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- はじめに
個人投資家が現物の不動産を購入して投資するときには、初期投資額の大きさがネックになります。ローンを活用するとしても数百万円~数千万円の自己資金を用意する場合が多く、元手が少ないと購入できる不動産が限られてしまいます。
少額の自己資金で不動産投資にチャレンジするなら、不動産投資クラウドファンディングを購入するのが一案です。不動産投資クラウドファンディングなら、1万円程度の少額から購入できます。今回は不動産投資クラウドファンディングの基本的な仕組みや特徴をまとめました。
不動産投資クラウドファンディングとは?
不動産投資クラウドファンディングは、文字通り「クラウドファンディング」のなかで不動産へ投資するファンドを指します。
「クラウドファンディング」とは「クラウド(群衆)」から「ファンディング(資金調達)」する仕組みのことです。基本的にはWeb上で資金を集めて特定の目的で資金を使用するファンドを指します。
クラウドファンディング自体は、不動産の他にも特定の事業に投資したり、事業や企業への融資をファンドにしたりと、さまざまなタイプのファンドがあります。中には寄付や商品と引き換えになるなど、投資を前提としないファンドもあります。
数あるクラウドファンディングのうち、集めた資金で不動産を取得して投資するファンドを「不動産投資クラウドファンディング」といいます。
不動産投資クラウドファンディングの6つの特徴
不動産クラウドファンディングの基本的な特徴を6つ紹介します。
- 特徴1
1万円~と少額から投資できるファンドもある
- 特徴2
ファンドを通じてさまざまな物件に投資できる
- 特徴3
賃料収入と売却益が収益の源泉
- 特徴4
損失リスクがあるがリスク軽減策を講じるファンドも
- 特徴5
途中売却をしにくいファンドが多い
- 特徴6
会社によって扱うファンドが全く異なる
それぞれのポイントについて、詳しく紹介していきます。
特徴11万円~と少額から投資できるファンドもある
不動産投資クラウドファンディングの多くの銘柄は、不特定多数から少しずつ資金を集めて、1つもしくは少数の物件に投資します。1口あたりの金額は、1万円~10万円程度の少額に設定されているケースが多いです。
たとえば、総額1億円のビルに投資するファンドだったとしても、1万口募集すれば1口あたりは1万円で済みます。このような形で、個人が現物の不動産を購入するよりも手軽に投資ができるのが、不動産クラウドファンディングの特徴です。
特徴2ファンドを通じてさまざまな物件に投資できる
不動産投資クラウドファンディングは、不動産や資産運用のプロが物件を精査して、魅力的な物件を厳選して投資しています。プロの資金調達力、情報収集力や分析能力を発揮することで、より幅広いタイプの不動産に投資が可能です。
個人で不動産投資をする場合、大半はマンション・アパートなどの賃貸住宅で運営するケースが多いでしょう。不動産投資クラウドファンディングの中にもマンションやアパートに投資するファンドは多くありますが、その他にも商業ビル、ホテル、事業開発用地など、ファンドによりさまざまな不動産へ投資しているのが特徴です。
近年の各社のファンドの投資先の事例
この表は横にスクロールできます
サービス名 | 銘柄 | 主な投資対象 |
---|---|---|
利回り不動産 | 利回り不動産63号ファンド(新橋テナントビル) | テナントビル |
CREAL | (仮称)CREALロジスティクス稲毛 | 物流施設 |
COZUCHI | 箱根町 強羅 事業用地 フェーズ2 | 別荘開発のための用地 |
TECROWD | TECROWD70号ファンド障がい者グループホーム「AMANEKU町田野津田町/葛飾東金町」 | 障がい者グループホーム |
TOMOTAQU | トモタクCF68号(RERESO 沖縄) | リゾート宿泊施設 |
不動産投資クラウドファンディングを活用すれば、現物の不動産投資では取り組みにくい物件への投資が可能です。
特徴3賃料収入と売却益が収益の源泉
不動産投資クラウドファンディングの収益の源泉は、主に運用期間中の賃料収入と満期償還時の不動産の売却益です。不動産投資クラウドファンディングのほとんどは、運用期間が数ヶ月~数年程度に決められています。
運用当初に、ファンドにて投資対象の物件を取得して、満期直前に売却し、獲得した売却資金から、投資家へ償還資金を支払います。
通常賃料収入は毎月、売却益はファンド満期到来時の直前に発生しますが、投資家に対する分配金の支払いタイミングは銘柄によってさまざまです。毎月分配されるファンドもあれば、四半期・半年のものもあります。また、期中の分配がなく償還時に売却益とまとめて支払う銘柄もあります。
売却益は当初の想定より上振れる場合がありますが、上振れ分を追加で支払うかどうかはファンドの運営方針により異なります。上振れ分を追加で支払うファンドは、市況が良好であれば、当初の利回り(予定利回り・想定利回り)よりも実績値が高くなるチャンスがあるのが特徴です。
特徴4損失リスクがあるがリスク軽減策を講じるファンドも
不動産投資クラウドファンディングは、賃料収入の減少や、売却損の発生により当初予定の利回りを下回ったり、損失が発生したりするリスクがあります。2024年時点では、正常償還(予定利回りもしくはそれ以上の利回りを実現して償還すること)100%もしくはそれに近いファンドが多いですが、リスクは決してゼロにはなりませんので注意しましょう。
なお、ファンドによっては投資家の損失リスクを抑制する仕組みを講じている場合もあります。特に優先・劣後構造を設定して、一定の損失であれば投資家に影響が出ない仕組みになっているファンドがしばしばみられます。
ファンドに損失が発生した場合、劣後出資者が優先的に損失を引き受けます。そのため、劣後出資口の元本が全損しない限りは、他の投資家には損失が及ばない仕組みです。損失が完全にゼロになるわけではありませんが、一定の損失バッファとして機能します。
特徴5途中売却をしにくいファンドが多い
不動産投資クラウドファンディングは、基本的には運用期間と償還日、分配スケジュールがあらかじめ決められています。投資開始後は償還日まで、原則として換金ができないファンドがしばしばみられます。投資をしたあとは償還日までその資金を使うことができないため、必ず余裕資金で投資しなければなりません。
ただし、たとえばCOZUHIや汐留ファンディングには、途中売却できるシステムが用意されています。また、最近の事例ではSOLSが出し入れ自由なクラウドファンディング「SOLS WALLET」を開始しました。途中売却の手段を残しておきたいなら、こうしたサービスを利用するのも一つの方法です。
特徴6会社によって扱うファンドが全く異なる
不動産投資クラウドファンディングは、ファンド運営会社ごとに取り扱うファンドが全く異なります。たとえば投資信託の場合、複数の証券会社で同一の商品が買える場合がしばしばありますし、上場しているETF/REITは基本的に上場商品を扱う証券会社の多くで取引できます。
これらとは異なり、不動産投資クラウドファンディングは、2024年10月現在では、ファンド運営会社ごとに取り扱う商品が分かれています。異なるファンド運営会社のファンドを複数購入するときには、それぞれの会社で口座開設をしなければなりません。手間がかかりますが、ファンド運営会社それぞれが独自性のあるファンドを組成・販売しています。
不動産投資クラウドファンディングなら少額でさまざまな不動産に投資できる
不動産投資クラウドファンディングは、現物の不動産へ投資するだけの自己資金がない方や、賃貸住宅以外のさまざまな不動産に投資したい方に便利です。運用期間が数年以内と短いファンドが多いので、中短期での不動産投資を考えている方にも適しています。
不動産投資クラウドファンディングに投資すると、賃料収入や売却益を原資とした分配金を獲得できます。不動産市況が悪化すれば損失を被るリスクはありますが、優先劣後構造により投資家の損失リスクを抑えたファンドもみられます。
少額から、より気軽に不動産投資にチャレンジしたい方は、不動産投資クラウドファンディングでの投資を検討してみてください。
2024年11月5日時点の情報をもとに記事を作成しています。