択肢にするのもよいでしょう。ただし、利用料が高いというデメリットも理解することが大切です。
そして、ある程度の知識がある方、自分で投資の勉強をしてみたい方であれば、iDeCoやつみたてNISAを利用して自分で投資信託を運用する方がコスト・制度的なメリットが大きくなります。
まずはロボアドバイザーから始めてみて、商品の選び方や仕組みがわかってきたら投資信託に切り替えるなど、複数の方法を柔軟に取り入れていきましょう。

投資一任型のロボアドはWealthNaviかTHEO

ロボアドバイザーなら、WealthNavi(ウェルスナビ)とTHEO(テオ)が大きなシェアを占めており、機能面ですぐれています。WealthNavi(ウェルスナビ)ならNISAも利用できますよ。

iDeCo・つみたてNISAについてはこちらの情報も参考にしてください

2023年1月18日現在の各サイトの情報をもとにまとめています。最新の情報は各サイトでご確認ください。

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