FIND(ファインド)

07繰上返済とは?期間短縮型と返済額軽減型の違いは?

UPDATE 2019.11.25

はじめに
長期にわたって返済を行う住宅ローンですが、「繰上返済」を行えば、返済期間を短くしたり返済額を軽減することができます。
現在、住宅ローンを組んでいる人なら繰上返済を検討したことがある人も多いと思いますが、繰上返済の基本や、期間短縮型と返済額軽減型の違いについて、Fin/dの監修もしていただいている、FPのYOICHIさんに聞いてみました。

※当サイトではアフィリエイト広告を利用しています

YOICHI / ファイナンシャルプランナー

外資系保険会社を経て、2009年からファイナンシャルプランナーとして活動する。
ファイナンシャルプランニングの経験は12年超、1,000件以上の面談経験を持つ。 住宅購入、生命保険、相続や贈与の相談も得意とする。

住宅ローンで繰上返済するメリットは?

まずは、住宅ローンの繰上返済についておさらいしたいのですが。

わかりました。
住宅ローンの繰上返済とは、通常の返済とは別に前倒しで住宅ローンの一部や全額を返済することになります。住宅ローンは金額が大きく、返済には長期間かかることが一般的ですが、繰上返済することによってメリットがあります。

それ、わかります!返済額が減るんですよね。

そうです。繰上返済を行うメリットは、利息を軽減する効果があることです。
毎月の返済額には、元金だけではなく利息分も含まれていますが、繰上返済では、その全てが元金の返済に充てられるんですよ。

え~そうなんですね。それは、何となく効率が良い気がしますね。

そうなんです、まさに効率が良いんです。
繰上返済で元金を減らすことができれば、その分、支払う予定だった利息も減らせることになります。総返済額は「元金と利息の合計額」ですから、利息が減るということは、総返済額が減るということになるんです。

なるほど。繰上返済では元金を減らせるということがポイントなんですね。ということは、繰上返済の金額が大きい方が、利息が減らせるということですよね。

その通りです。繰上返済する金額の他、実施する時期や、金利、返済期間などによっても、どの程度利息が減らせるかは変わってきます。
実施時期については早い方が効果は大きいですし、金利は高いほど、返済期間は長いほど、利息が減りやすくなります。

いろいろと条件によって変わってくるのですね。

期間短縮型と返済額軽減型がある

次に繰上返済の期間短縮型と返済額軽減型について教えていただけますか?

まず、「期間短縮型」と「返済額軽減型」の特徴は以下のような感じです。

期間短縮型:毎月の返済額は変わらず返済期間が短くなる
返済額軽減型:返済期間は変わらずに毎月の返済額を引き下げる

「期間短縮型」と「返済額軽減型」とでは、どれくらい利息を減らせるか、利息軽減効果に違いがあります。同時期に同額の繰上返済を行った場合には、期間短縮型の方が利息軽減効果が大きくなります。

それなら「期間短縮型」を選んだ方がいいですよね?

それが必ずしもそうとは言えないんです。
毎月の返済額に無理がない場合には、「期間短縮型」を選択して完済時期を早めるのが良いですし、お子さまがいるご家庭で今後教育費などの支出に備えたい場合は、「返済額軽減型」にして月々の返済を減らすという判断もありえます。
転職や定年後の再雇用などで収入がダウンした場合も「返済額軽減型」が良いですね。

なるほど、状況に応じて選ぶということですね。

はい。どちらを選ぶかは、家計の状況や完済時期などを考慮して決めることが大切です。
それと、住宅ローンの種類によっては、返済額軽減型がない住宅ローンもあるので、事前に確認しておいてください。

繰上返済のここに注意

繰上返済について、知っておいた方がよいことはありますか?

そうですね、3点ほど注意点があります。
まずひとつ目ですが繰上返済には、「繰上返済手数料」がかかる場合があります。
手数料がかかるかどうかは、金融機関や商品、手続方法によっても違ってきます。一般的には、インターネットで手続きすれば無料である場合がほとんどですが、メガバンクや信託銀行の窓口で手続きする場合は、数千円~数万円程度の手数料がかかることもあります。事前に確認しておいてくださいね。

窓口で手続きすると、結構手数料がかかってしまうことがあるんですね。気をつけます。

二つ目ですが、繰上返済には下限額が設定されていますが、少ない金額では実施できないことがあるのでこちらも確認しましょう。
1万円など少額から繰上返済できる場合が多くなってはいますが、例えばフラット35の場合、インターネットでの繰上返済は10万円以上ですが、窓口では100万円以上と下限額が高めに設定されています。

手数料にしても、下限額にしても、窓口での手続きには注意が必要ということですね。

三つ目は住宅ローン控除と関連する話なのですが…住宅ローン控除についてはご存知ですか?住宅ローン減税とも言われますが。

はい。確か、税金がおトクになるんですよね?

そうですね。一定の条件を満たしていれば、ローンの支払い開始から10年間(※)、年末の住宅ローン残高の1%が所得税や住民税から差し引かれる制度です。わかりやすく言えば、払った税金が戻ってくるということです。
そして、この住宅ローン控除を利用する場合に、繰上返済しない方が良い場合があるんです。

※消費税増税の軽減措置として、2019年10月から2020年末までに契約・入居した場合、減税期間は3年間延長となります。

えっ、繰上返済よりも住宅ローン控除の方がおトクなんですか?

年収や借入金額、金利によって違ってきますが、金利が低い方なら、住宅ローン控除の方が効果的になる場合が多いと思います。どちらの方が効果的か、事前にシミュレーションした方が良いですね。

ありがとうございました。いろいろ考えることがあって大変ですが、大きな差になるのでしっかり勉強して考えたいと思います。

繰上返済はライフプランに合わせて

住宅ローンの返済は、多くの方にとって長い道のりです。繰上返済をうまく利用して、退職する頃には完済を目指したいものですね。期間短縮型、返済額軽減型については、ライフプランに合わせて使い分けましょう。

住宅ローンのご相談はFin/d提携のFPへ

Fin/dでは、住宅ローンの商品にも詳しく、ファイナンシャルプランニング全般の実務経験豊富なFPと提携していますのでご紹介も可能です。こちらの問い合わせフォームよりお問い合わせください。

住宅ローンについてはこちらの情報も参考にしてください

2019年11月25日現在の各サイトの情報をもとにまとめています。最新の情報は各サイトでご確認ください。

Follow us