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高配当ETFとは?NISA成長投資枠にもおすすめ

  • 執筆

    Fin/d編集部

  • 監修

    伊藤 圭佑

更新日:2024.06.05

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はじめに

高配当と言えば株式をイメージする方が多いと思いますが、国内ETFにも分配金が期待できる高配当ETFがあります。ETFは株式と違い1本で複数の銘柄に分散投資できる点が特徴です。NISAの成長投資枠の運用商品として、高配当ETFを検討してみてはいかがでしょうか。

高配当ETFの3つの特徴

ETFは、運用で得た利子や配当を「分配金」として投資家に分配します。分配金利回りが高いETFは「高配当ETF」と呼ばれます。

高配当ETFの特徴は次の3つです。

特徴1

分配金という定期収入が得られる

特徴2

高配当ETFの投資先は高配当株や高利回り債券

特徴3

高配当株よりも分散投資が可能

特徴1分配金という定期収入が得られる

ETFの分配金利回りは次の式で計算されます。基準価額に対して1年間に何%の分配金を受け取れるかを示していますが、高配当ETFでは相対的に高い分配金利回りが期待できます。

分配金利回り=1年間の分配金額÷基準価額×100

例えば、分配金利回りが3%のETFに100万円投資した場合、年間で3万円(税引前)を受け取れます。ETFを保有している間は比較的安定した分配金収入が期待できますので、投資で定期的に現金収入を得られます。
分配金の回数はETFの銘柄により異なりますが、高配当ETFのような分配金収益を狙うETFは年2回、または4回、分配金を出す傾向にあります。

ETFの分配金は、運用成績により少額もしくはゼロになる可能性はありますがマイナスになることはありません。分配金としてプラスの収益を長期で獲得していくと、基準価額が下がって含み損が出てもその損失分をそれまでの分配金収入で補うという計算ができます。そのため、高配当ETFは値下がり時にも保有を継続しやすいという側面があります。

特徴2高配当ETFの投資先は高配当株や高利回り債券

ETFでは、税法上、決算期間中に発生した配当や利子などの収益(インカムゲイン)は、運用にかかるコストを除いて原則として全額分配金として払い出すことが決められています。さらに、インカムゲインよりも多くの金額を分配金として払い出すこともできません。
ETFの分配金の算出ルールは次の通りです。

分配金額=決算期間中に発生した利子・配当-信託報酬・運用コスト

このETFの分配金ルールを踏まえると、高配当ETFは投資先から多くの配当や金利収入を得ていることになります。言い換えると、高配当ETFの投資先は、株式であれば高配当、債券であれば高利回りな傾向にあるということです。また、平均的に利回りが高いREIT(不動産投資信託)が高配当ETFに含まれる場合もあります。

なお、ETFの投資先が高配当株式の場合、事業が成熟していて業績が安定的な大手企業で構成されていることが多くなっています。成長株ほどには事業成長に伴う株価上昇は見込めませんが、値動きが比較的安定しているため長期投資向きと言えます。

特徴3高配当株投資よりも分散投資が可能

ETFは、投資信託と同様に1本の商品で数多くの銘柄に分散投資しており、高配当の個別銘柄と比べて減配や株価急落等の大きな影響を受けにくいという特徴があります。
例えば野村アセットマネジメントの「NF・日経高配当50 ETF」の場合は、約50銘柄に分散投資されています。

また、高配当ETFの運用方針は利回り重視であり、定期的に利回りの良い銘柄への入れ替えが行われます。自分で手間をかけずに高配当が期待できる銘柄に投資し続けることができますので、特に投資初心者の方には大きなメリットと言えるでしょう。

高配当ETFの注意点

注意点高利回りの債券やREITはリスクが高い傾向

高配当ETFと一口に言っても、投資先の資産によりリスクが違います。株式へ投資するETFと債券やREITへ投資するETFでは「高配当」の意味合いが変わってくるので注意しましょう。

先ほど、高配当ETFの投資先は高配当や高利回りの傾向があると記載しました。
高配当株式は安定した大手企業が多い一方で、債券やREITは一般的に金利が高い銘柄ほどリスクが高い傾向にあります。
例えば、格付けが低く金利が高いハイ・イールド債や新興国債券が高利回りに該当します。また、高配当のREITは高利回り債券と似たメカニズムを持っており、利回りが高い不動産物件は価格変動や空室などのリスクが高い傾向にあります。

このように債券やREITに投資する高配当ETFは、それぞれの資産カテゴリの中で相対的にリスクの高い投資を行っている可能性があるという点を覚えておきましょう。

NISAを活用すれば分配金が非課税に

NISAでは、つみたて投資枠と成長投資枠という2つの枠があります。各枠ごとに投資できる商品が異なりますが、成長投資枠ではETFへの投資が可能です。

NISAを活用すれば、配当・分配金が非課税になります。課税口座でETFに投資すると分配金に20.315%の税金がかかり、額面上の分配金の80%弱しか手元に残りません。一方、NISAならETFの分配金が非課税になるため、分配金をまるまる全額受け取ることができ課税口座よりもおトクです。
NISAではもちろんETFの値上がり益も非課税になりますので、恩恵を余すところなく受けられます。

NISAの成長投資枠が余っている方は、高配当ETFへの投資に振り向けるのも一つの方法です。

高配当ETFの銘柄紹介

高配当ETFにはどのような銘柄があるのでしょうか。
参考として、大和アセットマネジメントと野村アセットマネジメントの高配当ETFをご紹介します。

大和アセットマネジメントの高配当ETF

大和アセットマネジメントからは、REIT・株式へ投資するETFをピックアップしています(債券においては分配金利回りを算出するのに十分な運用期間を持つETFがありません)。
REITやテーマ型の国内株式へ投資するETFの分配金利回りが、相対的に高い傾向にあります。

この表は横にスクロールできます

銘柄名分配金利回り主な投資先
iFreeETF 東証REIT指数4.20%東証に上場するJ-REIT
iFreeETF 東証REIT Core指数4.07%東証に上場するJ-REIT
iFreeETF MSCI日本株女性活躍指数(WIN)4.06%職場における高い性別多様性を推
進する日本企業の株へ投資
iFreeETF FTSE Blossom Japan Index3.50%日本のESGへの対応力が優れた企業の株へ投資
iFreeETF TOPIX高配当40指数2.06%TOPIX銘柄のうち、配当利回りが高い銘柄へ投資

野村アセットマネジメントの高配当ETF

野村アセットマネジメントの高配当ETFでは、株式よりも債券やREITの方が分配金利回りが高くなっています。また、新興国債券のETFも分配金利回りが高水準ですが、債券としてはリスクが高めである点には注意しましょう。

この表は横にスクロールできます

銘柄名分配金利回り主な投資先
NF・新興国債ヘッジ無ETF4.55%新興国の国債
NF・J-REIT ETF4.27%東証に上場しているJ-REIT
NF・外国REITヘッジ無ETF3.23%日本以外の先進国のREIT
NF・米国社債1-10年ヘッジ有ETF3.22%米国の残存年限1~10年の社債
NF・日経高配当50 ETF2.82%日本の高配当株

まとめ

高配当ETFは1本で分散投資ができ、定期的な分配金収入が期待できる点が魅力です。楽天証券には「かぶツミ®」という株式やETFを積立できるサービスがありますので、初心者の方はこういったサービス利用も含めて検討してみてください。

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2024年6月5日時点の情報をもとに記事を作成しています。

Fin/d編集部執筆

20年にわたりネット証券・銀行など金融サービスの改善業務、コンテンツ企画制作を担当してきたメンバー、各種金融事業者での実務経験者、各種資格保有者で構成しています。豊かな人生を送るための基本とも言える金融商品・サービスについて中立的な視点で分かりやすく提供しています。

伊藤 圭佑監修

証券会社、外資系資産運用会社で約14年の勤務経験を持つ。また、個人投資家として15年以上の資産運用経験を持ち、投資信託、株、ETF、不動産、FX、クラウドファンディングなどへ投資。キャリアを通じた専門性と個人投資家の経験を生かし、金融や不動産投資、経済関連の情報提供を行なっている。証券アナリスト、FP3級保有。