UPDATE 2021.12.23
マネックス証券の「ゼロETF」は、米国ETFの取引にかかる手数料を、全額キャッシュバックするプログラムです。
主な特徴は次の2つです。それぞれ詳しく解説していきます。
対象の米国ETFの取引手数料が実質0円
対象となるのはウィズダムツリー社のETF
ゼロETFは、対象の米国ETFの取引手数料が無料になる国内唯一のサービスです。売買手数料がキャッシュバックされ、実質0円になります。
米国ETFの取引手数料は、国内株式や投資信託よりかなり高く、最低手数料も決まっているので少額から気軽に取引できないというデメリットがあります。
米国株式が取引できるネット証券(マネックス証券、SBI証券、楽天証券)では、取引手数料が軒並み0.495%(税込)で、最低手数料は5米ドル(税込)。
例えば、米国ETFを10ドル分購入すると5ドルの手数料がかかり、手数料率は50%。100ドルの購入でも手数料は5ドルとなり手数料率は5%となります。このように少額ほど高い手数料率となってしまいます。
また、NISA口座では、海外ETFの買付手数料はキャッシュバックされますが、売却時には手数料がかかります。
このような手数料がかからないのは、ゼロETFの大きなメリットです。
「ゼロETF」の対象は、ウィズダムツリーという運用会社の27銘柄。そのほとんどがスマートベータ指数に連動するETFです。
スマートベータ指数とは、企業の配当や売上高、企業規模などの特定の要素に着目して銘柄を選定する株価指数です。TOPIX(東証株価指数)やS&P500などが市場全体の平均を示す指数であるのに対して、これらよりも高い利益を目指すものです。
近年、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が日本のスマートベータ指数である「JPX日経インデックス400」を採用するなど、スマートベータ指数が普及しています。インデックスとは違った運用であるスマートベータ指数に興味がある方は、それぞれの指数について調べてみるとよいかもしれません。
なお、ウィズダムツリーはETFに特化した運用会社で、米国市場に上場しています。自らスマートベータ指数を開発し、それに連動するETFの組成・運用を行っています。
ウィズダムツリーETFの経費率(信託報酬などの運用コスト)は0.5%程度の銘柄が多く、ETFとしてはやや高いコストとなっていますが、配当を重視したETFが多く、四半期毎や毎月分配金がでるETFが多いのが特徴です。
この表は横にスクロールできます
投資対象 |
ETF銘柄名 |
ティッカー |
経費率 |
---|---|---|---|
国内株式 |
ウィズダムツリー 日本小型株配当ファンド |
DFJ |
0.58% |
ウィズダムツリー 日本株米ドルヘッジ付ファンド |
DXJ |
0.48% |
|
ウィズダムツリー 日本株金融セクター米ドルヘッジ付ファンド |
DXJF |
0.48% |
|
ウィズダムツリー 日本小型株米ドルヘッジ付ファンド |
DXJS |
0.58% |
|
米国株式 |
ウィズダムツリー 米国小型株配当ファンド |
DES |
0.38% |
ウィズダムツリー 米国小型株クオリティ配当成長ファンド |
DGRS |
0.38% |
|
ウィズダムツリー 米国株クオリティ配当成長ファンド |
DGRW |
0.28% |
|
ウィズダムツリー 米国株 高配当ファンド |
DHS |
0.38% |
|
ウィズダムツリー 米国大型株配当ファンド |
DLN |
0.28% |
|
ウィズダムツリー 米国中型株配当ファンド |
DON |
0.38% |
|
ウィズダムツリー 米国株ダイナミックベアファンド |
DYB |
0.48% |
|
ウィズダムツリー 米国株ダイナミックロングショートファンド |
DYLS |
0.48% |
|
欧州株式 |
ウィズダムツリー 欧州小型株配当ファンド |
DFE |
0.58% |
ウィズダムツリー 欧州株クオリティ配当成長ファンド |
EUDG |
0.58% |
|
ウィズダムツリー 欧州株米ドルヘッジ付ファンド |
HEDJ |
0.58% |
|
グローバル株式 |
ウィズダムツリー 世界株 高配当ファンド |
DEW |
0.58% |
新興国株式 |
ウィズダムツリー 中国株ニューエコノミーファンド |
CXSE |
0.32% |
ウィズダムツリー 新興国株 高配当ファンド |
DEM |
0.63% |
|
ウィズダムツリー 新興国株クオリティ配当成長ファンド |
DGRE |
0.32% |
|
ウィズダムツリー 新興国小型株配当ファンド |
DGS |
0.58% |
|
ウィズダムツリー インド株収益ファンド |
EPI |
0.84% |
|
ウィズダムツリー 中東株配当ファンド |
GULF |
0.88% |
|
ウィズダムツリー 新興国株ニューエコノミーファンド |
XSOE |
0.32% |
|
海外債券 |
ウィズダムツリー 米国債券ファンド(利回り強化型) |
AGGY |
0.12% |
ウィズダムツリー 新興国現地通貨建債券ファンド |
ELD |
0.55% |
|
ウィズダムツリー 米国ハイイールド社債ファンド(金利ベア型) |
HYND |
0.48% |
|
ウィズダムツリー 米国ハイイールド社債ファンド(金利ヘッジ型) |
HYZD |
0.43% |
次に、「ゼロETF」のデメリットを見ていきましょう。
銘柄がかなり限定される
手数料がかかる
ゼロETFで購入できるのは、ご紹介したウィズダムツリーの27本のみ。マネックス証券が取り扱う米国ETFは270本程度あるため、銘柄がかなり限定されることになります。
米国ETFの取引は、日本円で決済できますが、決済後に米ドルへの為替取引がされるため、1米ドル当たり25銭の為替手数料がかかります。100ドルで25円、1,000ドルでも250円とそれほどかかるわけではありませんが覚えておきましょう。
銘柄は限られているものの、米国ETFの売買手数料が無料になるゼロETFは画期的なサービスです。配当を重視したETFが多いので、長期投資にもおすすめです。
マネックス証券は、米国株式に強いネット証券です。ゼロETFや米国株式に興味がある方は、口座開設を検討してみましょう。
2021年12月23日現在の各サイトの情報をもとにまとめています。最新の情報は各サイトでご確認ください。