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- はじめに
株式市場とは、企業が返済不要な資本金を調達するために発行する株式を取引する市場です。株式市場は、個々の企業の状況変化によって日々価格が上下しています。今回の記事では、株式市場の価格変動の要因と、昨今のアメリカの動向の影響をまとめました。
株式市場の変動要因
株式市場の変動は、主に次のような要因で変動します。
- 要因1
個々の企業の実績・業績見通し
- 要因2
景気動向
- 要因3
金融政策・金利水準
- 要因4
為替動向
- 要因5
世界情勢
それぞれの変化が、どのように影響を及ぼしうるかをまとめました。
要因1個々の企業の実績・業績見通し
株式市場は、個別企業を集めたものなので、その市場に属する個々の企業の業績や見通しが株価に影響を与えます。業績が市場の期待値を上回ったり、将来力強い成長が期待できれば、株価は上昇しやすくなり、その反対であれば下落しやすくなります。
常に各社それぞれが個別企業の状況変化に応じて株価が動いていて、株式市場はそれらを集約したものです。ただし、株式市場の構成割合が大きかったり、その市場を代表する大手企業だったりすると、1社の状況変化が株式市場全体の値動きを左右する場合もあります。
要因2景気動向
景気動向の変化は、その地域の株式市場全体に影響を与えます。基本的には景気が上向けば価格が上昇、下向けば下落する傾向にあります。ただし、株価は将来の市場成長性を織り込んで上下しがちなのが特徴です。現時点での成長だけでなく、将来の経済成長見通し、景気の見通しなどが影響を与える場合もあります。
要因3金融政策・金利水準
金融政策や金利水準も、株式市場にしばしば影響を与えます。端的にいうと、金融緩和や金利の低下は多くの企業の株価にとってポジティブで、金融引き締めや金利上昇はネガティブです。
金利が低いということは、企業が資金調達をしやすい環境といえます。個人でいう住宅ローンが、金利が低い時の方が、多額の借り入れをしても返済が負担が重くなりにくいのと同様です。金利が低い方が企業は積極的に事業を展開して、成長を加速させやすくなります。その成長期待が、株価を引き上げる要因となるのです。
金融政策は、金利へ影響を与え、さらに株式市場の変動要因となります。金融緩和は市中に流通する資金の量を増やして、金利を引き下げる政策です。金融引き締めはその逆となります。そのため、金融緩和は株価上昇要因、引き締めは株価下落要因となる場合があるのです。
要因4為替動向
為替動向は、海外投資家の投資意欲と企業業績の双方に影響を与えます。ただし、自国通貨安(日本で言えば円安)と通貨高のどちらが株式市場に有利かは、その国の状況によって異なるので注意しましょう。
日本のように海外投資家がある程度多く、さらに輸出により海外で事業展開する企業が多い場合は、通貨安が株価上昇に作用します。
外国通貨建で考えたときに株価が割安に見えるため、海外投資家の投資需要を喚起しやすいからです。また、輸出依存度が高い企業は、自国通貨安になると海外で価格競争力が高まり、業績拡大が期待できます。
対して、輸入して自国内で生産する内需型の事業の割合が多い国では、自国通貨安は輸入物価の高騰を通じて、経済に打撃を与えます。そのため、自国通貨安が株安要因となる国も存在します。また、海外投資家が少なければ、為替変動は投資実需にはあまり影響を与えません。
要因5世界情勢
世界情勢の変化が株式市場に影響を与える局面もあります。内戦や紛争、国同士の対立などが、世界に悪影響を与えると判断されれば、株価は下落しがちです。
特に、先進国や中国・ロシアのような規模の大きな国が関わる情勢の変化は、世界中の株価に大きな影響を及ぼします。また、関税や経済制裁なども関係性の強い国の株式市場の変動要因となる場合があります。
基本的には、世界情勢が悪化すれば株価の下落要因です。ただし、もともと情勢が悪化していたなかで、緊張が緩和したり、情勢変化の影響が想定より限定的だったりしたときには、株価回復を牽引することもあります。
足元の米国の経済動向が株式市場に与える影響
2024年10月時点で過去3ヶ月程度のアメリカの代表的な株価指数の一つであるNYダウの株価の動きを見ると、7月後半から8月にかけて急落したのちは、緩やかに上昇傾向となっています。
7月5日のダウ平均の株価は39,375に対して10月4日が42,353なので、この間におよそ8%上昇しました。下落局面は7月17日に一時41,198を付けたのち、8月5日に38,703まで下落していて、下落幅は約6%です。

7月後半から8月にかけては、アメリカの景気減速懸念が高まっていた時期でした。月初に発表されるISM製造業景況感指数や、8月はじめに発表される7月雇用統計における失業率の緩やかな悪化などが下落要因となったと考えられます。
8月前半に下落が一段落すると、株価は緩やかに上昇しはじめます。そもそも、今回のアメリカの景気減速は比較的緩やかなもので、マイナス成長までは至らないという見方が強くなっています。
IMFの世界経済成長見通しでも、アメリカの2025年の経済成長予測は+1.9%とプラス成長を維持する見込みです。経済成長が連続してマイナスに陥る「リセッション」までは至らないみこみであるため、株の下落幅が小さくまた短期的なものに留まったと考えられます。
8月後半に入ると、アメリカの中央銀行にあたるFRBのパウエル議長が利下げに前向きな発言をします。さらに9月のFOMCでは、実際に0.5%の利下げに踏み切りました。
9月に発表されたFRBによる予測では、アメリカがリセッションは回避できること、そしてFRBがさらに利下げを行う可能性があることが示唆されました。これらが、8月以降の株価上昇の要因となったのです。
株式市場の変動要因をおさえておこう
株式市場は、今回紹介したようなさまざまな要因で変化します。足元はアメリカの経済変動や金融政策などがトピックとなりがちですが、その時々によって変動要因は変わります。
株式市場の値動きの見通しを立てるうえでは、株価に影響を与えうる情報を幅広くチェックして、株価に対する影響を予測することが大切です。今回の記事を参考にして、株式市場の見通しを持ち、資産運用に役立てていきましょう。
2024年10月5日時点の情報をもとに記事を作成しています。