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08住宅ローン控除(住宅ローン減税)とは?必要な手続きや注意点は?

UPDATE 2019.12.3

はじめに
住宅ローンを考えている方なら「住宅ローン控除」や「住宅ローン減税」という制度の存在はご存知でしょう。
この住宅ローン控除(住宅ローン減税)は、住宅ローンを借りて家を買うと、住宅ローンの残高に応じて支払った所得税や住民税が戻ってくる制度ですが、具体的な内容まではわからない方も多いと思います。
基本的なポイントや条件、住宅ローン控除(住宅ローン減税)を受けるための手続きなどについて、Fin/dの監修もしていただいている、FPのYOICHIさんに聞いてみました。

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YOICHI / ファイナンシャルプランナー

外資系保険会社を経て、2009年からファイナンシャルプランナーとして活動する。
ファイナンシャルプランニングの経験は12年超、1,000件以上の面談経験を持つ。 住宅購入、生命保険、相続や贈与の相談も得意とする。

住宅ローン控除(住宅ローン減税)とは?

「住宅ローン控除」とか「住宅ローン減税」ってよく聞きますが、具体的にはどんな内容なのですか?

まず、大枠からお話しますと、住宅ローン控除(住宅ローン減税)は、「年末の住宅ローン残高の1%が、所得税から差し引かれて戻ってくる制度」です。期間は10年間です。(※)

※消費税増税の軽減措置として、2019年10月から2020年末までに契約・入居した場合、減税期間は3年間延長となります。

払った税金が戻ってくるんですか?

そうですね。会社員の方なら、毎月所得税が給与から引かれていますよね。その年に支払った所得税から、住宅ローン残高の1%にあたる金額が戻ってきます。
住宅ローン控除は、住宅ローンを借りて、一定の条件を満たす新築または中古住宅を購入・リフォームした場合に利用することができますが、この「一定の条件」については、のちほどご説明しますね。

わかりました。住宅ローン残高の1%と言うと…?

例えば、住宅ローンの年末残高が3,000万円の場合、その1%は30万円ですね。

そんなに戻ってくるんですか! でも、所得税ってそんなに払っているんでしょうか?

このケースでは、所得税が30万円未満だと所得税から引ききれませんよね。その場合は、翌年の住民税からも差し引かれます。住民税の控除には上限があって、住民税から戻ってくるのは13万6,500円までとなります。

所得税だけじゃなく、住民税からも!それなら、控除分が余るということはあまりないかもしれませんね。
我が家では、夫婦でペアローンを検討しているのですが、ペアローンだとどうなりますか?

ご夫婦でのペアローンや連帯債務で住宅ローンを組む場合は、ご夫婦それぞれの税金が戻ってきます。この点は、ペアローンや連帯債務のメリットですね。

なるほど。夫婦とも控除を受けられる方がおトクな気がしますね。

消費税増税後の軽減措置について少し補足させてください。
住宅ローン控除(住宅ローン減税)を受けられるのは、通常は10年間です。途中で住宅ローンの借り換えをしても、当初からの10年間となります。
それが、増税後の2019年10月から2020年末までに契約・入居した場合、減税期間は3年間延長されます。
拡充される3年分の控除額は、「住宅ローンの年末残高の1%」と「建物取得価格の2%÷3」のうち小さい方、と少しややこしいですが、ルールが変わるということだけ覚えておいてくださいね。

1年目に確定申告が必要

住宅ローン控除を受けるには、何か手続きが必要ですか?

はい、1年目だけ確定申告する必要があります。2年目以降は、会社員や公務員の方なら、年末調整時の手続きだけになりますよ。

えっ!確定申告しないといけないんですか…。大変そうですね。

そんなに身構えなくても大丈夫ですよ。
確定申告と聞くと、会社員や公務員の方は面倒な印象があるかもしれませんが、収入が給与だけであればそれほど手間はかかりません。申告書は、国税庁のWebサイト上で入力して印刷することもできますし、税務署へは郵送での提出もできますから。

税務署に行かなくても大丈夫なんですか?

はい。質問などがあるなら別ですが、そうでなければ郵送の方が時間はかかりませんよね。
郵送の場合、添付書類漏れがないように注意してください。住宅ローン控除で確定申告する場合、次のような添付書類が必要になります。

住宅ローン控除 確定申告時の添付書類一覧

添付書類
入手・依頼先
住民票の写し 市区町村
残高証明書 金融機関等(その年の11月頃に郵送される)
登記事項証明書 法務局(オンライン申請も可能)
請負(売買)契約書等
給与等の源泉徴収票等 職場
(中古住宅の場合)
以下のいずれか
・耐震基準適合証明書
・既存住宅性能評価書
・既存住宅売買瑕疵保険の付保証明書
売買契約時に受け取っていない場合、不動産会社等に問い合わせる

※土地の取得に関わる借入がある場合、土地の登記事項証明書や契約書が必要。

※長期優良住宅や低炭素住宅の優遇措置を申請する場合はその証明書が必要。

添付書類に「登記事項証明書」がありますが、これは法務局から取り寄せる必要があります。難しそうに感じるかもしれませんが、オンラインからの請求も可能です。法務局のWebサイトをチェックしてみてください。

はい。オンライン請求なら仕事を休まなくても大丈夫そうですね。

それと、1年目は確定申告が必要と言いましたが、会社員・公務員の方であれば、年末調整したうえで確定申告してください。その方が、確定申告時の入力(記載)項目が減りますので。

「登記事項証明書」のオンライン請求について詳しくは、法務局のWebサイトをご覧ください。なお、不動産登記(土地・建物)の「登記事項証明書の交付請求」へ進むと手続きに進めます。

住宅ローン控除(住宅ローン減税)を受けるための条件

最後に、あとでご説明すると言っていた住宅ローン控除の条件についてお話しますね。
住宅ローン控除(住宅ローン減税)を受けるには、収入や居住、利用する住宅ローン、購入住宅に関する条件があります。主な条件をいくつか挙げますね。

  • 引き渡しから6ヶ月以内に入居し、その年の12月31日時点で居住している
  • 登記簿上の床面積が50平方メートル以上(戸建ては壁芯、マンションは内法)
  • 床面積の2分の1以上が居住用であること
  • 住宅ローンの返済期間が10年以上
  • 中古住宅の場合、耐震性能がある(中古戸建ては築20年以下、中古マンションは築25年以下) など

条件はいろいろありますね。普通に自宅用として購入するなら、当てはまるかどうかわかりやすそうですね。

この中で、注意が必要なのは「床面積」ですね。
不動産のチラシやWebサイトに掲載されている床面積は「壁芯(へきしん/かべしん)」と言って、家の内壁の厚みの中心を基準にしたものです。それが、先ほどの条件では、マンションの場合は「内法(うちのり)」となっています。内法というのは、内壁の内側の線を基準にしたものなので、壁芯よりも面積が小さくなります。
ですので、壁芯で50平方メートル以上でも、内法だと50平方メートル未満、という物件もありうるわけです。
床面積が、50平方メートル程度のマンションを購入する場合は、注意してくださいね。

利用条件について詳しくは、国土交通省のすまい給付金サイトをご覧ください。

住宅ローン控除(住宅ローン減税)の手続きをお忘れなく

住宅ローン控除(住宅ローン減税)では、他の控除とは比べものにならないくらい多くの税金が戻ってきます。少しでも家計の負担を軽くするために、入居の翌年には確定申告を忘れずに行うようにしましょう。

住宅ローンのご相談はFin/d提携のFPへ

Fin/dでは、住宅ローンの商品にも詳しく、ファイナンシャルプランニング全般の実務経験豊富なFPと提携していますのでご紹介も可能です。こちらの問い合わせフォームよりお問い合わせください。

住宅ローンについてはこちらの情報も参考にしてください

2019年12月3日現在の各サイトの情報をもとにまとめています。最新の情報は各サイトでご確認ください。

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