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不動産投資クラウドファンディングの代表的なサービス5選

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はじめに

不動産投資クラウドファンディングは、現在多数のサービスが展開されています。不動産投資クラウドファンディングは、サービスによって取り扱うファンドが異なるため、投資するには各サービスごとに口座開設が必要です。そのため、どの不動産投資クラウドファンディングに投資すればよいか悩む方も多いでしょう。

そこで今回は、代表的な不動産投資クラウドファンディングについて5つ紹介します。口座開設するクラウドファンディング選びの参考にしてください。

CREAL(クリアル)

CREALは、東証グロース上場企業のクリアル株式会社が運営している不動産投資クラウドファンディングサービスです。上場会社は、上場基準を維持するために相対的に健全な経営が求められることから、サービスとしても信頼できます。

CREALの概要

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運営会社クリアル株式会社
ファンド本数(調達額)※1120件(630億円)
運用期間の目安 ※22ヶ月~36ヶ月
想定利回り目安 ※22.4%~6.0%
ファンドの主な投資先賃貸住宅、医療・介護施設、教育施設、物流施設
その他の特徴・元本割れ0件を継続(2024年10月末時点)
・キャピタルゲインを原則分配しない方針
・社会貢献を重視したファンドを定期的に募集
最低投資金額1万円
※1 2024年11月17日時点で募集完了済のファンドを集計
※2 募集開始日ベースで直近20件のファンドの利回りを記載

すでに120件以上のファンドを組成済で、償還したファンドも92本あります。償還ファンドは全て元本割れなしでの償還となっており、過去の実績ではCREALに投資して投資家に損失が発生した事例はありません。安定した実績も投資するうえでは安心材料となります。

CREALのファンドは1万円から投資可能です。基本的に先着順での募集となるため、人気ファンドは早々に締め切られてしまうので注意しましょう。ファンドごとに案内があるため、すべてのファンドで導入される保証はないものの、基本的には優先・劣後構造を設定して、投資家を守る方針とみられます。

過去のファンドを見てみると、CREALは賃貸住宅のほか、介護施設・教育施設や物流施設に投資するファンドも組成しています。介護施設・教育施設への投資は、ESG投資やSDGsを意図した投資との位置づけです。また、一部商業ビルへの投資もみられます。

過去の組成ファンドの例

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ファンド名投資先想定利回り運用期間
sarugaku(代官山商業施設商業施設5.0%2024/10/31 〜 2026/04/30
18ヶ月
(仮称)CREAL学芸大学賃貸住宅4.5%2024/09/30 〜 2026/09/29
24ヶ月
(仮称)CREALロジスティクス稲毛物流施設5.0%2024/09/13 〜 2026/09/12
24ヶ月
ロータス平和島East/West賃貸住宅2.4%2024/08/20 〜 2024/10/31
2ヶ月
エクラシア青梅新町高齢者介護施設4.5%2024/07/01 〜 2027/06/30
36ヶ月
※2024年11月17日時点で運用中もしくは償還済のファンドから抽出。なお、投資先の偏りを抑える意図から、必ずしも最新のファンドから抽出しているわけではない。

CREALのファンドは、想定利回りにすでにキャピタルゲイン相当の利回りが組み込まれています。もし売却益が想定を上回ったとしても、原則として追加の配当はしない方針です。保守的な運営のため実績利回りの上昇を追求しない代わりに、ファンド運営の安定性を重視しています。

COZUCHI(コヅチ)

COZUCHIは、LAETOLIが運営する不動産投資クラウドファンディングサービスです。COZUCHIの公式Webサイトによると、2024年4月末時点での累計投資額が不動産投資クラウドファンディングのなかで最大となっています。

COZUCHIの概要

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運営会社LAETOLI株式会社
ファンド本数(調達額)※1108本(822億円)
運用期間の目安 ※26ヶ月28日~3年10ヶ月16日
想定利回り目安4%~10%
ファンドの主な投資先賃貸住宅、商業ビル、開発用地、ホテル、観光地
その他の特徴・途中換金が可能な制度を持つ
・キャピタルゲインは追加で還元する方針
・投資先が多岐にわたり、開発用地への投資ファンドも
最低投資金額1万円~
※1  2024年10月末時点
※2 募集開始日ベースで直近20件のファンドの利回りを記載

COZUCHIは、100本以上のファンド組成実績があり、2024年10月末時点で79本のファンドを償還済みです。同月時点ですべての償還済ファンドが元本割れなしで償還しており、うち35本は想定利回りを上回る結果となりました。

COZUCHIでは、ファンドを「インカムゲイン型」「キャピタルゲイン型」に分けて募集しています。キャピタルゲインが想定を上回る場合には、一定のルールや事業者の判断のもと追加の分配を行うのが特徴です。想定以上のキャピタルゲインを獲得できる可能性があります。

多くの不動産投資クラウドファンディングは途中換金ができない、しにくいのが特徴ですが、COZUCHIでは「買取」「売却」の制度があります。こちらは別の投資家もしくはLAETOLIがファンドを買い取ることで、換金可能です。所定の手数料がかかりますが、短期ファンドはいつでも、中長期ファンドは半年に一度のスケジュールで申し込み可能です。

COZUCHIは、数か月~3年程度の短期ファンドのほか、5年~10年の中長期ファンドの両方を販売しています。不動産投資クラウドファンディングで中長期の運用期間を持つファンドは珍しいといえるでしょう。以下の例の通り、賃貸住宅や商業ビルのほか、開発用地や観光施設など投資先が多岐にわたるのも特徴です。

過去の組成ファンドの例

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ファンド名投資先想定利回り運用期間
下北沢開発プロジェクト フェーズ1商業施設4.5%2024/10/31 ~ 2025/12/30
1年2ヶ月
品川駅前 再開発エリア
追加取得区分レジファンド
賃貸住宅8.0%2024/11/15 ~ 2028/9/30
3年10ヶ月16日
北青山 開発プロジェクト フェーズ2開発用地9.0%2024/2/24 ~ 2025/4/23
1年2ヶ月
京都”ANAクラウンプラザホテル” バリューアッププロジェクト フェーズ2ホテル9.0%2023/12/31 ~ 2024/12/30
1年
三軒茶屋ターミナルビル区分商業施設4.1%2023/8/1 ~ 2033/7/31
1年
※2024年11月17日時点で運用中もしくは償還済のファンドから抽出。なお、投資先の偏りを抑える意図から、必ずしも最新のファンドから抽出しているわけではない。

まだ建物が立っていない開発用地、これから建物の大規模な建て替えなどが想定される再開発物件への投資が散見されるのはCOZUCHIの大きな特徴です。開発プロジェクトのフェーズにもよりますが、建物が賃料を生んでいなければ、こうしたファンドは、基本的に売買による価格差益が分配金の原資となります。

利回り不動産

利回り不動産は、ワイズホールディングスが運営している不動産投資クラウドファンディングサービスです。同社が公表している最新情報である2024年4月末時点では、全ての償還済みファンドにおいて元本毀損なく償還を実現しています。

利回り不動産の概要

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運営会社ワイズホールディングス
ファンド本数(調達額)※154件(38億円)
運用期間の目安 ※26ヶ月 ~ 22ヶ月
想定利回り目安 ※25.0%~10.0%
ファンドの主な投資先賃貸住宅、商業施設、宿泊施設、リゾート地
その他の特徴・地方物件への投資が多い
・マスターリース契約を活用したリスク低減
・ワイズコインという独自サービスがある
最低投資金額1万円~
※1 2024年4月末時点
※2 募集開始日ベースで直近20件のファンドの利回りを記載

利回り不動産は、足元は数億円規模の大型のファンド調達が続いています。2024年9月~10月に募集された直近3案件(利回り不動産64号ファンド、利回り不動産63号ファンド、利回り不動産62号ファンド)の募集総額は14億円を超えていて、以前より大規模な資金調達を進めることに成功しています。

利回り不動産では、マスターリース契約を結んだ不動産へ投資する場合があります。これは投資先の物件を、不動産の運営会社に丸ごと借り上げてもらい、リース先での賃料収入の状況にかかわらず、原則として固定の賃料を受け取るスキームです。実質的には空室リスクは運営会社が負ってくれるため、ファンドの安定性が向上します。

投資する物件としては賃貸住宅や商業施設のほか、宿泊施設、リゾート施設などに投資するファンドが多く見られます。また、地方物件に投資するファンドが多いのも、利回り不動産の特徴です。

過去の組成ファンドの例

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ファンド名投資先想定利回り運用期間
利回り不動産64号ファンド(赤坂テナントビル)商業施設10%12ヶ月
利回り不動産62号ファンド(福井県レジデンスバルクPJ)賃貸住宅12.0%12ヶ月
利回り不動産60号ファンド(沖縄県読谷村VILLA PJ 2号棟)宿泊施設10.0%15ヶ月
利回り不動産58号ファンド(京都町屋再生プロジェクトVol.2)再開発での宿泊施設開発8.0%12ヶ月
利回り不動産56号ファンド(千歳市マンションバリューアップPJ)賃貸住宅7.0%12ヶ月
※2024年11月17日時点で運用中もしくは償還済のファンドから抽出。なお、投資先の偏りを抑える意図から、必ずしも最新のファンドから抽出しているわけではない。

利回り不動産では、ワイズコインという独自の制度を導入しています。ワイズコインは、キャンペーンへの参加やファンド投資を通じて獲得できるもので、実質的なポイント制度・キャッシュバックサービスのような役割を果たします。

獲得したコインは他のファンドの投資に活用したり、Amazonギフト券に交換して使用したりできます。

T’s Funding(ティーズファンディング)

T’s Fundingは、沖縄に本社を構えるタマキホームが手がける不動産クラウドファンディングサービスです。1口10万円からの投資となりますが、過去の案件を見ると劣後比率が他社より高めに設定される傾向にあり、損失リスクの軽減の観点から安心感があるサービスとなっています。

T’s Fundingの概要

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運営会社タマキホーム
ファンド本数(調達額)※126本(総調達額は公開情報なし)
運用期間の目安 ※23ヶ月~6ヶ月
想定利回り目安 ※24.4%~10.0%
ファンドの主な投資先賃貸住宅
その他の特徴・優先・劣後構造の劣後比率が高い
・沖縄の物件に特化
・半年以下の短期運用ファンドが中心
最低投資金額10万円
※1 2024年11月17日時点
※2 募集開始日ベースで直近20件のファンドの利回りを記載

T’s Fundingは1号ファンドの募集が2022年半ばで、まだ運営期間2年強と比較的新しいサービスです。沖縄で不動産事業を営む運営会社の強みを活かして、沖縄の物件へ投資するファンドが中心となっています。

また、賃貸住宅に特化しているのも特徴です。運営会社は沖縄での分譲・賃貸マンションの開発や販売が主要事業となっていて、強みを活かしたファンド運営を行っているのが特徴です。T’s Fundingは各ファンドに優先・劣後構造を設定して投資家に損失が及ぶリスクを低減しています。これ自体は珍しいことではありませんが、劣後比率を高めに設定しているのが特徴です。

直近ファンドの劣後比率

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T’s Funding T-26号ファンド58.9%
T’s Funding T-25号ファンド50.11%
T’s Funding T-24号ファンド39.02%
T’s Funding T-23号ファンド33.43%
T’s Funding T-22号ファンド41.67%

劣後比率は、他社のファンドでは10~20%程度に設定されるケースが多いといえます。万が一投資先の不動産の経営状況が悪化しても、上記の劣後出資部分の元本が全損しない限りは、基本的に不動産投資クラウドファンディングの投資家には損失が及ばない仕組みです。T’s Fundingの劣後比率の高さは、投資するうえでの安心材料となります。

T’s Fundingの近年の募集ファンドの事例は次のとおりです。ほとんどが沖縄かつ賃貸住宅の運用に特化しています。

過去の組成ファンドの例

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ファンド名投資先想定利回り運用期間
T’s Funding T-26号ファンド(ウイングシャトー寄宮ブルーム)沖縄の賃貸住宅4.4%2024/11/01~2025/01/31
3ヶ月
T’s Funding T-25号ファンド(ウィングシャトー西町ウエストコースト)沖縄の賃貸住宅4.5%2024/10/01~2024/12/31
3ヶ月
T’s Funding T-22号ファンド(サンライズ薬園台)沖縄の賃貸住宅5.3%2024/07/01~2024/09/30
3ヶ月
T’s Funding T-21号ファンド(ウィングシャトー長田トレトゥッティ)沖縄の賃貸住宅4.7%2024/06/03~2024/11/30
6ヶ月
T’s Funding T-16号ファンド(ウエストサイド箱崎)福岡の賃貸住宅10.0%2024/01/01~2024/03/31
3ヶ月
※2024年11月17日時点で運用中もしくは償還済のファンドから抽出。なお、投資先の偏りを抑える意図から、必ずしも最新のファンドから抽出しているわけではない。また、運用期間は各ファンドの「計算期間」をもとに掲載。

TECROWD(テクラウド)

TECROWDは、TECRAが運営する不動産投資クラウドファンディングで、海外不動産に投資できるのが大きな特徴です。本来、海外不動産は為替リスクを伴う相対的にリスクの高い投資先ですが、TECROWDは、2024年11月1日時点で全ての償還ファンドが配当遅延・元本割れなく正常償還を迎えています(ただし、早期償還は事例あり)。

TECROWDの概要

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運営会社TECRA
ファンド本数(調達額)※170本(323億円)
運用期間の目安 ※28ヶ月 ~ 60ヶ月
想定利回り目安 ※27.0% ~ 11.5%
ファンドの主な投資先海外不動産、国内養護施設
その他の特徴・キャピタルゲインを追加で分配した事例あり
・アジアなどの新興国・開発途上国の投資案件も
・3年前後~の中長期ファンドの募集実績あり
最低投資金額10万円~
※1 2024年11月17日時点
※2 募集開始日ベースで直近20件のファンドの利回りを記載

TECROWDは、海外不動産へ投資することで、相対的に高い利回りを追求できるのが特徴です。直近のファンドを見ると、最低でも7%を超える想定利回りとなっていて、高いものでは10%を超えます。

海外不動産に投資をしていても、ファンドへの投資や分配金は日本円で実行可能です。ただし、ファンドで集めた資金は基本的に現地通貨に変換した上で海外不動産に投資されるため、為替リスクが存在します。運用期間中に円高が進めば、構造上は損失や利回りの低下を引き起こす可能性があるのです。

ただし、2024年11月時点では、全ての償還ファンドが元本毀損や配当遅延なく運用を終了しています。売却益が想定外に大きくなった場合や為替が追い風となってファンド収益が想定を上回ったときには、投資家に追加の分配金を支払う場合があります。

海外の不動産については、さまざまな国・不動産に投資する一方で、国内不動産の障がい者向けグループホームへ投資するファンドも継続的に組成されています。

過去の組成ファンドの例

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ファンド名投資先想定利回り運用期間
キャピタルゲイン型
TECROWD71号ファンド障がい者グループホーム「AMANEKU千葉矢作町」
日本
障がい者グループホーム
8.5%2024/11/21 ~ 2025/7/20
8ヶ月
TECROWD69号ファンド Arkansas Data Center米国
データセンター
10.5%2024/10/1 ~ 2025/10/31
13ヶ月
TECROWD66号ファンド COLOMBO INTERNATIONAL AIRPORT HOTELSスリランカ
宿泊施設
10.5%2024/9/1 〜 2027/5/31
33ヶ月
TECROWD65号ファンド障がい者向けグループホーム「AMANEKU千葉加曽利町」日本
障がい者グループホーム
8.5%2024/8/1 ~ 2025/4/30
13ヶ月
TECROWD59号ファンド Ambassador Residenceモンゴル
賃貸住宅
8.0%2024/4/1 ~ 2026/3/31
24ヶ月
※2024年11月17日時点で運用中もしくは償還済のファンドから抽出。なお、投資先の偏りを抑える意図から、必ずしも最新のファンドから抽出しているわけではない。

不動産投資クラウドファンディングの特性を掴んで自分に合ったサービスで投資しよう

不動産投資クラウドファンディングは、サービスによって投資先の特徴が異なります。利回りや運用期間を見るだけでは、意図しない不動産に資金を投じてしまう可能性があります。

クラウドファンディングサービス各社が取り扱うファンドの特性を掴んだうえで、自分に合った運用期間や投資先のファンドを取り扱うサービスを利用しましょう。数が多くて利用するサービスに悩む場合は、今回紹介した代表的なサービスも参考にしてください。

2024年11月17日時点の情報をもとに記事を作成しています。

Fin/d編集部執筆者

株式会社ヒカリナ

20年にわたりネット証券・銀行など金融サービスの改善業務、コンテンツ企画制作を担当してきたメンバー、各種金融事業者での実務経験者、各種資格保有者で構成しています。豊かな人生を送るための基本とも言える金融商品・サービスについて中立的な視点で分かりやすく提供しています。

伊藤 圭佑監修者

証券会社、外資系資産運用会社で約14年の勤務経験を持つ。また、個人投資家として15年以上の資産運用経験を持ち、投資信託、株、ETF、不動産、FX、クラウドファンディングなどへ投資。キャリアを通じた専門性と個人投資家の経験を生かし、金融や不動産投資、経済関連の情報提供を行なっている。証券アナリスト、FP3級保有。