UPDATE 2020.1.16
主要ネット証券を比較するポイントは次の6つです。株式、投資信託、ポイントプログラムなど、幅広くチェックしていきます。
国内株式(現物)
単元未満株
投資信託・投信積立
ポイントプログラム
系列銀行との口座連携サービス
iDeCo(イデコ)
国内株式(現物)は、主要ネット証券各社とも格安な手数料で取引できます。
その中でも特に、低コストで取引できるのはSBI証券、楽天証券、松井証券の3社です。この3社は、1日の約定代金合計50万円までの取引は手数料0円となります。
一般的に、SBI証券に低コストイメージが強く持たれていますが、楽天証券や松井証券も同水準となっています。
※SBI証券:アクティブプラン、楽天証券:一日定額プランの場合
マネックス証券、auカブコム証券には、こういった手数料無料サービスはなく、例えば1回50万円の取引をした場合、マネックス証券は450円、auカブコム証券は250円の取引手数料がかかります(いずれも税別)。
SBI証券 | 楽天証券 | 松井証券 | マネックス証券 | auカブコム証券 |
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ネット証券各社の国内株式(現物)の手数料について詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
単元未満株は、1株ずつ国内株式の取引ができるサービス。通常の国内株式の取引は100株単位であるため、単元未満株なら少額から始められます。
主要ネット証券では、楽天証券を除いた4社で取り扱いがあります。
単元未満株の取引手数料は、各社あまり違いがありません。
SBI証券、マネックス証券、auカブコム証券は、約定代金×0.5%(税別)、松井証券は約定代金×0.6%(税別)とほぼ横並びです。
5万円の取引で少なくとも250円(税別)程度の手数料がかかるため、通常の国内株式に比べると割高と言えます。
SBI証券 | 楽天証券 | 松井証券 | マネックス証券 | auカブコム証券 |
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取り扱いなし |
単元未満株については、続々と新しいサービスが登場しています。その中で手数料を抑えられるのは、SBIネオモバイル証券です。
単元未満株の取引ができて、月間の取引額50万円までなら、回数にかかわらず取引手数料は200円(税別)。しかも、毎月期間固定Tポイントが200ポイント付与されますので、月50万円までの取引なら実質的な出費は消費税分の20円程度となります。
投資信託の取引では、取扱商品数、積立サービス、スマートフォンでの取引しやすさといった点が比較ポイントになります。
商品数は、SBI証券、楽天証券が2,600本以上と多く、松井証券、マネックス証券、auカブコム証券が1,200本前後となっています。多ければよいということではありませんが、多い方が選択肢が広がります。
また、投信積立サービスでは、積立頻度や引落方法のバリエーションに差がありますが、総体的にSBI証券、楽天証券が他よりすぐれています。
なお、スマートフォンでの取引しやすさでは、各社の取り組みに差があります。スマホサイトでは楽天証券、スマホアプリでは松井証券の利便性が高くなっています。
SBI証券 | 楽天証券 | 松井証券 | マネックス証券 | auカブコム証券 |
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ネット証券各社の投資信託のサービスの比較について詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
ネット証券各社では、ポイントプログラムが用意されていますが、サービス内容で楽天証券が他を圧倒しています。
ポイントプログラムは、取引などでポイントが貯まり、手数料などに利用することができるといったサービス内容になりますが、楽天証券以外ではポイントはあまり貯まりません。
一番のポイントは「投信積立での楽天カード決済で1%ポイント還元」という、楽天グループならではのサービスです。これは、つみたてNISAでも利用できます。
楽天カードで決済できる投信積立は「月5万円まで」 の上限がありますが、仮に上限いっぱいの5万円分の投信積立を楽天カードでクレジット決済した場合、還元される楽天ポイントは500ポイント。1年間では6,000ポイントにもなります。
その他、楽天証券ではポイントを投資信託と国内株式の購入に、SBI証券ではポイントを投資信託の購入に利用することもできます。
SBI証券 | 楽天証券 | 松井証券 | マネックス証券 | auカブコム証券 |
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楽天証券のポイントプログラムについて詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
系列銀行との口座連携サービスとは、簡単に言うと「ネット銀行にあるお金をそのまま、ネット証券での取引(株式や投資信託の購入)に使用できる」というもので、系列のネット証券とネット銀行間で利用できます。
口座連携サービスがあるのは、SBI証券(住信SBIネット銀行)、楽天証券(楽天銀行)、auカブコム証券(auじぶん銀行)の3社です。
ただし、SBI証券の場合は、ネット銀行側での振替というひと手間が発生するため、楽天証券、auカブコム証券の方が手間が少なくなります。
さらに、口座連携サービスの利用で、ネット銀行の普通預金に優遇金利が適用されるケースが多く、3社とも優遇金利サービスが用意されていますが、サービス内容は楽天証券、auカブコム証券がSBI証券を上回っています。
金利を見ると、楽天証券、auカブコム証券では系列銀行の優遇金利が0.1%になるのに対し、SBI証券では住信SBIネット銀行の優遇金利は0.01%と低めの設定です。
また、楽天銀行、auじぶん銀行では普通預金すべてが優遇金利の対象になりますが、住信SBIネット銀行では普通預金からハイブリッド預金に振り替えた分のみとなります。
SBI証券 | 楽天証券 | 松井証券 | マネックス証券 | auカブコム証券 |
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サービスなし | サービスなし |
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)は、自分で老後資金を準備するための制度です。大きな税制優遇があるため、興味がある方も多いでしょう。
iDeCo(イデコ)では、金融機関によって運営管理手数料と商品ラインアップが異なります。
主要ネット証券5社は、いずれも運営管理手数料が無料です。
また、対象となる商品数には差があるものの、ラインアップは概ね悪くありません。ただ、auカブコム証券のラインアップは系列の運用会社(三菱UFJ国際投信、auアセットマネジメント)の商品が多くを占めており、やや気になります。
SBI証券 | 楽天証券 | 松井証券 | マネックス証券 | auカブコム証券 |
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iDeCo(イデコ)のサービス比較について詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
6つのポイントを比較しましたが、主要ネット証券5社の中で一番のおすすめは楽天証券です。
単元未満株の取り扱いはないものの、その他5つの比較ポイントではすべて「〇」以上の評価。
中でもポイントプログラムの「投信積立での楽天カード決済で1%ポイント還元」というサービスは、かなりおトクで楽天グループならではの優れた内容であり、他社には追従が難しいと考えられます。
また、楽天証券では、ポイントを投資信託や国内株式の購入に利用可能。ですから、投信積立の楽天カード決済で還元されたポイントをさらに投資に回すこともできます。
さらに、投資信託の購入でのポイント利用(1回500円以上/1ポイント以上)は、楽天市場でのSPU(スーパーポイントアッププログラム)の対象となり、その月は楽天市場のポイントが+1倍になるという特典もあります。
楽天証券を利用すると、楽天ポイントの獲得、有効活用などの面でのおトクさがあり、これらは楽天経済圏の大きなメリットと言えますね。
このようなポイントプログラムの優位性もあり、楽天証券は新規口座開設数においては他の主要ネット証券を圧倒しています。今後の新たなサービス展開も注目されます。