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09つみたてNISA(積立NISA)とiDeCo(イデコ)を比較 どちらがよい?

UPDATE 2019.8.29

はじめに
つみたてNISA(積立NISA)もiDeCo(イデコ)も積立投資に対する税制優遇制度ですが、どちらがよりおトクな制度なのでしょうか。今回は主に3つのポイントで比較、解説します。ご自身にとって何がメリットで何がデメリットなのかを理解し、うまく使い分けましょう。

つみたてNISA(積立NISA)とiDeCo(イデコ)の違いは?

まず、つみたてNISA(積立NISA)とiDeCo(イデコ)の制度内容をおさらいしながら比較してみましょう。

つみたてNISAとiDeCoの制度比較

  つみたてNISA iDeCo(イデコ)
節税メリット
  • ・運用益が非課税
  • ・運用益が非課税
  • ・積立額が全額所得控除
  • ・受取時の控除
取引できる商品 国が定めた基準を満たした投資信託・一部のETF 各金融機関が選んだ投資信託、定期預金、年金保険
購入方法 積立購入(積立頻度は証券会社による) 積立購入(毎月~年1回)
1年間に投資できる上限額 40万円
  • 会社員:14.4~27.6万円
  • 公務員:14.4万円
  • 自営業者:81.6万円
  • 専業主婦(夫):27.6万円
最大投資額 800万円 加入時期・職業により異なる
積立期間 2037年まで 20歳〜60歳
運用可能期間 最長20年 最長50年(20歳〜70歳)
積立金額の変更 何回でも可能 年1回のみ可能

つみたてNISA(積立NISA)もiDeCo(イデコ)も、積立投資での運用益がすべて非課税になる税制優遇制度であることは共通しています。
加えて、iDeCo(イデコ)では、掛金の全額が所得控除の対象となり、所得税と住民税が軽減されます。ここが制度上最も大きな違いになります。

対象となる商品は、つみたてNISA(積立NISA)では、金融庁が定めた基準を満たした投資信託や一部のETFですが、iDeCo(イデコ)では、各金融機関が選んだ投資信託や定期預金などです。いずれも投資信託が中心ではありますが、つみたてNISA(積立NISA)の商品はすべて、金融庁のお墨付きとなっています。

その他、年間の投資上限額の設定については、つみたてNISA(積立NISA)では一律40万円、iDeCo(イデコ)では職業により異なりますが、企業年金制度のない会社員の場合で27.6万円です。
また、運用可能期間は、つみたてNISA(積立NISA)では最長20年という年数制限なのに対して、iDeCo(イデコ)では最長70歳までという年齢制限となっているなどの違いがあります。

比較すべき3つのポイント

つみたてNISA(積立NISA)とiDeCo(イデコ)は、共通しているところはあるものの、上記のように異なるところも多くあります。主に比較すべきポイントは次の3つになります。

ポイント1

所得控除があるか

ポイント2

出金の自由度が高いか

ポイント3

制度利用だけで手数料がかかるか

1所得控除があるか

所得控除とは、毎年の所得税を計算する際、一定のルールの下で所得額を減らせる仕組みです。
つみたてNISA(積立NISA)とiDeCo(イデコ)の制度上の大きな違いのひとつに、所得控除の対象かどうかという点があります。

  つみたてNISA iDeCo(イデコ)
所得控除の有無 × ◯
掛金が全額所得控除

iDeCo(イデコ)での積立額は全額が所得控除の対象になりますが、つみたてNISA(積立NISA)にはこの所得控除という仕組みがありません。
iDeCo(イデコ)で積立をすると、積立額の年間合計をその年の所得から差し引いて、所得税や住民税が計算されます。
例えば、所得金額300万円の方が年間24万円をiDeCo(イデコ)で積み立てたら、300万円-24万円=276万円を所得金額として税金が計算される、ということになります。

所得税は累進課税方式で税率が変わっていきますので、所得金額が高い人ほど税率が高くなります。所得金額が195万円以下なら5%、330万円以下なら10%、695万円以下なら20%…といった具合です。
例えば、所得税率10%、住民税率10%の方が、年間24万円分の所得控除を受けられたら、24万円×20%=4.8万円の節税効果が出ることになりますので、これだけでもかなり大きなメリットと言えます。

ご自身の源泉徴収票や確定申告書の控えをご覧いただき、どの程度の税率が適用されているのか計算してみるとよいでしょう。
また、iDeCo(イデコ)公式サイトでは、税制優遇の効果をシミュレーションすることもできますので、参考にしてみてください。

ただし、専業主婦(夫)のように所得がない方は、iDeCo(イデコ)の所得控除メリットがないため、iDeCo(イデコ)を選択するメリットが少なくなります。このあと解説しますが、iDeCo(イデコ)では、出金の自由度や手数料の面でデメリットがあるためです。

2出金の自由度が高いか

つみたてNISA(積立NISA)とiDeCo(イデコ)では、出金の自由度に大きな違いがあります。
この2つの制度では、つみたてNISA(積立NISA)の方が圧倒的に出金の自由度が高く、基本的にいつでも引き出しが可能です。

  つみたてNISA iDeCo(イデコ)
出金の自由度 ◯
いつでも現金化できる
×
60歳まで現金化できない

iDeCo(イデコ)の場合、引き出しは60歳以降と決められていて、それまでは一切出金ができません。積立の停止は可能ですが、停止したとしてもそれまでに積み立てた資金を引き出すことはできません。

iDeCo(イデコ)は、先にお話した所得控除の税制優遇がある代わりに、このように制度設計に厳しい部分もあり、あまり多くの金額をiDeCo(イデコ)で積み立ててしまうと、いざお金が必要になったときに引き出すことができないというリスクがあります。

そのため、iDeCo(イデコ)での積立は、あくまでも「老後資金」という認識で検討することが大切です。
ある程度流動性を確保したうえで積立投資をする場合は、つみたてNISA(積立NISA)を利用するとよいでしょう。

3制度利用だけで手数料がかかるか

手数料には、制度を利用するためにかかるコストと、投資信託の運用コスト(信託報酬)の2種類あります。
このうち、つみたてNISAでは後者の運用コスト(信託報酬)しかかかりませんが、iDeCo(イデコ)では両方かかります。
すなわち、iDeCo(イデコ)の場合は、加入・積立をするだけで手数料がかかってしまうため、この点がデメリットになります。

  つみたてNISA iDeCo(イデコ)
制度利用での手数料の有無 ◯
制度利用での手数料はかからない
×
iDeCo(イデコ)の制度利用だけで手数料がかかる

iDeCoの制度を利用するために必要な手数料として、加入時に払う「加入時・移換時手数料」があり、これは国民年金基金連合会の払うもので、どの金融機関を利用しても一律2,572円(税別)です。

加入時・移換時手数料 2,572円(税別)※各社共通

また、iDeCo(イデコ)を始めると毎月かかる費用があります。金融機関ごとに異なる「運営管理機関手数料」と、各社共通でかかる「国民年金基金連合会手数料」、「事務委託先金融機関手数料」です。
2つの各社共通費用を合わせると、税別で月間156円、年間1,872円。毎月積み立てると必ずかかりますので、例えばiDeCo(イデコ)を20年続ける場合、これだけで約4万円かかることになります(積み立てない月は月間60円のみです)。

種類 手数料(税込)
運営管理機関手数料 金融機関によって異なる
国民年金基金連合会手数料 96円/月(年1,152円)※各社共通
事務委託先金融機関手数料 60円/月(年720円)※各社共通

この他、選ぶ投資信託ごとの運用コスト(信託報酬)が発生する点は、つみたてNISA(積立NISA)、イデコ(iDeCo)に共通です。そのため、手数料に関してはつみたてNISA(積立NISA)のほうが有利といえます。
ただし、所得税や住民税を納めている方であれば、払う手数料よりも所得控除でのメリットの方が大きくなります。費用対効果を考えて選びましょう。

つみたてNISA(積立NISA)とiDeCo(イデコ)を併用しよう

つみたてNISA(積立NISA)もiDeCo(イデコ)も、それぞれメリット・デメリットがあります。そのため、それぞれの特徴を活かして併用していくのがよいでしょう。

iDeCo(イデコ)は個人型確定拠出年金ですから、あくまでも老後資金向けの制度です。60歳にならないと資金を引き出せないという点は、デメリットではあるものの、途中で取り崩すことなく確実に老後資金を作ることにつながります。老後資金を準備するのには良い制度ですので、余裕資金を使って活用しましょう。
iDeCo(イデコ)で、所得控除による節税メリットを受けられる方であれば、まずはiDeCo(イデコ)の利用から検討してみるのがよいでしょう。

ただし、iDeCo(イデコ)では、60歳にならないと資金を引き出せないため、資金の配分には注意したいところ。
20代〜30代の若いうちは、結婚や住宅購入、お子さんの教育費など、大きな出費に備える時期ですので、出金時期に制限のあるiDeCo(イデコ)はあまり向きません。貯蓄の大部分をiDeCo(イデコ)につぎ込んでしまうと、いざお金を使いたいときに使えないという事態になりかねないからです。

所得控除があるからといってiDeCo(イデコ)にお金を回しすぎず、つみたてNISA(積立NISA)や積立定期などの貯蓄も組み合わせて、ライフイベントの資金を準備することを心掛けましょう。
一方、所得控除のメリットが受けられない専業主婦(夫)のような方は、手数料負担が大きいiDeCo(イデコ)より、つみたてNISA(積立NISA)の方が負担の少ない積立運用を行えます。

つみたてNISA(積立NISA)とiDeCo(イデコ)は、どちらか一方を選ばなければならないというものではありません。 例えば月3万円を積立投資するとした場合、1万5千円ずつをそれぞれの積立に充てて併用する方法もあります。
どのように利用するにしても、それぞれの制度の特徴に照らし合わせて、自分自身のお金の目的を色分けして考えることから始めてみましょう。

まとめ

積立運用は、時間分散という観点から考えても、とても効果的な運用手法です。
資産運用をすることで、税制優遇が受けられる数少ない制度であるiDeCo(イデコ)やつみたてNISA(積立NISA)を積極的に活用して、将来に向けての資産形成に役立てましょう。

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iDeCo(イデコ)におすすめの金融機関は?

iDeCo(イデコ)の場合も、運営管理機関手数料が無料で取扱商品数が多いSBI証券・楽天証券がおすすめです。

つみたてNISA(積立NISA)・iDeCo(イデコ)についてはこちらの情報も参考にしてください

2019年8月29日現在の各サイトの情報をもとにまとめています。最新の情報は各サイトでご確認ください。