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- はじめに
FXは、レバレッジを活用してハイリスクハイリターンの収益を狙うイメージを持たれがちです。しかし、為替取引の一種であるFXは、実はさまざまな活用方法があります。
今回はFXを長期・安定投資に活用する方法をいくつか紹介します。外貨預金で運用している方や、外国資産へ投資している方は、ぜひ参考にしてください。
FXの3つの活用法
FXには、レバレッジを高めて為替差益を狙うよくある投資方法のほかに、次のような活用方法があります。
- 活用法1
レバレッジを抑えて外貨預金の代わりに
- 活用法2
「円高」や「ドル安」に備える運用も可能
- 活用法3
外貨建て資産と共に管理して為替リスクを抑制
FXのリスクが高くなるのは、レバレッジを無理に引き上げて取引してしまうためです。為替の変動リスクを取るだけなら、そのリスクは外貨預金とさほど変わりません。うまく活用すれば、株式などの有価証券へ投資するよりもリスクを抑えられます。
今回は、外貨預金で運用している方や、ほかの有価証券などで隠れた外貨リスクを保有している方に適したFXの活用法を紹介します。
活用法1レバレッジを抑えて外貨預金の代わりに
FXは、為替の差益とスワップポイントによる金利収入を源泉として収益を得る資産運用の方法です。外貨預金では「スワップポイント」とは呼ばないものの、本質的には銀行などで取り組むことのできる外貨預金と収益構造は同様です。
レバレッジを高めると、外貨預金と比べて数倍のリスクを取る形となってしまいます。しかし、レバレッジを1倍以下に抑えれば、リスクは外貨預金と同等かそれ以下となります。
さらにFXならではの特徴として、投資の実質的なコストが小さい傾向にあることがあげられます。外貨預金は、円から外貨への変換時と外貨から円への変換時のレートが異なり、この差が実質的な運用コストです。
たとえば、円→ドルの為替レートが150円で、ドル→円が149.5円だったとすると、仮に円→ドル、ドル→円の取引を同時に行った場合、資産が50銭分目減りすることになります。15,000円で取引をすると、50円損をする形です。この差額は金融機関の収益源となることから、実質的な手数料のようなものとなっています。
15,000円をドルに変えて、すぐに円に戻したと仮定した場合の動き
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為替レート | 計算式 | 為替取引を行った結果 | |
---|---|---|---|
円→ドル | 150円 | 15,000円/150円=100ドル | 15,000円→100ドル |
ドル→円 | 149.5円 | 100ドル×149.5円=14,950円 | 100ドル→14,950円 |
外貨預金で収益を得るためには、売買スプレッドを上回る値幅で円安になる必要があります。上記の例であれば、1ドル=150.5円以上になるのを待たなければなりません。
ほとんどの場合、外貨預金では売買スプレッドが設定されていて、メジャーな通貨でも数十銭以上の値幅があります。
一方でFXにも同様の概念として「Bid/Askスプレッド」というものがあります。仕組みは外貨預金と同様ですが、値幅が外貨預金よりも狭い傾向にあります。
一例として「みんなのFX」のドル円の取引では、スプレッドは0.2銭(0.002円)に留まります。先ほどの例を踏まえると、150円で円→ドルのポジションを持ったとしたら、150.002円以上になれば含み益が発生する水準です。
このように、FXでレバレッジをおさえてポジションを保有すれば、外貨預金と同程度のリスク、さらに低コストで為替での資産運用ができる可能性があります。
活用法2「円高」や「ドル安」に備える運用も可能
FXなら円高やドル安に備えた資産運用も可能です。外貨預金では、基本的に円→外貨のトレードとなるため、円高局面で含み損の発生を止めるのが困難です。
しかし、FXでは各通貨ペアについて「ショート(売り)」のポジションを取ることができます。たとえば「ドル円」をショートすれば、外貨預金とは逆に「円高が進むほど利益が増える」取引が可能です。先ほどと同様で、レバレッジを抑えておけばリスクは必ずしも高くなりません。
メジャー通貨を中心に、外貨対外貨の取引が可能なのも特徴です。2024年7月時点においては、アメリカの金利が日本より高いため、ドル円のショートではスワップポイントを徴収される可能性が高いといえます。長期で保有を継続すると、為替変動がなくとも損失が増えてしまいます。
もし、ドルが日本円を含むさまざまな通貨に対して下がっていくという見通しを持っているなら、FXならドルユーロやドルポンドでポジションを取る方法もあります。具体的な水準は市場環境と取引業者にもよりますが、ユーロ、イギリス共に日本より金利が高いのでスワップポイントによる損失を抑えられる可能性があります。
活用法3外貨建て資産と共に管理して為替リスクを抑制
FX以外で有価証券運用を行っている方は、為替リスクを抑えるテクニックとしてFXを活用する方法もあります。アメリカ株や外国資産に投資するETF・投資信託に投資している場合、実は保有資産規模に応じて為替リスクを取っていることになります。
米国株はドル建てで発行されるため、為替変動の影響を受けるイメージを持ちやすいでしょう。一方で、実は日本円で売買できるETFや投資信託も、投資先が海外資産でかつ為替ヘッジなしなら、知らないうちに為替変動の影響を受けています。
もし円高が進んだ場合、投資先の海外資産が上昇していても、収益が減ったりむしろ損失が発生したりするケースがあります。そこで、FXを為替ヘッジの代わりに活用することが可能です。
たとえば、米国株インデックス(S&P500)に投資する投資信託を100万円分持っていたとします。この時、FXで100万円相当額のポジションをドル円ショートのポジションを組むと、円高の影響を相殺可能です。
投資信託を100万円分、FXで100万円分のドル円ショートのポジションを取った時の損益と資産価値推移
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1月1日 | 2月1日 | 3月1日 | |
---|---|---|---|
S&P500の指数 | 5,000pt | 5,500pt | 6,000pt |
ドル円レート | 1ドル100円 | 1ドル90円 | 1ドル80円 |
投資信託の損益/資産価値 ①S&P500の変動による損益 | – | +10万円 | +9万円 |
投資信託の損益/資産価値 ②為替変動による損益 | – | -11万円 | -12万円 |
投資信託の損益/資産価値 ③資産価値 | 100万円 | 99万円 | 96万円 |
FXポジションの損益/資産価値 ④損益 | – | +10万円 | +12万円 |
FXポジションの損益/資産価値 ⑤資産価値 | 100万円 | 110万円 | 122万円 |
※計算式はそれぞれ以下の通り。
投資信託の③資産価値=前月の③資産価値+①S&P500の変動による損益+②為替変動による損益
FXの⑤資産価値=前月の⑤資産価値+④損益
上記の例において投資信託は、投資先のS&P500が上昇したのに、円高の影響で1月~3月に書けて資産が目減りしています。しかし、同時にFXのショートポジションを保有しておけば、こちらは円高によって含み益が発生します。
もし投資信託のみを保有していた場合、1月1日~3月1日にかけて4万円の損失(100万円→96万円)となりますが、FXで為替変動を相殺すれば、18万円の利益(合計200万円→218万円)を得られます。
緻密な計算が必要となるため、為替リスクを常に100%相殺するのは困難ですが、保有する有価証券の資産規模と近い金額のポジションを構築しておくと、このように為替変動の影響を抑制できます。
FXをうまく活用して外貨を資産運用に取り入れよう
FX投資はハイリスクハイリターンであると考えて、投資に躊躇する方は少なくありません。しかし、ハイリスクハイリターンになる原因はレバレッジを高めることにあるため、レバレッジを抑制すれば低コストで柔軟に外貨への投資が可能です。
また、すでに外国資産を保有している場合には、為替変動の影響を抑制する手段としても役立ちます。今回紹介した記事を参考に、過度なリスクを取らないFX投資を実践してみましょう。
2024年12月23日時点の情報をもとに記事を作成しています。