NISA(ニーサ)を知る

NISAのつみたて投資枠と成長投資枠 どう活用する?

  • 執筆

    Fin/d編集部

更新日:2024.06.21

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はじめに

NISA(ニーサ)にはつみたて投資枠と成長投資枠という2つの枠があります。この2つの枠は併用できますが、対象商品などに違いがあり、どのように活用したらよいか迷っている方も多いでしょう。
両者の違いを解説し、成長投資枠の活用例をご紹介します。

つみたて投資枠と成長投資枠の違いは?

NISAとは、投資で得た利益に対する税金が非課税になる国の制度です。NISAを活用するうえでつみたて投資枠、成長投資枠の理解は重要です。
「対象商品・買付方法」「投資上限額」の2点から、まずは両者の違いを見ていきましょう。

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つみたて投資枠成長投資枠
対象商品長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託上場株式・投資信託等
(一部除外あり)
買付方法積立のみスポット・積立
年間投資枠120万円240万円
非課税保有限度額1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円)

対象商品・買付方法

NISAでは投資信託や株式等へ投資できますが、つみたて投資枠と成長投資枠ではそれぞれで投資できる商品が異なります。

つみたて投資枠では「長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託」が対象で、買付方法は積立購入に限定されています。対象の投資信託は金融庁が定めた基準をクリアした銘柄に限られており、対象銘柄数は300本未満です。

一方、成長投資枠は「上場株式・投資信託等」が対象であり、投資信託だけでなく、国内株式、米国株式など幅広い商品へ投資できる点が特徴です。また、成長投資枠の投資信託はつみたて投資枠よりも対象銘柄数が大幅に多く、2,000本以上あります。
買付方法はスポット購入・積立購入のいずれも可能です。

投資上限額

NISAには投資上限額(投資枠)があり、年間と生涯の2軸で設定されています。

NISAの年間の投資上限額は、つみたて投資枠で120万円、成長投資枠で240万円、合計で360万円です。つみたて投資枠を年間上限額まで利用する場合、毎月の積立額は10万円となります。

また、NISAの生涯投資上限額(非課税保有限度額/総枠)は1,800万円で、このうち成長投資枠は1,200万円までとなっています。これは2023年までの一般NISA・つみたてNISAとは別枠です。

年間投資上限額は成長投資枠の方が多いですが、1,800万円の総枠のうち600万円はつみたて投資枠にしか利用できません。制度上、成長投資枠よりもつみたて投資枠の優先度が高くなっています。

つみたて投資枠・成長投資枠 例えばこんな活用法

つみたて投資枠は投資信託の積立投資に限定されている一方、成長投資枠は商品や買付方法の自由度が高い設計となっています。

投資目的が老後資金づくりであれば、つみたて投資枠を中心に活用して将来資産のベースを作るのがよいでしょう。さらに、成長投資枠を活用することでより投資先を分散できたり株式の配当金を受け取れるといったメリットもあります。
ご自身の投資目的や投資スタンス、リスク許容度(どの程度の値動きに耐えられるか)などから考えてみましょう。

まずはつみたて投資枠を活用

投資初心者の方など投資経験が浅い場合は、つみたて投資枠での投信積立から始めるのがNISAの定石です。つみたて投資枠は対象商品や買付方法が限られるものの、商品はすべて金融庁のお墨付きであり、購入タイミングを判断する必要がないという意味でも投資初心者におすすめです。
少し慣れてきたら、つみたて投資枠の積立額を増額したり、このあとご紹介するような成長投資枠の活用を検討してみるとよいでしょう。

もちろん、つみたて投資枠と成長投資枠は必ず併用しなければならないわけではありません。つみたて投資枠だけを活用するという考え方もあります。

成長投資枠ならではの銘柄で投信積立

成長投資枠でも投資信託の積立投資は可能です。また、成長投資枠ではつみたて投資枠よりも幅広い投資信託が対象であるため、つみたて投資枠とは違った種類の投資信託も選択肢になります。

つみたて投資枠の対象商品は、株式に投資する株式型と、株式や債券など複数の資産に投資するバランス型の投資信託です。例えば、債券やリート(不動産)、コモディティ(金などの商品)だけに投資する投資信託はつみたて投資枠の対象外となっています。

つみたて投資枠で人気の投資信託は、全世界株式や米国株式など株式型の投資信託が多く、意図せずにポートフォリオが株式に偏っている方が多いようです。成長投資枠を活かせば、債券や金などへ投資する投資信託を購入し、投資先をより分散させることができます。

なお、投資信託を選ぶ際には、運用成績や管理費用の他、純資産残高もチェックしましょう。純資産残高が10億円未満などと少ない投資信託の場合、繰上償還(あらかじめ決められていた期限の前に運用が終了)される可能性が高まります。ある程度規模の大きな投資信託を選ぶのがよいでしょう。

成長投資枠で高配当株に投資

株式と聞くと短期で取引するイメージが強いかもしれませんが、配当金目的で高配当株を中長期で保有するという投資方法も人気があります。
NISAでは値上がり益だけでなく受け取る配当金も非課税になりますので、高配当株投資は好相性です。

高配当株とは、配当利回り(1株当たりの配当金÷株価×100)が高い株式のことを指します。例えば、配当利回りが4%の銘柄に100万円投資すると年間で4万円の配当金が受け取れます。長期保有すれば、将来、年金の不足分を補う収入源にもなります。

高配当株は⼈気が⾼く、⻑期保有する株主も多いことから株価が安定する傾向があると⾔われています。ただし、配当利回りの⾼さだけで選ぶのではなく、業績チェックやその業種の将来性、流動性といった基本的なポイントも踏まえて選ぶことが大切です。

また、NISAでも1株(単元未満株)から国内株式を購入できる証券会社もあります。少額から購入できますので、まとまった金額の一括投資に抵抗がある方は単元未満株での取引がおすすめです。配当金は1株から受け取れます。

まとめ

NISAは恒久化され生涯にわたって利用できます。あせらず長期的な視点を持って、つみたて投資枠と成長投資枠を柔軟に活用していきましょう。

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2024年6月21日時点の情報をもとに記事を作成しています。

Fin/d編集部執筆

20年にわたりネット証券・銀行など金融サービスの改善業務、コンテンツ企画制作を担当してきたメンバー、各種金融事業者での実務経験者、各種資格保有者で構成しています。豊かな人生を送るための基本とも言える金融商品・サービスについて中立的な視点で分かりやすく提供しています。

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